阪神間に名紅茶が3つも。名付けて3M!

阪神間では紅茶を「お紅茶」と呼ぶそうです。「なんか上品ぶってる」と勘違いすることなかれ。もちろん阪神間モダニズムの流れから上品な方々がそう呼んできた文化が根底にあるものの、今の世代の中には緑茶=「お茶」と同じ感覚で、紅茶を「お紅茶」と呼んでいたりもします。なにせコーヒーも好きだけど、紅茶好きが多いのです。
それゆえ、有名どころの紅茶の専門店が集まっています。紅茶好きなら絶対に知っているMから始まるふたつの紅茶。MUSICAは芦屋に2013年に移転。MLESNAは西宮に本店があります。そこにもうひとつ、ひそかにMが加わっていると、今回の取材で知りました。それがマダムクリスティー=「MmeChris」。阪神間にある「紅茶の3M」。テストには出ませんが、覚えておきましょう。
初訪問はワクワク、隠れ家的なロケーションもオツ

武庫川の西岸、旧国道沿いのビルの2階。「場所が分かりにくい」とは聞いていたものの、地元なのに今まで見過ごしていたことも納得。ビル前の歩道に置かれた立て看板や階段脇に置かれた看板を目印に、なんとかたどり着けました。本当にここかしら、と少し戸惑いながら階段をのぼると「マダムクリスティー」の母体である「San Moat」と書かれた扉が。開けると華やいだ紅茶の香りが迎えてくれます。大人になって、なかなか体験することのない冒険的な感覚を、こうやって味わえるのもいいものです。

「そもそもフランス好きで何度も渡仏していた母が始めたんです」と話すオーナー堀昌弘さん。フランスの美味しい紅茶を伝えたいという彼女の熱意に共感してくれた老舗メーカー「ジョルジュ・キャノン社」の紅茶の輸入をメインに30年前に紅茶の輸入専門商社として、大阪で創業したのが「マダムクリスティー」なのだそう。二代目として昌弘さんが引き継ぎ、2019年に事務所を移転した先がここ西宮のお店。せっかく紅茶文化が浸透している阪神間にきたのだから、と、2020年から店頭で小売りを始めたとのことですが、奥様とスタッフでレストランやホテルへの卸用茶葉の発送に大忙しで、大々的に宣伝していないので今なお隠れ家感満載なのです。
一度飲むと虜になる、フレーバーティーとストレートティーについて

「ジョルジュ・キャノン社」は130年の歴史を有し、パリに本拠を構える老舗紅茶商で、世界中から集められた良質の茶葉にファクトリーで熟練ブレンダーが香料付けを行っています。香料の素はすべてフランスのグラース地方で生産された精油のみ。グラース地方とは南仏プロバンス地域にあり、世界の調香師たちが憧れる「香水の聖地」と呼ばれる場所なのです。だから合成香料のようなドギツサはもちろんなく、優しく自然な香りで、安心・安全。魅力的なナチュラルフレーバーティーゆえ「レストランやホテルからの注文が多い」のも納得です。
昌弘さんが引き継いだ際、このナチュラルフレーバーティーと並べても満足いただけるよう、ストレートティーも厳選して扱うようになりました。スリランカ、インドを中心に、旬茶(新芽)や質のいい茶葉が入ってきています。朝食やアフタヌーンティー用の定番としているホテルも多いよう。その質の良さを小売りで知ったお客様もじわじわと増えていて「朝はこれ」と決めているという声もよく聞かれるとか。
百聞は一茶にしかず。テイクアウトでぜひ体験を

事務所兼作業場でもある店内。昌弘さんは取材の合間にも、茶葉を検品したり詰め合わせたり。いい香りが充満していて、お紅茶好きな私にはたまらない空間です。すると奥様・信子さんから「試飲用に淹れますね」と嬉しいお声がけがありました。
紅茶専門店では、事細かに指示されることが多いものですが、信子さんは「とにかく熱湯を注ぐこと。あとはパッケージに書いてある通りのお湯・茶葉の量、蒸らし時間を守ればOK」とにっこり。「蒸らす際に蓋をすることは大事。蓋がなければソーサーでもいいです」とだけお話がありました。肩肘張らずに飲むことを許してくれる雰囲気も気に入りました。
この時いただいたのは人気茶葉の「ドゥスールドゥフランス」。ローズヒップやハイビスカス、エルダーベリーなどをベースにミックスフルーツを加えたノンカフェインのお茶でした。大きなテーブルも用意されているので、今後は紅茶の淹れ方講座などのワークショップも開催したいとのこと。イートインもいつかぜひ、とお願いしておきました。いまのところは茶葉から淹れたアイスティーはテイクアウト可能です。1杯350円(税込)。
パッケージもシンプルで素敵。西宮みやげとして活躍しそうな紅茶たち

紅茶は、リーフとティーバッグ(テトラタイプ)の用意があり、青、赤、白、黄、ピンク、茶色といったカラー一色のシンプルで粋なパッケージが目をひきます。なかでも、プレゼントに最適なのがお試しセット1,944円(税込)。フレーバーとストレート、フルーツティーという大きくわけて3種類扱っている紅茶の中から、それぞれ看板茶である「アールグレイ タンゴブルー」「スペシャルオリジナルブレンド」「ドゥスールドゥフランス」の詰め合わせです。何より3袋でトリコロールカラーになるのが粋です。

看板茶3種類を気軽に試せる1個入り172円(税込)のティーバッグは、試飲して好きな銘柄を決めるのにも役立ちますが、お菓子などの差し入れをする際に添えるのに重宝しそう。

思わず目を奪われたのが、青い紅茶「テ・ナチュレブルー」。バタフライピーという青い花が咲くマメ科の植物の天然色にレモングラス、エルダーフラワーをブレンド。見た目の爽やかさで夏には、ホテルなどでとても人気を集めた一杯だそう。

「ルイボスティーも良質な香りをまとった美味しいお茶をご用意できます」と昌弘さん。この夏、フレーバールイボスティーが流行りましたが、ここのは天然の香料ゆえ香りも上質で後味がスッキリ。パッケージも鮮やかなビタミンカラーの「ルイボスオレンジ」はホテルで飲んでファンになり、購入に来られたという人もいたそうです。

取材終わりに、私も友人へのギフトを吟味しました。どの紅茶にもきちんと味の解説が書いてあり、わからないことがあれば堀さんご夫婦に聞くと、選び方を指南してくれます。良質の紅茶が予想より手軽に手に入れられる「マダムクリスティー」。メジャーになる前に、紅茶党の知り合いに教えたくなるお店です。
紅茶輸入専門店 マダムクリスティー 詳細情報
住所:西宮市小松東町3丁目9‐11 田辺ビル2階
電話:0798-40-1114
アクセス:武庫川駅から徒歩約8分
定休日:土曜、日曜の午前中
営業時間:10:00~17:00
公式サイト
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