沿線お役立ちコラム

笑いの保育わくわく流 こどもの褒め方2019.6月号

笑いとわくわくのエッセンス満載の「わくわく保育だより」6月号では『こどもの褒め方』をご紹介します。
子育て真っ最中のママパパも、おじいちゃんおばあちゃんもみんなみんな褒め上手になってこどもたちとの関わりをさらに楽しみましょう!

直伝!褒め方のコツ教えます

幼稚園、保育園の先生にとってこどもたちのモチベーションを上げる
技のひとつに『褒めること』があります。
つまり、褒めること=認めること。
どんなに些細な事でも気付いて褒める。この行為がとっても大切。
日々の園生活でのちょこっとした褒め方のコツをお伝えします。

褒める言葉には
「すごいね」
「やったね」
「かっこいいね」などなど沢山あります。

忙しいとついつい
「すごいね!」と一言でまとめてしまいますが、『何をしてすごいのか』
までを具体的に伝えて褒めることが褒め方のコツです。

「せんせ〜い!にんじん食べたよ!」
「◯◯ちゃんお野菜苦手なのに食べられたんだね!頑張ったね!」

「せんせ〜い!前回りできたよ!」
「◯◯くん手に豆ができるくらい毎日練習してたもんね!やったね!」

褒めた後についついもっと頑張ろうね!と最後に一言言いたくなるのがおとなたち。
「◯◯ちゃんお野菜苦手なのに食べられたんだね!頑張ったね!次はトマトもがんばろうね!」
「◯◯くん手に豆ができるくらい毎日練習してたもんね!やったね!次は逆上がりに挑戦だね!」

このように最後に一言次の目標を言いがち。
しかしそうすることで、せっかく出来たことに喜んでいるこどもに対してさらなる難題を押し付けることになります。これではさっき褒めたことが水の泡になってしまいます。
まずはしっかり褒めること。

褒める時のコツは
・何をしてすごいのか具体的に褒める
・褒める時は褒めることに集中

褒めて褒めて褒めまくる!

幼稚園の先生になりたいと思ったきっかけは沢山ありますが、
『この時期はどんなことでもいっぱい褒めることができる』
これが1番の魅力でした。

小学生になるとテストがあり、嫌でも成績が数字で見えてきます。
算数ができた、できない。
漢字が書けた、書けない。

未就学児はまだ成績という世界では過ごしていないため、
その子が好きなことを伸ばし、褒めることが大切な時期です。
その子が得意でできたこと全てが百点満点なんです。
そんな素敵な時期に子どもたちと関わることのできる喜びは幼稚園、保育園の先生の醍醐味とも言えます。

1日中お絵描きをしている子がいれば、
「お!将来は絵描きさんになるのかな?」

だんごむしをお皿いっぱいに集めている子がいれば、
「昆虫博士になれるね!」

夢がどんどん広がります。

周りのおとなはこどものできないことを粗探しすることよりも、
できることを知り、自信をつけてあげることが大切だと思います。

こどもたちは無限の可能性を持っています。
その可能性を引き出すのも潰すのもおとなの発する言葉次第ですね。

苦手なことも大好きになる褒め方

自分を褒めてもらえるのはおとなもこどもも嬉しいですよね。
ここでは年齢別で、お絵かきのやる気スイッチをオンにする方法をお伝えしていきたいと思います。

○3歳のお絵かきの時間の場合
「せんせ〜い描けた〜!」
「何を描いたのかな〜?」
「メロン!」
「そうなんだ通りで甘い匂いがしたんだ。美味しそう。食べてもいいかな?」
「いいよ!」
「パクパク。柔らかくて甘いメロンだなー!幸せ気分になっちゃった。どうもありがとう!」

ポイントは
先生が、何を描いたかを"最初に聞く"こと。
一見するとおとなが見てもわからないものにもちゃんと意味があったりするんです。
なので先にこれはオレンジかな?と一方的に決めつけて聞かずに
最初に何を書いたかを聞くのがとても大事なんです。
自分の描いた絵で先生がにこにこ食べて笑ったり、
物語が広がったらもっと描きたい!と自然とやる気スイッチが入ります。

○4.5歳の遠足の絵を描き進めている場合
「象の右足、力強く描いてるね!」
「すごい音しながら歩きそう!」
「この長い鼻に乗ってみたらゆらゆら気持ちいいだろうな!」

ポイントはこどもの描いた絵をできるだけ評価しないこと。
「上手だね!」の代わりにその絵がどう魅力的なのか、
ポイントを絞って伝えたり、もしも絵の世界に入ったら…
と想像したことを伝えると褒めの言葉が見つかります。
他のこどもを先生が褒めていると、自分の絵を見たらどんなこと
言ってもらえるかなと、こどもたちもわくわく夢中になって描き進めます。

ちなみに最後に出来上がった絵を見て、
「○○ちゃんの絵もっとみたくなっちゃったな!」
とこどもに声をかけると絵を描くのが苦手な子でも、パッと笑顔になります。

褒め名人ここに参上!

こどももとっても褒め上手。
先生の変化にもいち早く気付いて褒めてくれることが多いんです。

「髪の毛切ったの!?かわいい!」
「エプロンかわいいね!」
「靴かわいいね!」
「タオルかわいいね!」

小さな変化も本当によく見ています。
そんな中でとびきりびっくりしたのが3歳の女の子のこの褒めワード。
「先生…!可愛すぎて困る〜!」
この言葉、なんと正面から抱きつきながら言われました。
か、可愛すぎる…!可愛いすぎるは聞いたことあるけど可愛すぎて困るって…!
なんて返せばいいか分からず、「ありがとう」と言うと
他の子もマネして「大好き〜!」と抱きついてきて、そのままみんなに抱きつかれた重みでゆっくり倒れました。
言うまでもなく先生のやる気スイッチはその日つけっぱなしに。こどもの褒めのセンスに脱帽した日でした。

きっとコラムを読んでいるママやパパもこどもを褒めるだけでなく
日頃たくさんこどもに褒めてもらっているのではないでしょうか。

こどもの素直に褒めるところ、おとなも見習いたいものですね。
褒めて褒められみんな素敵な褒め名人!

一おとなもこどももみんなみんなわくわく一

次号もどうぞお楽しみに!