
西宮市小松西町に、気づいたら何度も「また行きたい」と思わせるパン屋さんがあります。
2023年3月にオープンした「HASHIGO bakery works(ハシゴベーカリーワークス)」。
旧国道と小曽根線が交わる交差点からすぐ南、小曽根線沿いの建物の一階の南角に、街の風景にしっくりと馴染んだたたずまいの一軒があります。
一度訪れた人がまた来て、話を聞いた人がまた訪れて…
そんな輪がじわじわと広がっているお店です。
取材に訪れた日も、「会社の人からおいしいって聞いて」とお仕事の合間に立ち寄る会社員の方、週に一度は欠かさず通うという近所の方、車でわざわざここのパンを目当てに来るという方が、次々とお店へ入っていきました。
このパン屋さんの魅力は、「おいしいパンを作っている」というだけでは語り切れません。
一つひとつのパンに宿る小さな工夫と、それを丁寧に言葉にして届けるSNSの発信。
「パンをあまり食べない」という人も「ここのパンなら食べられる」と感じさせる、間口の広さ。
パン好きはもちろん、”パンとの出会い方を広げてくれるお店”として、取材してきました。
2023年オープン。ご夫婦で営む 地域に愛されるパン屋さん

お店を営むのは、友田さんご夫妻。
オーナーの友田航介さんは、全国に展開する大手パン屋で十数年にわたり腕を磨いてきた職人です。新規店舗の立ち上げに携わるなかで、関東から関西へ。
関西の地での暮らし、結婚を経て、「自分のお店を持ちたい」という長年の夢を形にしたのが、この「HASHIGO bakery works」です。
奥様もパン屋やカフェでの経験を持ち、接客や店づくりでオーナーを支えています。
お客様との会話から生まれたアイデアを少しずつ商品開発や店づくりに反映していく。
その二人三脚のスタイルが、このお店の温度感をつくっています。
大手チェーンの経験で培った確かな技術と、個人店ならではのお客様との距離の近さ。
その両方を持つお店として、この地域に根ざしながら、少しずつ愛されてきました。
パンの可能性に、そっとはしごをかける

「はしご」という店名には、いくつかの想いが重なっています。
パンを焼くのが好きな人。食べるのが好きな人。甘いパンが好きな人。サンドイッチが好きな人。そもそもパンがそれほど得意でない人——パンとの関わり方は、人それぞれです。
そんなさまざまな”想い”をつなぎ、パンの可能性にそっと「はしごをかける」ようなお店でありたい。それが店名の由来のひとつです。
同時に、独立した先輩たちが歩んできた道を見ながら、自分たちもそこへはしごをかけていくように進んできた——という、ご夫婦自身の歩みも重なっています。
このパンのために、足を運ぶ理由がある

HASHIGO bakery worksがパンづくりで大切にしているのは、食べた人が「また来たい」と思えるパンをつくること。
「お取り寄せもできる時代だからこそ、足を運ぶ選択肢になるパンをつくりたい」
そんな想いが、日々のパンづくりの原動力になっています。
大手にも、他のお店にもない「ここにしかないパン」を目指すなかで生まれたコンセプトのひとつが、「お腹がいっぱいにならないパン」。
国産小麦をメインに使用し、体にやさしい素材選びにもこだわりながら、今の健康志向に寄り添った軽やかなパンを目指しています。
クロワッサンは、層の数にとことんこだわった一品。「他店を上回る層を重ねてやろう」という気概で作られていて、一口食べると思わず「こりゃおいしいわ」となる、サクサクの仕上がりです。
クリームパンは、一般的に「ふわふわやわらかいもの」というイメージを、あえて覆します。少し歯ごたえを持たせることで、食感のメリハリと満足感が生まれる、友田さんの熱量が乗った、その名も『無骨なクリームパン』。
惣菜パンでは、具材の存在感と食感のバランスにとことんこだわり、最後の一口までおいしく食べられるように計算されています。
素材本来のうまみと歯ごたえを活かすアプローチも、たまりません。
そして、こね方・成形・焼き方・クロワッサンの層の重ね方まで、一見すると目には見えない小さな違いの積み重ねが、「このパン好き~♡」というシンプルな好きにつながっています。
まず食べてほしい!人気&おすすめパン BEST3(個人の感想です)
No.1|アールグレイホワイトチョコ

正直に言います。
私がHASHIGO bakery worksに通うようになったのは、このパンのせいです(笑)。
アールグレイの茶葉がしっかりと練り込まれた生地を割ると、断面からホワイトチョコがちらり。紅茶のふわっとした香りが食欲をそそります。一口食べると、ホワイトチョコの甘みが主役で、そこに紅茶の風味が溶け込む、思った以上にしっかりとした甘さ。
もちもちの食感も相まって、満足度の高い一品です。
人気No.1、納得のおいしさでした。
初めて訪れる方には、まずこれを。
No.2|もちもちなのに重くないベーグル

ベーグルがちょっと苦手という人にこそ食べてほしい。
もちもちとした食感はそのままに、ベーグル特有のずっしりとした重さを感じにくく、不思議と手が伸びる軽やかさがあります。
季節ごとのオリジナルラインアップも魅力のひとつ。
この日は白桃とカシスのベーグルでした。
弾力というよりもちもちと軽やかで、具材とパン生地のハーモニーがしっかりと味わえます。「また別のベーグルも食べてみたい」と思わせる、オリジナルの味でした。
No.3|まるごとホワイトソーセージ

素材選びと組み合わせにこだわり、噛んだ瞬間のうまみと食感のバランスまで計算されています。
奥様から教えていただいたこだわりのひとつだそう。
ずっしりと存在感のあるソーセージがどんと乗った、食べ応え抜群の惣菜パンです。
お惣菜パン好きの方には、ぜひ一度食べてほしいです。
ファンが多い!私のお気に入りパンたち
カヌレ(隠れた名品)

これを読んでいる方に、こっそり教えたい存在があります。カヌレです。
パン屋さんのカヌレ、と最初は少し軽く見ていました。ごめんなさい。
外側の香ばしいカリッとした食感と、中のしっとりとした濃厚な生地のバランスが絶妙で、もしかすると私がこれまで食べたカヌレの中でベストかもしれません。(※好みの問題です)
むしろ、パンを買いに来たついでに出会えるという、この偶然の嬉しさも込みで好きです。
バゲット

誰もが知っている定番中の定番。
外側のカリッと、もちもちした内側の食感のバランスが秀逸で、何もつけずにそのまま食べてもめちゃくちゃおいしいです。
「バゲットも買っておけばよかった」と後悔しないよう、ぜひセットで手に取ってみてください。
デニッシュ(お客様のおすすめ)

取材の日に居合わせたお客様におすすめを聞いたところ、即答で返ってきたのがデニッシュ。
ファンが多いというのも納得で、ぜひ次回訪れた際には手に取ってみたい一品です。
季節限定|シュトーレン
シュトーレン好きとしては、これは見逃せません。
毎年ラインアップが変わるのも楽しみのひとつで、直近では定番に加えてチョコ味、抹茶味(和菓子風)も登場。
思わず全種類手に取りそうになるラインアップでした。
季節ごとにこんな楽しみが待っているのも、通い続けたくなる理由のひとつです。
甘いパンも惣菜パンも、どれを選んでも外れなし
多種多様な好みのどこかにはまるラインアップが揃っているのも、HASHIGO bakery worksの魅力のひとつです。それぞれが自分のお気に入りを見つけられる。パンを選ぶ楽しさを、みんなで共有できるお店です。

SNSから伝わるパンづくりへの想い

「つい行きたくなる」発信。
HASHIGO bakery worksのSNSを表す言葉としていちばんしっくりきます。
新商品の紹介だけではありません。
そのパンへのこだわりと想いまで丁寧に言葉にして届けてくれるから、投稿を読んでいると「また行きたい」「次はこのパンを食べてみたい」という気持ちが自然と湧いてきます。
友田さん自身も「SNSがあって本当によかった」と話します。
急なお休みやお知らせを伝えられるだけでなく、お客様とつながる手段になり、同じようにお店を営む方たちとの交流や、新しい情報との出会いにもなっているそうです。
個人でお店をやることの孤独さを、少し和らげてくれる存在でもあると言います。
SNSを通じてお客様とのつながりが生まれ、イベント出店や遠くからの来店につながる例も増えているそうです。
投稿の向こう側に、パンをつくる人の顔と想いが見える。
それが、HASHIGO bakery worksならではの発信の力だと思います。
パンを通して、人と人をつなぐ場所


取材を終えて、あらためて思うことがあります。
HASHIGO bakery worksは、「おいしいパン屋さん」であることは間違いありません。
でもそれ以上に、パンという入口を通じて、人と人をつないでいるお店です。
正直に言うと、アクセスがとびきり便利な場所とは言えません。
それでも「このパンのために行きたい」と思わせるのが、HASHIGO bakery worksの力だと思っています。とにかくおいしい…!この組み合わせ、最高…!とうなる味。
ついあれこれ買いすぎてしまうのが悩ましいくらい、本当に期待を裏切らないお店です。
「パン好きの人はもちろん、パンがそんなに得意じゃない人にも、ここのパンなら食べられるという人に来てもらえたら。」
友田さんのその言葉が、お店のすべてを表しているような気がします。
派手な外観ではなく知らないと通り過ぎてしまうような佇まいのパン屋さんですが、そこにはパンづくりへの情熱と、訪れる人への細やかな想いが詰まっています。
ぜひ一度足を運んでみてください。
きっと、あなたのお気に入りが見つかるはずです。
HASHIGO bakery works(ハシゴ ベーカリーワークス) 店舗情報


2023年3月にオープンした、ご夫婦で営む地域密着のパン屋さん。
「パン好きも、そうじゃない人も楽しめるパン屋でありたい」という想いのもと、甘いパンから惣菜パン、ベーグル、ハード系まで幅広く展開しています。
SNSではパンづくりへの想いや商品開発の裏側も発信されており、思わず足を運びたくなる魅力が詰まっています。
📍住所:西宮市小松西町2-1-1
⏰営業時間:10:00 – 15:00(売り切れ次第終了)
📅定休日:日・月・木
👛支払い方法:SNSで要確認
🏃アクセス:阪神「鳴尾・武庫川女子大前駅」から徒歩約10分
📲Instagram:@hashigobakeryworks






