「ずっとつながるえほんの世界 偕成社子どもの本展」に行ってきた!@六甲アイランド
こんにちは。エンカチライターなないろです。
子育てや働く日々のそばにある、心地よいなぁと感じられる街の魅力を見つけて発信していきたいなと思い、記事を執筆しています。
今回ご紹介するのは、六甲アイランドにある神戸ファッション美術館で8月30日まで開催されている「ずっとつながるえほんの世界 偕成社子どもの本展」です。

このポスターに載っている『はらぺこあおむし』と『ノンタン』を見て、いつも子どもと読んでいた絵本が偕成社の絵本なんだ!と知り、家族でぜひ行ってみたいと思い足を運ぶことになりました。
今回はスタッフの方に教えていただいた見どころや、家族4人で展覧会を楽しんだ感想なども併せてご紹介していきます。
子どもだけではなくどの世代も楽しめる展覧会だったので、この記事を通してその魅力をお伝えできたらいいなと思っています。
なお、本記事内の展覧会の写真は許可を得て撮影しています。
神戸ファッション美術館へのアクセス
阪神魚崎駅から六甲ライナーに乗り換え、「アイランドセンター」駅から徒歩3分。駅から階段を降りて1階からの入場が近いですが、夏の猛暑や雨を避けたい方、ベビーカーなどを利用されている方は、アイランドセンター駅直結のアーバングルメポートを経由してROKKO i PARKの3階からエレベーターで降りると外に出ずにたどり着けます。

涼しい時間帯は、外のリバーモール沿いをお散歩するのも気持ちいいですよ。
「見る、読む、感じる」体験を 本展覧会の見どころは?
神戸ファッション美術館広報の今中さんに本展覧会の見どころについて教えていただきました。
今年、創業90周年を迎える児童書出版社「偕成社」の本を、本そのものだけでなく、どのように本が生まれたのかという制作過程や、出版社と作者の方とのやり取り、原画などもじっくり見ることができる展覧会となっているそうです。
展示のテーマは、見る、読む、感じる体験ができる展覧会。
絵本の絵や原画などの展示を見て、物語や制作秘話を読み、そして絵本の世界の中に入り込んだようなフォトスポット展示をぜひ体験してみてほしいです、と話されていました。
また、この展覧会を表すような扉となる展示がこちら。90周年を迎える偕成社を記念して年代ごとに選ばれた代表的な90冊の本がずらりと並びます。

入口を入ってすぐ、偕成社の年表が展示されている細長い回廊の突き当たりにあります。
フォトスポットにもなっており、長い歴史の中でさまざまな時代に子どもたちに愛されてきた本が並んでいるので、思い出の本や、今読んでいる本、気になる本はあるかな?とぜひじっくりと見ていただければ、とのことでした。

ここに展示されている90冊の他、全150冊もの偕成社の本を、後にご紹介する「えほんのひろば」で実際に手に取って読むことができます。
「90年という長い歴史を持つ出版社であり、時代を超えて愛されるロングセラー作品も多いため、今本を読んでいるお子さんやそのお父さんお母さんだけでなく、親自身が子どもの頃に親しんでいた作品や、さらにはおじいちゃんおばあちゃん世代の方々も読んでいた作品を深く知ることができる、どの世代の方も楽しめる展覧会となっています。」と、今中さんが教えてくださいました。
展覧会の魅力を教えていただき、ワクワクした気持ちを胸に抱きながら、展覧会を回ってみました!
90年の歴史がある偕成社って?
偕成社は今年で創業90年を迎える児童書出版社で、絵本から児童文学、翻訳絵本など、多岐にわたる児童書を手がけています。
社名の「偕成社」は、「偕(とも)に成る」という意味をあらわしており、読者の子どもたちと共に出版社として成長していきたいという想いが込められているそうです。

年表に並ぶ絵本を見ると、『じゃあじゃあびりびり』『おばけのバーバパパ』『精霊の守り人』など、数多くのなじみ深い作品が並んでおり、社名に込められた意味のように子どもたちと共に、さまざまなジャンルの本を世に送り出してきた足跡が感じられます。
大人も子どももなじみのある本が大集合! 展覧会ならではの制作過程も
展示室の中は、絵本を開いたようなオブジェが目を引きます。

我が家の子どもたちが大好きな『はらぺこあおむし』。
今や世界中で翻訳され愛されている作品ですが、実は世界で最初の『はらぺこあおむし』は日本で出版されたそうです。
子どもたちが手に取り読んで楽しい穴あきや、異なる大きさのページのしかけがどのようにして形になったのかといった制作秘話や、海外の作家であるエリック・カールさんと偕成社の編集部との当時の手紙のやり取り、コラージュで作られた作品の制作過程が細やかに展示されています。
実は初版からカールさんが絵を描きなおされ、改訂版が出版されていて、絵を新旧比較できる展示も興味深かったです。

子どもたちとの生活に溶け込んで何度も何度も読み聞かせをし、子どもが読むのを聞いてきた絵本が作られた背景に、こんなにも深く触れることができて、親の私も夢中になって展示を楽しみました。
偕成社を代表するキャラクターの一つ、『ノンタン』シリーズ。

作者のキヨノサチコさんのノンタンというキャラクターや絵本に込められた想い、お子さんのご出産を機に生まれた『赤ちゃん版ノンタン』シリーズを制作するにあたっての出版社との関わりなど、出版社の方とキヨノさんとの心温まるエピソードも紹介されています。

絵の具のタッチを感じ取ることができる貴重な原画の展示も。
今や誰もが目にしたことのある『ノンタン』シリーズですが、当初はまずは3冊出そうという話から始まったことや、出版当時絵本には教育的なものが求められていた時代だったので、いたずらっ子なノンタンは受け入れられるのだろうかという心配もあった中、子どもたちのアツい希望から次々とシリーズが生まれていったというエピソードまで、いかにしてノンタンが人気者になっていったのかといった過程も展示を通して知ることができます。

幼い頃、シリーズを家に揃えていたノンタン読者だった私には、グッとくるものがあります。

他にも、『からすのパンやさん』で有名なかこさとしさんの作品が生まれた時代背景や絵本制作に至るまでの経緯、『100かいだてのいえ』シリーズのいわいとしおさんの緻密に描き込まれた原画、酒井駒子さんの『よるくま』の原画や、兵庫県の児童文学作家岡田淳さんの物語が生まれる過程のインタビューなど、出版社ならではの展示が目白押しです。

絵本の世界の中に入り込んだようなフォトスポット
展覧会の見どころの一つとしても教えていただいていたフォトスポットが、展示室のあらゆるところにあります。

子どもが絵の前に立つと、本当に絵本の中に入り込んだような可愛らしい写真が撮れるので、親子で行かれる方にはとってもおすすめ!

子ども自身も絵本の中に入ったような感覚で、テンション高めに嬉しそうにポーズを決めてくれていました。

銭天堂はビールケースなどもリアルで、まるで紅子さんのお店に迷い込んでしまったかのような感覚になります。
どんな駄菓子を勧められちゃうんだろう…?

子どもと一緒に回るとなお楽しい展示
2歳の娘は知っている絵本を見つけては、絵本の世界に入ったようなフォトスポットでの撮影や、子どもの目線の高さに展示されためくれるクイズボードをめくっていったり…

『100かいだてのいえ』シリーズの絵本を100階分つなげた展示を楽しんだりしていました。

めちゃめちゃ長ーい!
絵本の文には書いていないけれど絵をよく見たらこんな発見が!というポイントが随所に書かれていて、大人も思わずじっくりと見て楽しみました。

カラフルな世界観の『はらぺこあおむし』は、天井からも吊られた展示があり、展示空間そのものが絵本の中のよう。
ベビーカーでまだゴロンと寝転がっている0歳の赤ちゃんも、カラフルな絵や揺れる色の飾りを目で追ってご機嫌でした。

テレビアニメや映画でおなじみの、小学生以上のお子さんに大人気の『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』シリーズの展示では、作品の中からそのまま出てきたかのような、登場人物の紅子さんが身に着けているものの展示や…

金色の招き猫たちが銭天堂で売られている駄菓子を作る様子も!

銭天堂の駄菓子人気ランキングも、実物大の展示があり、猫たちや駄菓子が物語の中から飛び出してきたような、いや物語の中に自分が迷い込んだような、不思議な感覚で楽しむことができます。

150冊もの本を自由に手に取って楽しめる「えほんのひろば」
最後の展示室は「えほんのひろば」。
広々とした展示空間には、入口に展示されていた偕成社の各年代を代表する90冊を含む150冊もの本が、机の上に、本棚に、壁に、絵本の世界が飛び出してきたような展示と共に置かれており、思いのまま自由に読んで楽しむことができます。

天井から垂れる印象的な本の一文を探してページをめくるも良し。

展示を子どもたちと見ながら、同じ絵本を読むのも楽しいです。
広場の中には子ども用の椅子や、大人がゆっくりと座って本を楽しめるソファもあり、時間を忘れて絵本に夢中になれます。

偕成社の90冊は、展示室中央に置かれた机にずらりと並んでおり、中にはミリオンセラー、ダブルミリオンセラーの本もあってどれも素晴らしい本ばかり。
初めて手に取る本との出会いもまた楽しめますよ。
2歳の娘は、この「えほんのひろば」を気に入ったようで、40分近くここで次々と絵本を持ってきては一緒に読み、親子でじっくりと楽しみました。
絵本、絵本グッズ、展覧会限定グッズも
会場を出たところには物販スペースも。
展示されていた絵本や絵本グッズが数多く販売されていて、気に入った絵本を購入することもできます。

限定グッズも売られているので絵本ファンは必見!
私も親子お揃いの靴下や文具をお土産に購入しました。

使うのが楽しみ!
家族で展覧会を回ってみて
児童書は世代を超えて読み継がれるロングセラー作品も多く、自分の子どもと図書館や書店に足を運んだ時に、自分が子どもの頃に読んだ本が今も並んでいるのを見つけては、幼い頃の自分に再会したような感覚になります。
自分が子どもの頃は手に取った絵本がどこの出版社の本なのか考えたこともなく、ただただ自分が親や祖父母に読んでもらったことや、自分自身が絵本の世界に潜り込んだ時間の温かな記憶だけが残っていますが、大人になって自分自身が親になり、あの本もこの本も同じ出版社だったんだ!と知ることがあります。今回の展覧会でも展示を見ていて、そういった嬉しい気付きがたくさんありました。
また、出版社と作者の方とのこだわりと想いが詰まった熱いやりとりや、心温まるエピソード、出版社と作者の方が見据える先に必ずある子どもたちの姿と子どもたちへのまなざしを、この展覧会全編を通して感じ取ることができ、より一層子どもたちと絵本を楽しむ時間を大切にしよう、児童書から広がる子どもの世界を見守っていこうと思える、家族にとって素敵な機会となりました。

私たちが訪れた時は、子どもはもちろんのこと、かつて本を読んでいた大人の方や、お孫さんを今度連れてきてあげようと思っていると話される祖父母世代の方々まで、幅広い年代の方が温かな空気の中、展覧会を楽しまれていました。
子どもも、親子でも、大人同士でも、三世代でも。90年という偕成社の歴史と読者一人ひとりの記憶が重なり楽しめるような展示を、この夏休みぜひ味わいに足を運んでみてはいかがでしょうか。
神戸ファッション美術館 特別展「ずっとつながる えほんの世界 ―偕成社 子どもの本展―」

開催日時:2026年6月20日(土)~8月30日(日)
開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
※金曜日と土曜日、7月19日(日)は10:00~19:30(入館は19:00まで)
休館日:月曜日、7月21日(火)※7月20日(月・祝)は開館
観覧料:一般1,400円 神戸市外在住の65歳以上・大学生700円 神戸市内在住の65歳以上・高校生以下無料
住所:神戸市東灘区向洋町中2-9-1
電話:078-858-0050
アクセス:阪神魚崎駅より六甲ライナーに乗り換え、アイランドセンター駅下車 南東へ徒歩約3分
HP:特別展示のご案内 | 神戸ファッション美術館






