こんにちは。エンカチライターのakkoです。
阪神甲子園球場から徒歩5分。ガラス張りのコンクリート打ち放しの店舗が目を引く『KOSHIEN OUTFIELD BREWERY(甲子園アウトフィールドブリュワリー)』。そこは単なるビアバーではなく、ビールを「つくる」醸造所です。
甲子園の「外野」に生まれた、クラフトビール醸造所という場所

店名の「OUTFIELD(アウトフィールド)」は、野球においてアウトフィールド、つまり外野という意味です。阪神甲子園球場という圧倒的な存在のすぐそばで、あえて「アウトフィールド」を名乗ることで、少し離れた場所から街を見守る「オルタナティブな視点」を象徴しているような印象を受けます。
2025年4月にオープンしたこの場所は、ガラス張りの正面から店舗の中の様子が見えて、オープンで入りやすい雰囲気。店内には醸造用タンクが並び、見学もできるそう。ただビールを飲むだけでなく、「ものづくりの空気」をすぐそばで感じることができます。
店主の髙木康之さんは、広告代理店でマーケティングに携わり、その後独立。ある日偶然立ち寄った小規模醸造所のクラフトビールが、髙木さんの人生を変えました。
「もちろん味も衝撃的だったんですけど、それ以上に驚いたのが、こんな小さな場所でビールが生まれているっていう事実でした」
前職ではチームで分業しながら仕事を進めていたけれど、「自分がつくった」という実感は薄かったと髙木さん。カウンター越しに注いだビールを飲んだお客さんが、目の前で笑顔になって「これ、おいしい」と言ってくれる。その瞬間に感じる手ごたえが、何にも代えがたいものだったのです。
「PLAY BALL」自社醸造ビールが語る、はじまりの合図

初の自社醸造ビールの名は「PLAY BALL(プレイボール)」。このネーミングには、甲子園という立地への敬意と、醸造家としての新たな人生の幕開けへの決意が込められています。
店内には9種のタップがあり、自社醸造のビールに加えて、全国各地から厳選されたクラフトビールが並びます。
「LUCKY ZONE」「ホームランヘイジー」甲子園という場所にちなんだ自家醸造のものや「三陸牡蠣のスタウト」「JAPAN LIGHT LAGER」等厳選されたクラフトビールが並び、多彩なラインナップが楽しめます。
驚きなのが、クラフトビール専門店としては異例の「90分飲み放題」プラン。平日3,000円、土日祝3,500円(税込)で、ゲストビールを含む店内のすべてのビールが楽しめます。ほんまにええの?と思ってしまう太っ腹ぶりです。
フード持ち込みOK、キッズドリンク無料など、ユーザーフレンドリーな仕掛けもあり、「近所の友人をもてなす」ような雰囲気でとても居心地がいいんです。
走った後の一杯が、最高に美味しい

私が初めて『甲子園アウトフィールドブリュワリー』を訪れたのは、「甲子園エンジョイラン」の後でした。
(その時の記事はこちら:ランナー全員が主役だった日 甲子園エンジョイラン取材レポート)
阪神甲子園球場内を気持ちよく走り終えた後、仲間たちと立ち寄ったこのお店。身体が温まった状態で飲む「PLAY BALL」の爽やかさと苦味が、疲れた身体にじんわり染みわたりました。
店内では、初めて会った人同士が自然と会話を始め、店主も交えて和気あいあいとした雰囲気に。ランニング仲間との語らいも弾み、「また来たいね」と笑顔で店を後にしました。スポーツとビール、そして人とのつながり。その全てが揃った、心地よい時間でした。
「走って、ビールで乾杯する」ビアランイベント

このお店で生まれつつあるつながりの一つが、スポーツとの関わりです。
2026年1月25日、「BEER RUN ―ビアラン―」というランニングイベントが開催されました。
第2回を迎えたビアランでは、お店をスタートして甲子園の街を走り、甲子園浜でストレッチやちょっとしたトレーニングを行い、その後に作りたてのビールで乾杯するというもの。走るのはちょっと… という人には、ウォーキング部門も用意されていました。


なんとトレーナーの方がいて、靴の履き方や走るフォームなども教えてもらえたそう。
走り終えて温まった身体で飲むビールの美味しさ、甲子園という土地、そして隣にいるランナーとの間に生まれる一体感。言葉を超えて最高に楽しい盛り上がりになるそうです。
「ビールと○○」という最高に楽しいコラボ。ランニングだけでなく、音楽、アート、食など、さまざまな文化とビールを掛け合わせたイベントも構想中とのこと。今から楽しみです!
「こんな場所になったらいいな」横のつながりを育む、街の憩いの場

『KOSHIEN OUTFIELD BREWERY(甲子園アウトフィールドブリュワリー)』は、野球観戦の前後だけでなく、地域の人たちがふらりと立ち寄れる場として定着しつつあります。最近では、クラフトビールファンがSNSを見て遠方から訪れることもあるそうです。(この日はまさに東京から来られた方がいらっしゃいました)
店内では初めて出会ったお客さん同士がビールを飲みながら楽しく会話する光景が見られ、店主の髙木さんも交えていつも和気あいあいとした雰囲気です。
クラフトビールが紡ぐ、甲子園という街の新しい物語

クラフトビールは、その地域の水や土、そして人、歴史に溶け込み馴染むことで、その土地の文化のアイコンになりうる存在として、近年地域のコミュニティづくりの場としても注目されています。
阪神甲子園球場という「特別な存在」を持つ街に現れたこのお店は、スポーツの聖地という特別感と、地域の人々の日常が幾重にも重なり合う場所で、形にとらわれず、そこに集まる人同士がつながる場として、街に溶け込んでいっています。
KOSHIEN OUTFIELD BREWERY(甲子園アウトフィールドブリュワリー)店舗情報


住所:兵庫県西宮市甲子園八番町2-1-102
アクセス:阪神甲子園駅より徒歩約5分
営業時間:平日 17:00-23:00 / 土日 14:00-22:00
定休日:月曜日、火曜日
公式Instagram:@koshien_outfield_brewery




