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大ゴッホ展 夜のカフェテラス 神戸市立博物館で開催中

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阪神・淡路大震災30年 大ゴッホ展 夜のカフェテラス

皆さんこんにちは!美術館・博物館、お星さま担当、エンカチライターの甲斐千代子です。
オランダを代表する画家の1人、ファン・ゴッホの画業を紐解く「大ゴッホ展 夜のカフェテラス」が神戸市立博物館で開催中、阪神・淡路大震災から30年の神戸からスタートし、来年で東日本大震災から15年となる福島、そして東京を巡回します。
本展は世界屈指のファン・ゴッホコレクションを誇る、オランダ、クレラー=ミュラー美術館から作品が来日し、2期にわたって開催されます。現在開催中の第1期は、ゴッホのオランダ時代からパリを経てアルルに至る、画業前半の作品56点を紹介。第2期は、2027年に開催され、《アルルの跳ね橋》など、アルルから晩年までの画業後半に迫ります。

オランダ時代から 南仏アルル時代の作品で ゴッホの画業をたどる

本展は5章から構成されていて、オランダで画家として活動を本格化させた1881年、ゴッホ28歳のころから、南フランス・アルル地方で活動した、1888年9月までの足跡をたどります。

第1章はバルビゾン派、ハーグ派。
自然を直接観察しありのままの風景を描くことを重視したバルビゾン派。自然をテーマにオランダの風景や農村の生活を描いたハーグ派。初期のゴッホが影響を受けた画家たちの作品を紹介しています。

第2章はオランダ時代。画家としての最初期を、素描と油彩画で振り返ります。
この時期ゴッホを感動させたのは自然の中で働く人々、農夫たちの姿です。習作は似たような構図が多く、自然と人々に熱い視線を向けながらひたすら描き続けるゴッホの姿が垣間見えるようです。

第3章はパリの画家とファン・ゴッホ。この章では、クロード・モネ、カミーユ・ピサロなど、パリの印象派、新印象派、ポスト印象派の作品を展示し、ゴッホが刺激を受けた、当時のパリの前衛芸術を紹介しています。
第4章、パリ時代。パリの画家たちの影響を受け、ゴッホの作風が明るく変化していく様子を見ることができます。
第5章、アルル時代。《夜のカフェテラス》はこの時期の作品です。

同時代の画家たちの影響を受け作風を変えながら、自分の道を模索するゴッホの姿を感じてください。

必見!《夜のカフェテラス》

本展の主役《夜のカフェテラス》は南フランス・アルルのフォーラム広場にあるカフェをモチーフとしています。黄色いガス灯に明るく照らされたカフェと、星が輝く青い夜空、黄色と青という色相環の反対側に位置する色を組み合わせ、絵に深みやコントラストを与える「補色」という技法が使われています。

神戸市立博物館学芸員の塚原晃さんは、「この作品はゴッホの生涯の中で、5本の指に入るような作品。「日本に来るのが奇跡的な作品」でもある。夜の表現は難しく、当時のヨーロッパ絵画では、黒が主体の暗闇の表現になってしまっていた。ゴッホは、実際の夜のカフェの光景を見ながら、街頭でカンヴァスを立ててこの作品を描いた。結果、カラフルな美しい絵になった。夜景としては画期的な作品。星空を描きたいから描いた作品でもあり、この時期に描いた星空3部作の一つでもある。
ゴッホはエレガント、おしゃれなど表面的な美しさにあまり興味が無かった。パリ時代以降綺麗な絵が増えるが、描こうとしたものは、ドロドロしたものも多い。作品を鑑賞するだけではなく、解説や図録に目を通して、ゴッホが込めた意図を読み解いていただきたいです」と話していました。

鑑賞のお供に 音声ガイド 掘り下げるには図録を

ゴッホの世界をより深く知るために助けとなるのが音声ガイド。今回は俳優の綾瀬はるかさんがナビゲーター、フリーアナウンサーの登坂淳一さんがナレーションを担当しています。解説が詰まった図録もおすすめです。
また、オリジナルグッズも充実しています。お気に入りの品を手にしながら、大ゴッホ展の感動を、ご家族、お友達と共有していただきたいです。

大ゴッホ展 夜のカフェテラス 2026年2月1日まで

阪神・淡路大震災30年の事業の一つでもある本展について、神戸市立博物館の油井洋明館長は「生前のゴッホの作品はほとんど評価されず、彼は大変困難な生涯を送りました。画家としての活動はわずか10年と短いものでしたが、彼が残した作品や手紙からは困難に満ちた人生に、芸術の力で立ち向かおうとする姿が見てとれます。今年は阪神・淡路大震災から30年、節目となる年に、絵画芸術の中に幸福や希望を追求した彼の人生に思いを馳せていただけたら」と話していました。

「阪神・淡路大震災30年 大ゴッホ展 夜のカフェテラス」
会場:神戸市立博物館
会期:2026年2月1日(日)まで
休館日:月曜日、12月30日(火曜)~1月1日(木曜)
※ただし、月曜日が祝日または休日の場合は開館し、翌平日に休館。
開館時間:9時30分~17時30分(金曜と土曜は20時まで)
※展示室への入場は閉館の30分前まで
※土日祝は入場予約優先制

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