
毎年、六甲山を舞台に開催されている「神戸六甲ミーツ・アート」。
以前から気になっていたものの、
「小さい子どもを連れて行っても楽しめるのかな?」
「車がなくて電車で行っても大丈夫?」
「現代アートって、ちょっと難しそう…」
と、いろいろ気になることがあり、なかなか足を運べずにいました。
今回は以前から気になっていた作家さんが出展されていることもあり、ご縁あって内覧会に参加させていただくことに。
実際に訪れてみると、「会期中にもう一度行きたい!」と思うほどめちゃくちゃよかったのでその様子を少しでもお伝えできたらなと思います!
というわけで
現代アートに詳しくない私が実際に歩いてみた感想とともに、子連れで楽しめそうな作品やおすすめの回り方を紹介します!
六甲ケーブルで山上へ






六甲山へ行くなら、六甲ケーブルで山上へ。
ケーブルカーは2両編成で、窓ガラスのない車両と窓ガラスのある車両があります。
窓ガラスのない車両は開放感があり、ちょっとしたアトラクションのような雰囲気。子どもと一緒なら、こちらのほうが喜んでくれそうです。
今回訪れた日は、地上では雨が止んでいたものの、山上では雨が降っていました。
「山だから天気が違うかも」と思って雨具を持ってきていたのですが、これは正解でした。
さらに、まだ残暑が続く時期でしたが、山上は地上よりかなり涼しく感じました。
なので、雨具に加えて、羽織れるものも持っていくと安心です。
……それと、ケーブルカーの階段は急。
ベビーカーで訪れる場合はこの階段を上るのと、畳んで乗車する際に置き場所に困りそうなので少し大変かもしれません。
しかもこの日は濡れていて滑りやすかったので、
「これ、子ども連れで来るのちょっと大変じゃない…?」
と、この時点では少し不安になっていました笑
まずは注目していた井上涼さんの作品へ

今回、私が特に楽しみにしていたのが、井上涼さんの作品。「びじゅチューン!」で知っている方も多いのではないでしょうか。
私は「赤ずきんと健康(2007年)」という作品を発表された頃から井上さんの作品が好きで、今回最も注目していたと言っても過言ではありません。
六甲山上駅から出て、左手の階段を上って天覧台エリアへ向かいます。
今回の作品は、
「じーっと! つぶさに! 妖精ウォッチング」
という映像作品です。
タイトルだけを見て「どんな作品なんだろう?」と思いながら向かったのですが、実際に見てみると、やっぱり井上涼ワールド!
井上さんの作品を知っている方なら分かると思いますが、今回も子どもが好きそうな要素がたっぷり詰め込まれていました!
一方で、隣で鑑賞していた年配の男性は、初めて浴びる井上ワールドに少し困惑しているようにも見えて、隣で大興奮している私との温度差もなんだか面白かったです笑。
7分間の映像作品。親子で「探す」楽しみ方も


作品は約7分間。
2人のキャラクターの掛け合いが約5分、その後に約2分間の歌が流れる構成です。
映像と映像の間には30秒ほどのインターバルがあります。
椅子は少なめなので、混雑時は立ち見になる可能性もありそうです。
写真撮影はOKですが、動画撮影はNGでした。
さて、作品に登場する妖精たちは、どこか人間らしいところがあります。
「この妖精、なんかわかるな……」
と思ってしまうような部分もあり、思わず「ふふっ」と声が出てしまいました。
私のお気に入りは、お花に住んでみたものの、住み心地が悪かった妖精。
「タワーマンションに住んでみたけど、エレベーター全然来ないし住み心地悪いな……」
みたいな人間もいるよなぁ、と想像して見ていました。
そう、この作品の面白さは、ただ映像を見るだけではありません。
制作者の井上さんによると、子どもたちが
「あ!あそこに○○いた!」
「え?どこにいたん?」
「ママわかんないの?もう1回見よ!」
と楽しめるような、「ミッケ!」や「ウォーリーをさがせ!」といった探し絵絵本の感覚も意識して制作されたそうです。
これは子どもと一緒に見たら絶対楽しい!!
井上涼さんに作品について聞いてみました!

今回は、作品鑑賞後に井上さんご本人にお話を伺える貴重な機会もあったので、
いくつか質問させていただきました。(撮影するときキュートなポーズを取ってくれました!)
まず気になったのが、作品に登場する妖精たちの名前。
一体どうやって決めているのか聞いてみると、「完全に音感」とのこと。
特定の国籍や地域を連想させたり、具体的な場所を考察できたりしないように、「ありそうでない」ような語感を意識しているそうです。
ちなみに、井上さんのお気に入りの名前は、
「らいらいらいがりけりさん」
だそう。
…名前だけでもう、井上涼ワールド笑。
作品の着想についても伺いました。
六甲山から地上を見下ろしたとき、
「雲や霧が晴れると、さっきまで見えなかったものが見えてくる」
というところからインスピレーションを得たそうです。
制作では、まず妖精一人ひとりの設定を考え、そこからストーリー→歌という順番で作っていったとのこと。
また、物語を5分、歌を2分という構成にしたのは、子どもたちが飽きずに楽しみながら、ほかの作品も見て回れるようにするためだそうです。
「一つの作品をじっくり見る」というより、親子や友人とワイワイ楽しめる作品。
これは、現代アートに詳しくない私でもかなり入りやすい作品でした。
天覧台エリアは「感じて楽しむ」作品がいっぱい



同じ天覧台エリアには、ジュン・グエン=ハツシバさんの作品や、宮嵜浩さんの「CELEBRATION / 借景のヴァニタス」なども展示されています。
特に「CELEBRATION / 借景のヴァニタス」は、子どものままごとセットを彷彿とさせるような雰囲気。
「うちの姉妹が見たら、触りたくて仕方なくなるだろうな……」
と思いました笑
もちろん、作品には触らないようにしましょう!
このエリアを歩いてみて感じたのは、必ずしも作品を専門的に理解する必要はないということ。
「なんだろう?」
「面白いな」
「子どもが好きそう!」
と、見たり感じたりするだけでも十分楽しめます。
ただし、階段があるので、あまり小さなお子さんを連れて歩く場合は少し注意が必要です。
子連れならどこを回る?井上涼さんにおすすめコースを聞いてみました

井上さんには、
「子連れで来るなら、おすすめのコースはありますか?」
とも聞いてみました。
そこでおすすめしていただいたのが、「自然体感展望台 六甲枝垂れ」。
「展望台の中に入ると気持ちがいいですよ」
と教えていただいたので、さっそく行ってみることにしました。
天覧台エリアから六甲枝垂れまでは、バスでガーデンテラスエリアへ移動し、そこから徒歩で約5分。
ちなみにバスは交通系ICカードには対応していませんが、クレジットカードのタッチ決済が利用できたので助かりました。
六甲枝垂れへ向かう前に、ガーデンテラスエリアの作品も見てみることに。
そこで最初に目に飛び込んできたのが…。
突然の巨大おにぎり!



ガーデンテラスエリアに入ってすぐ目に飛び込んできたのは、巨大なおにぎり!
これは子どもが見つけたら、
「おにぎりだーーー!!!」
と駆け寄っていくやつ笑。
こちらは佐川好弘さんの「インスタント パワースポット」。
木製のおにぎり、もといおむすびがたくさん置かれていて、なんと自由に触ってOK。
この「おむすび」は以前展示されていた作品のアンコール展示で、今回は「青春アクション」を加えて「インスタント パワースポット」として展示されています。
さらに、おむすびを温める電子レンジも本物を加工したもの。
実際に「チーン!」と音が鳴るので、私も思わず楽しくなってしまいました。
これは子どもと一緒に来たらかなり盛り上がりそうです。
大人も楽しめる「青春アクションみくじ」


そして、大人の方にぜひ試してほしいのが「青春アクションみくじ」。
コロナ禍当時に大学生だった世代が「青春ロスジェネ世代」として青春をやり直している、という話を聞いたことから生まれた作品だそうです。
私も実際におみくじを引いてみました。
出てきたのは、
「自転車で集まる」
というアクション。
ほかの番号の引き出しも開けて見せていただいたのですが、ちょっと勇気が必要なものもあれば、
「いや、これ実際にちょっとやってみたいかも」
と思うものも。
なんだか不思議と気持ちがほっこりしました。
ちなみに「自転車で集まる」は、いまだに実行できていません笑
でも、どうにか実行してみたいと思っています。
佐川好弘さんに教えてもらった「子連れおすすめスポット」

佐川さんに、
「今回は連れてきていないんですが、今度は子どもと一緒に回りたいと思っていて……」
とお話ししたところ、
「六甲高山植物園は、作品も展示しているし、子どもたちが自由に走ったりして、いつも楽しそうですよ」
と教えていただきました。
これは次回、ぜひ行ってみたい!
今回、私は
天覧台 → ガーデンテラスエリア → 六甲枝垂れ → 六甲山上駅
というルートで、2時間少しかかりました。
子連れの場合は、ここに六甲高山植物園を加え、途中でお昼ごはんを挟むくらいのルートがちょうどよさそうです。
「現代アートって難しい」を少しだけ忘れられた作品



ガーデンテラスエリアには、ほかにも印象に残った作品がありました。
四方謙一さんの「景色が削り出される」を見たときには、
「うちの子どもたちが見たら『万博にありそう!』って言いそうだな」なんて想像したり。
現代アートって、正直なところ、私にも「どういう意味なんだろう?」とわからない作品があります。
自分主体で考えると「わからない」という気持ちが先行してしまって
「なんかわからなかったなー」と思うだけで終わってしまうんですが
「もしあの人がこれを見たら、どう思うだろう?」
と考えてみると、自分自身がどう感じたかとはまた違ったところから想像が膨らんでいきました。
「少し視点を変えてみる」
そんな楽しみ方を見つけられたのも、今回の六甲ミーツ・アートの面白さでした。
子どもと一緒なら「未来郵便局」もおすすめ



開発好明さんの「未来郵便局in六甲」は、書いた手紙が約1年後に届く体験型の作品。
未来の自分だけでなく、友達や家族に送ることもできます。
これは子どもと一緒に体験したら楽しそう!
ただし、手紙はその場で購入したレターセットを使って出す必要があります。
子どもに体験させたら、
「いつまでもお絵描きが終わらなくて、その場から離れられない……」
という展開もありそうなので、時間には余裕を持っておくのがおすすめです。
六甲枝垂れは「見る」だけじゃなくて空気も楽しみたい





ガーデンテラスエリアから歩いて、六甲枝垂れへ。
六甲枝垂れの中に入って上を見上げると、空がパズルのピースで埋め尽くされているような、不思議な感覚になります。
そして、木の香りがすごく心地よくて。
「自然体感展望台」という名前の通り、作品を見るだけではなく、六甲山の自然そのものを感じられる場所だと思いました。
シダレミュージアムには「杉山兄弟のシャボン玉広場」もあり、大きなシャボン玉を作って、私も思わず童心に返って遊んでしまいました。
子どもと一緒だったら、ここもかなり楽しめそうです。
そして、やっぱりここから見える景色は絶景。
今回は天候があまりよくなかったので、晴れた日にもう一度来たい!と思いました。
六甲枝垂れエリアを歩いていると、地上ではあまり見かけないような高山植物もたくさんあり、こちらも興味深かったです。
六甲ミーツ・アートは「子どもには難しい」どころか、親子で楽しめそう!

今回初めて実際に六甲ミーツ・アートを体験してみて、最初に感じていた
「現代アートって難しそう」
「子どもにはちょっと早いかな」
という心配は、かなり薄れました。
もちろん、作品によっては「これはどういう意味なんだろう?」と考え込むものもあります。
でも、子どもと一緒なら、
「これ何に見える?」
「おにぎりあった!」
「この作品、○○ちゃん好きそう!」
と、自分なりの楽しみ方を見つければいい。
むしろ、子どもの視点を借りることで、大人だけでは気づかなかった面白さを発見できるのかもしれません。
一方で、山上は天候が変わりやすく、階段や坂道もあります。
雨具・羽織るもの・歩きやすい靴は用意しておくと安心。
また、全部のエリアを一日で回ろうとするとかなり大変なので、子連れならエリアを絞って、飲食店のあるガーデンテラスエリアや六甲枝垂れ、六甲高山植物園などを組み合わせるのがおすすめです。
今回、私は2時間ほどの滞在でしたが、
「ここ、子どもたちと一緒に来たら絶対面白いだろうな」
と思う場所がたくさんありました。
今度はぜひ、我が家の子どもたちを連れてもう一度訪れてみたいと思います。
神戸六甲ミーツ・アート2026 beyond 開催概要
会期:2026年8月29日(土)~11月29日(日) ※会期中無休(六甲山サイレンスリゾートは毎週月曜休業)
開場時間:10:00~17:00 ※会場により一部異なります
会場:六甲ケーブル(下駅・山上駅)、天覧台、六甲ガーデンテラスエリア、自然体感展望台 六甲枝垂れ ほか
鑑賞パスポート:
昼パス 大人3,300円/小人1,300円
昼夜パス 大人4,300円/小人1,800円
(いずれも当日料金・Web割あり)
※大人は中学生以上、小人は4歳~小学生、3歳以下無料
主催:六甲山観光株式会社、阪神電気鉄道株式会社
お問い合わせ:078-891-0048(神戸六甲ミーツ・アート事務局)
公式サイト






