『ブリコ』から生まれた あるひとりのブリコさんの物語
エンカチライターのakkoです。
前回ご紹介させていただいた『コーヒーとお酒と ブリコ』(※以下『ブリコ』)のアナザーストーリーをお届けします。
『コーヒーとお酒とブリコ』でカウンターを任される”ブリコさん”のひとり、アキさんこと渡邊明子さんが、ブリコ営業日以外の第2・第4水曜日に間借りで営む『喫茶マチルダ』。
この日はアキさんが”ブリコさん”から「喫茶店のママさん」へと変わります。
『ブリコ』の持つレトロな雰囲気に、アキさんというスパイスを加えて訪れる人々をおもてなしします。
元々アキさんがブリコさんに手を挙げたのは、『ブリコ』のInstagramを何気なく見ていたとき。
それまでブリコには訪れたことのなかったアキさんですが、Instagramから伝わる『ブリコ』がもつ空気感や取り巻く人たちに次第に惹かれていったそう。
「ある日”ブリコさん募集”という投稿を見て。普段は慎重派なんです。でもあのときだけは直感で動いて、すぐDMを送っていました」と笑います。
それまでは専業主婦で下は22歳、18歳、13歳の3人のお子さんがいる彼女ですが、ブリコとの出会いがその背中を押し、家族の応援を受けて、新しい一歩を踏み出す原動力となったといいます。
大好きがぎっしり詰まった『喫茶マチルダ』
『喫茶マチルダ』では、彼女が好きなレトロでどこか懐かしい喫茶店の世界観が表現されています。
「古いもの、ヴィンテージに惹かれるんです。そんな風合いも一緒に楽しんでもらえたら」とアキさん。
『喫茶マチルダ』という店名も、そんな彼女の想いとピッタリくる名前になりました。
アキさんが『喫茶マチルダ』を始めることになった経緯もお聞きしました。
『ブリコ』の営業日は金・土・日で、平日は基本的に閉めていることから、使いたい人と言う人が現れたこともあったそう。その時、「それなら私もやってみたい」と思ったことがきっかけで、元々ブリコさんとして&ブリコを大切に思うアキさんならと、トントン拍子に決まり、今に至ります。
「ありきたりかもしれませんが、やっぱりご縁とタイミングだと思います」と話してくれました。
喫茶店と言えばカレーでしょ!
『喫茶マチルダ』の看板メニューは、昔ながらの喫茶店スタイルの「黒カレー」
手間暇と時間をかけてじっくり煮込んだ深みのある一皿です。
煮込んだというより、煮詰めたようなドロリとした口当たりで、スパイシーな中に奥深いコクが感じられます。ギュッと凝縮された旨味やビター感がクセになりそうです。
スパイスを選び、材料の火加減を調整しながら、何度も試行錯誤を繰り返して完成したこだわりの黒カレーです。
「このカレーは、少しでも手を抜こうとするとこの味にならないんです。丁寧に手間をかけることを大切にしています」
黒カレーのキモでもある玉ねぎをじっくり時間をかけて炒める大変な作業すら愛おしそうに語ります。
こだわりは、試行錯誤にかけた時間より「喫茶店のカレー」であること。
喫茶店への愛情がたっぷり詰まったカレーには、ちゃんと福神漬けとらっきょうが添えられています。
カレーの〆はバスチーで
ガツンと黒カレーをいただいたら、デザートにはバスクチーズケーキとコーヒーはいかがでしょう。
このチーズケーキがまた美味しいんです。濃厚でいて爽やか、トロッとした口当たり。
カレーにはこれ!と豆を選んでもらった、こだわりのコーヒーと相性が抜群です。
ブリコさんと『喫茶マチルダ』のママ・主婦・母を自分らしく行き来する
ブリコや『喫茶マチルダ』を通して、これまでの毎日では出会うことのなかった人々と交流を深めるようになったアキさん。その出会いで新しい世界が広がり、自分の性格も少しずつ自分を前向きに変えられた、と話すアキさんの笑顔が、喫茶マチルダの空間を一層温かくしてくれています。
『喫茶マチルダ』は、そんなアキさんの新しい物語が始まった特別な場所で、私にとっても「また訪れたい」と思える温かな空間でした。
次の営業日には、アキさんの特製カレーを味わいに、ふらりと「喫茶マチルダ」を訪れてみてはいかがでしょうか?
『喫茶マチルダ』店舗情報
神戸BAL(バル)裏の路地
神戸市中央区三宮町3-6-6 SANNOMIYA366ビル43号室
『コーヒーとお酒と ブリコ』内 月2回間借りオープンする喫茶店
■営業日・営業時間
第2水曜日 12:00~19:00
第4水曜日 12:00~22:00
臨時休業、変更は公式Instagramの営業カレンダーで確認ください