150年の歴史を持つスポーツクラブ
神戸在住のチアフルライター、やまさんです。
阪神神戸三宮駅を降りて、ポートライナーの高架下沿いにとことこ南下すること約7分、磯上公園の一角に神戸リガッタアンドアスレチック倶楽部(KR&AC)があります。
外国人会員専用クラブであったことから、一般の人々にはあまり馴染みのない建物ですが、この倶楽部、実は神戸開港以来150年の歴史を誇るスポーツクラブなのです。
クラブハウスのマネージャーである東(あずま)さんにお話を伺いました。
KR&ACの歴史
1870年9月23日神戸開港直後に会員43名にて創設。
創立メンバーにはA.C.シムさんのほか六甲山の開祖にして日本初のゴルフ場を作ったH.グルームさんがいました。
クラブハウスの体育館、ホールではスポーツ以外にダンスや演劇が行われ、神戸の市民ホール、文化発信基地として機能しました。
倶楽部のチームは明治時代から現在に至るまで日本各地のチームと対戦、日本の近代スポーツの発展・普及に寄与しました。
同倶楽部は最盛期である大正、昭和初期には700〜800名の会員を擁し、日本人との交流を盛んに行いました。
現在、倶楽部ではサッカー、テニス、ゴルフ、クリケット、ホッケー、ソフトボール、ダーツ、バトミントンなどの活動を行っているそうです。現在会員数は85名。
外国人の会員は大部分が神戸市内在住で、出身国はインドを筆頭に中国、パキスタン、イスラエル、台湾、イングランド、カナダ、スイスなどバラエティに富んでいます。
現在は日本人にも広く門戸を開放
写真はクラブハウスレストラン入り口のステンドグラス
よく見ると楕円の中にスポーツをする小さい人が
KR&ACは発足以来会員の会費で運営のすべてを賄う独立採算制のクラブ。
戦後一般社団法人となった現在もそれは変わらず、外部団体からの支援は一切受けていないそうです。
元々外国人専用のスポーツクラブとして発足したKR&AC。
その昔、日本人が会員になるには20名の会員の推薦を必要とするほどの狭き門だったとか。
ですが、戦時中多くの外国人が海外への退去を迫られたこと、また先の阪神淡路大震災などにより倶楽部の会員数が減少したことをきっかけに倶楽部の会員数における外国人の比率枠が徐々に緩められました。
現在では2名の会員の推薦、あるいは理事との面談で許可が下りれば日本人でも問題なく会員になれるそうです。
クラブハウスの施設紹介
1Fクラブハウスレストラン
週替りランチB 鯛のジャガイモ包み焼き
どれも美味しかったですが、個人的に冬瓜とじゅんさいのスープがよかったです。
ランチセットはこれに紅茶かコーヒーがついて¥1,440
カトラリーにもKR&ACのマークが。
年季の入ったメニューホルダー。革でできています。
メニューにはベジタリアン向けの料理も。
最近パスタが乾燥パスタから生パスタに変わり、更に美味しくなったそうです。
KR&ACホッケークラブ vs 慶應義塾大学 1920.10.30
【中編に続く】