沿線お役立ちコラム

【後編】路上はマンホールの美術館@阪神電鉄沿線路上観察の旅

城(ジョー)のあるまち尼崎市

チアフルライターやまさんです。

「路上はマンホールの美術館@阪神電鉄沿線路上観察の旅」後編スタートです。

 

【前編】はこちら

 

【前編】路上はマンホールの美術館@阪神電鉄沿線路上観察の旅

 

阪神尼崎駅の西改札を北へ出るとすぐ目の前に見えるあまがさき観光案内所。ここでマンホールカードをゲットできます。カードは2種類ありますが、もらえるのは一度に1人1枚です。

その足で駅へと戻ると、なんとこんな場所にデザインマンホールがありました。意外と気づかないものです。

あまがさき観光案内所では土日祝日限定でこちらのカードを配布しています。平日にゲットしたい方は尼崎市の上下水道庁舎へおでかけくださいね。

 

2016年に市制100年を記念して制作されたデザインマンホール。「下水道は浸水を防いでいます!」と書いてあります。大雨が降っても街が水浸しにならないのは地面の下に張り巡らされ、しっかりと整備された下水管や雨水管、側溝のお陰です。マンホール観察をしていると、マンホールや側溝の蓋の隙間に煙草やガムの噛みカスが捨てられているのをよく見かけます。でも気軽にそういうことをすると最後に困るのは自分たちなのですよね。ゴミのポイ捨て、ダメ絶対です。

今度は駅を南側へ出てみましょう。写真左端に小さく見えるレンガ造りの建物は阪神電鉄の旧尼崎発電所です。その南側には2018年に再建された尼崎城があります。尼崎城では様々なアトラクションが用意されており、忍者や武士、お姫様のコスプレを楽しむこともできます。

こちらの尼崎城カードは観光案内所でいつでももらうことができます。

 

カードの説明には書いてありませんでしたが、お城を囲んでいる花は尼崎市の市花、キョウチクトウのようです。尼崎市のHPによると、昭和20年代中頃、ジェーン台風などの度重なる台風で、尼崎南部が海水に浸かってしまった時もキョウチクトウは残り、花を咲かせ市民を元気付けたので、天災や戦災からの復興のシンボルとして選定されたのだそう。

尼崎市が製作したデザインマンホールがもう一つ、JR塚口駅近くの近松公園にあります。これは忍たま乱太郎のキャラクターの1人久々知兵助をデザインしたもので、尼崎市久々知という地名と、作者の尼子騒兵衛氏が尼崎市出身であることにちなんでいます。公園の隣の廣済寺には人形浄瑠璃作家、近松門左衛門のお墓があります。

神戸市民がデザインしたマンホールがある神戸市

こちらはポートアイランドにある神戸市建設局中央水環境センター・下水道展示館です。映像やクイズ形式で下水処理の仕組みを紹介しています。ここで展示を見学すると「だいすきこうべ」カードをゲットすることができます。敷地内には「もぐランド」という下水道管の中を体感できる施設もあり、団体予約することで見学が可能となっています。

「だいすきこうべ」のデザインマンホールは旧神戸居留地にある神戸朝日ビルディング前にあります。このビルは1994年に竣工した25階建ての比較的新しいものですが、低層階の外壁に戦前の1934年に建造された旧神戸証券取引所の外観が保存されており、旧居留地らしさを壊さない工夫が施されています。

このマンホールは2016年の第1回マンホールデザインコンテスト小中学生の部で最優秀作品に選ばれたものです。市章山・錨山、ポートタワーなどが取り入れられており、よく見ると海と山と空が一体化したような面白いデザインになっています。

もう1枚の「王子動物園」カードは魚崎駅から徒歩17分の場所にある東水環境センター・神戸 下水道の歩み館で東灘処理場を見学するとゲットできます。

神戸 下水道の歩み館エントランス。神戸中のデザインマンホールが展示されています。

マンホールは王子動物園の入口にあります。王子動物園デザインマンホールは王子動物園と神戸市が共同で制作したもの。カラーのものが1枚、モノクロのものが12枚、合計13枚が動物園の周辺に設置されています。

こちらは阪急王子公園駅が最寄り駅なので阪神電鉄沿線ではないのですが、動物園へ行ったら探してみてくださいね。

楽しい路上観察の世界へようこそ

写真:長田区駒ヶ林町4丁目で使われていた側溝の蓋。まちあるきツアーで紹介していただいたものです。この蓋が使われていた頃は、台所の排水が下水処理場を通さず直接側溝や川へ流れ込んでいたんでしょうね。

 

皆さんは「考現学」という言葉をご存知でしょうか?これは1927年に今和次郎という民俗学研究者が提唱したもので、現代の社会現象を場所・時間を定めて組織的に調査・研究し、世相や風俗を分析・解説しようとする学問です。現代について考える学問なので、考古学をもじって「考現学」と名付けられたそうです。この考現学を実践しているのが「路上観察学会」。『路上観察学入門』という書籍の出版に合わせて赤瀬川原平、藤森照信、南伸坊、林丈二、松田哲夫、杉浦日向子、荒俣宏らにより1986年に結成されました。学会ではまちなかのトマソン物件、建物のカケラ、マンホール、看板建築、ピクトグラム、張り紙など、通常は見過ごされているものを観察・収集対象としています。―美術手帖 art wiki「路上観察学会」より

 

やまさんは赤瀬川原平氏の著書『超芸術トマソン』を読んで、世の中にはこんなに面白そうな世界があるのかと、自分でもおでかけや用事の最中にまちなかの建物や地面を観察するようになりました。そうすると、たくさん新しい発見があるんですね。マンホールの観察もそのひとつ。これまで見てきたマンホール以外の蓋もとても面白いので、ちょっとだけご紹介します。

西宮市の蓋を集めてみました。可愛いキャラクターが描かれたものが多いです。中央上は甲子園球場の敷地で使われている蓋。西宮市の市章である六芒星のようなマークがついた蓋も多いです。これは3つの「ヤ」をデザイン化したのもで、ニシノミヤの「ミヤ」を表しているそうです。

こちらは四角い蓋。水道メーターや消火栓が多いです。左端の真ん中は神戸市の側溝の蓋。神戸市の観光名所がデザインされており、側溝の蓋とは思えないほど凝っています。

こちらは神戸市の蓋。左下だけ須磨区のものです。右下は三宮センター街で使用されている万年暦をデザインしたもの。おしゃれですよね。

以上、阪神電鉄沿線でゲットできるマンホールカードとデザインマンホールについてご紹介しました。歩道を歩いていると、下水用マンホール以外にも個性的な蓋をたくさん見ることができます。皆さんも散歩のときなどに路上を観察してみてくださいね。

マンホールカード配布場所

クリエートにしのみや

アクセス:ららぽーと甲子園2F 甲子園駅東改札口より徒歩5分

営業時間:10:00〜18:00

定休日:火曜日/年末年始

 

 

大阪市下水道科学館

アクセス:阪神淀川駅より徒歩7分

開館時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)

休館日:水曜日(休日の場合は翌平日)/年末年始

入館料:無料

 

 

芦屋市上下水道部下水道課

アクセス:阪神芦屋駅より南へ徒歩1分

平日配布:芦屋市役所東館1F下水道課

休日・年末年始配布:芦屋市役所北館B1警備室

配布時間:9:00〜17:30(年中無休)

 

 

あまがさき観光案内所

アクセス:阪神尼崎駅北側中央公園内

営業時間:9:00〜17:00

休日:12/29〜1/2

 

 

ポートアイランド処理場・下水道展示室

アクセス:ポートライナー市民広場駅より徒歩9分

開館時間:10:00〜16:00

休館日:土日祝日・12/28〜1/4

 

 

東灘処理場 東水環境センター・下水道の歩み館

アクセス:魚崎駅より徒歩17分 青木駅より徒歩15分

見学可能日:平日9:00〜17:00(12:00〜13:00は休止)

電話:078-451-0456(予約必須)

 

 

 

文/チアフルライター やまさん

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