沿線お役立ちコラム

ランナー全員が主役だった日 甲子園エンジョイラン取材レポート

目次

震える指先 高まる鼓動

スタート前のグラウンドには、独特の高揚感が満ちていました。
走り出す直前のそわそわした空気や、抑えきれない期待が、言葉だけでなくその雰囲気から伝わってきます。

ランナーのみなさんと同じ空間にいることで、自然と私の緊張感も高まっていきました。

カメラを構えながら、「この空気をきちんと切り取れるだろうか」と、背筋が少し伸びる感覚がありました。

シャッターを切るたび、返ってくる笑顔

いざレースがスタートすると、その緊張はすぐにほぐれていきました。
カメラを向けると、手を振ってくれる人、ポーズを取ってくれる人、満面の笑顔を向けてくれる人。
余裕の表情もあれば、少し照れたような笑顔もあります。

共通していたのは、「撮られること」そのものを楽しんでくれている空気でした。
走っている最中にもかかわらず、こちらに視線を向けてくれる。
その一瞬一瞬が、とてもありがたく、同時に嬉しく感じられました。

撮影を続けるうちに、写真を撮るという行為が、単なる記録ではないことに気づきました。
それは、このイベント参加者のみなさんの体験そのものの一部になっていたのです。

「撮ってくれてありがとうございます」
「後で写真を見るのが楽しみです」
(全部載せられなくて&ぼかしですみません!)

そんな声をかけてもらうたびに、カメラを持ってここに立っている意味を実感しました。
ランナーと取材者という立場を越えて、同じ場を一緒に楽しんでいるような、距離の近さがそこにはありました。

甲子園球場だからって野球だけである必要はないのかも

走るランナーの中に、思わず目を引かれる姿がありました。
ベイユベール西宮』の藤原のどか選手と南茂英樹さんが走っていたのです。

さらに、『クリエートにしのみや』松村さんの姿も!

スポーツ、地域活動、日々の仕事——それぞれのフィールドで活躍する人たちが、同じ場所を、同じように走っています。

甲子園エンジョイランは、ただのランニングイベントではなく、地域とスポーツと人が自然に交差する場なのだと、あらためて感じさせられました。

決められた楽しみ方はナンセンス。自分の楽しみ方でいい

今回取材したのはカジュアルラン部門でしたが、ほかにもファミリー部門やベースランニング部門、「ポール to ポールリレー走部門」が用意されていました。

形は違っても、イベントの軸となっているのは“記録より体験を大切にする”形です。

「速く走れる人」だけのイベントではありません。
用意されたのは、ただこの場に参加するということだけで、楽しみ方、味わい方は参加者それぞれの好きなスタイルでいい。
だからこそ、何かの属性を問うのではなく、この場所に来たいと思った人たち誰もが同じ場を共有できます。
誰でも、無理なく、このイベントの一部になれる。
そのスタイルこそが、甲子園エンジョイランの大きな魅力だと感じました。

取材後のお楽しみは甲子園カレー

撮影と取材を終えたあとは、お待ちかねの甲子園カレーです。
素敵な食レポができるわけではありません。
けれど、この場所で、このタイミングで食べるからこそ、格別に美味しく、特別に感じられました。
甲子園エンジョイランは、この一杯まで含めて、ひとつのイベントだと断言したいです。

一人一人が主役になって楽しめる場所

甲子園エンジョイランは、参加の仕方がひとつではありません。
走る人、応援する人、撮る人も。
どこから関わっても、全方位の人が楽しめます。

この日、レンズ越しに見えていたのは、タイムや順位ではなく、ひとりひとりが主役になっている風景でした。
走る人も、撮る人も、同じ時間を分かち合える。
みんな笑顔で幸せそう。

「スポーツを楽しむことって、実は平和でしかないな」そんなクサい言葉が出てきそうな、じわっと心が温かくなる時間がありました。

甲子園エンジョイラン~2025・年納め

阪神甲子園球場のグラウンドレベルで特別なランニング体験。
憧れの舞台を駆け抜けよう!

日時:2025年12月20日(土)
※雨天決行・荒天中止
※イベントは終了しています。会場:阪神甲子園球場(内外野人工芝エリア)
競技種目(競技時間):
ベースランニング部門(小学生)
ポールtoポールリレー走部門(グループ参加型/4人1組)
ファミリーラン部門(家族参加型)
カジュアルラン部門(個人参加型)
※参加特典あり

公式ホームページ:https://koshien.hanshin.co.jp/enjoyrun/2025/

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