年に数回開催 子どもと一緒に美術館を楽しめる「こどもまんなか NMAO ファミリー☆デー!」

こんにちは!エンカチライターのなないろです。
子育てや働く日々のそばにある、心地よいなぁと感じられる街の魅力を見つけて発信していきたいなと思い、記事を執筆しています。
今回は、福島駅から南へ徒歩10分、川沿いに佇む「国立国際美術館」で開催された『こどもまんなか NMAO ファミリー☆デー!』に行ってきました。年に数回開催されるこちらのイベント、どのようなイベントなのか、参加してみた感想などもご紹介していきます。
国立国際美術館とは?
国立美術館は全国に7カ所ある国立美術館の内の一つです。国立美術館の中でも、1945年以降の国内外の現代アートを幅広く紹介、発信しているところが特徴です。
約8,200点に及ぶコレクションの中から、展示替えごとに様々なテーマで現代美術において重要で貴重な作品を紹介しています。

また、世界でも珍しい「完全地下型」の美術館でもあり、国立国際美術館の竹の成長力と現代美術の発展・成長をイメージしたモニュメントはアルゼンチン出身のアメリカの建築家、シーザー・ペリ氏の建築。有名なところだとあべのハルカスや麻布台ヒルズなどを建築した方です。

近隣の中之島の川沿いには他にも魅力的な建築物が並ぶエリアなので、興味のある方はこちらの記事(中之島川沿い散歩道)もぜひご参照ください。
お話しても泣いちゃってもOK!「こどもまんなかNMAOファミリー☆デー!」
「こどもまんなかNMAOファミリー☆デー!」は、赤ちゃんやお子さん連れの方が気兼ねなく展覧会を楽しめる日です。会話しても、赤ちゃんが泣いてしまってもOK!
「おでかけ国立美術館」という、子どもたちと一緒に国立美術館にお出かけしたくなる取り組みの一環として行われています。
美術館自体は通常の営業時もベビーカーを利用したり、お客さん同士での会話も可能ですが、この日は特にお子さんとその家族が普段よりリラックスした気持ちで鑑賞できるようにと実施されています。
貴重な美術品が並んでいるので、安全のためにも未就学児のお子さんは保護者の方が手を繋いでの鑑賞や、作品には手を触れないなどの基本的な鑑賞のマナーは鑑賞時のお願いとして説明を受けます。
子育ての合間の息抜きに美術館を訪れる赤ちゃん連れの親子がゆったりとした気持ちで美術館で過ごしたり、美術館デビューの未就学児のお子さんと親子でマナーを守り学びながら美術館で過ごす良い機会でもあります。
また、小学生以上のお子さん達も展示作品や美術館の魅力を知れるシートを持ち歩きながら鑑賞を楽しむこともできます。
ホームページでも随時イベントのアナウンスが行われていますが、今回私はインスタグラムで表示された広告をきっかけに来館しました。
コレクション展「コレクション1」を2歳の子どもと一緒に観覧した様子をレポート
今回の開催ではコレクション展「コレクション1」が無料観覧日となっており、誰でも無料で観覧できる日でした。
地下2階のコレクション展にベビーカーで入ります。

今回の展示は「まるい形」に注目された作品を集めたコレクション。
原始的な形でありながらも、様々な意味やメタファを表す「まるい形」が様々な素材や色、大きさ、形で表現されていました。

親である私も美術館で美術作品をゆっくり鑑賞するのは久しぶり。
2歳の子どもは歩いて美術館を回るのは初めて。
ドキドキしながら親子で足を踏み入れました。
はじめの展示室で壁一面に並んだ赤いまるの展示を見ながら「まる!まる!」と指をさす子ども。
「ほんとうだねぇ、赤いまるだね」と一緒に作品の前で子どもと作品を見つめました。
大きな額縁に入った赤・黄・青で表現された作品はパキっとした色使いが気に入ったのか、子どもは何度も指さしながら「赤、あったねー」とおしゃべりしていました。

とはいえまだ2歳児。インスタレーションの展示では、親の私も子どもが走り出すのを止められる自信がなく、抱っこ紐に入ってもらって一緒に鑑賞しました。
抱っこの直後は「歩く!歩く!」と少し泣いてしまいましたが、くるくると回転する作品の前に行くと気持ちを切り替えてじっと見つめていました。
また、村上龍さん、オノヨーコさん、アンディ・ウォーホル、マルセル・デュシャンなど、現代美術の名だたる美術家の作品も鑑賞することができました。
抽象性の高い作品や、何かしらの強いメッセージ性を孕んだ作品に触れると、普段自分が見る世界や価値観、感性に、自分にはないそれを滴下されるような、目が覚めるような感覚に包まれます。
親自身もそういった機会を持てた嬉しさも感じられたひとときになりました。
私達親子と同じようなベビーカーの方の他、小中学生の親子連れで来館されている方も多く、作品はテープの前から見るようなルールを親子で一緒に確認される姿を見かけたり、お子さんと一緒に作品を見て気付いたことや感想をお話したり、色図鑑や美術図鑑、観覧シートなどを手に学びや知見を深められる親子もおられ、親子での美術館の楽しみ方の自由度の高さや深さを感じました。
今後の開催予定や国立国際美術館で開催される子ども向けイベント
「こどもまんなか NMAO ファミリー☆デー!」は今年度は3回開催予定。
今後は11月と3月に開催予定とのことで、詳しい日時は今後国立国際美術館のホームページで公開されるので、興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね。
ファミリーデー以外にも、「ちっちゃなこどもびじゅつあー」など、0~未就学児のお子さんとその保護者を対象としたイベントも年に複数回開催されています。こちらは事前申し込み式です。
参加費は無料なので、小さいお子さんがおられるご家庭はぜひチェックしてみてくださいね。
絵本がたくさんあるキッズスペースも

国立国際美術館には、靴を脱いで上がれるキッズスペースも併設しています。
ミッフィーの時計とかわいい本棚に、国内外の様々な作家の絵本がずらり。

2歳の子どもと読める絵本から、小学生くらいまでのお子さん達が手に取って楽しめる絵本まで、キッズスペースとしては広く多くの種類の絵本が並んでいます。
展示室のあるフロアとは別で、チケット販売やインフォメーションがあるフロアの地下1階にあるため、親が交代でゆっくりと美術作品を楽しみたい時に、子どもと過ごすのにもぴったりです。
授乳室やオムツ交換ができるトイレもあるので、赤ちゃんと一緒に訪れるのも安心です。
「こどもまんなか NMAO ファミリー☆デー!」に参加した感想
今回、初めて「こどもまんなか NMAO ファミリー☆デー!」に親子で参加しました。
美術館自体は普段からベビーウェルカムな雰囲気のところも多く、子連れの方も多く見られますが、抱っこやベビーカーのみで完結していた0歳、1歳からさらに成長して、色んな事に興味を持ち、走ったり歌ったりおしゃべりしたりと元気いっぱいの2歳を連れてなかなか美術館や他の方が静かにゆったりと過ごしている環境に踏み入れるのは少し腰が引けていました。
今回、参加してみて、もちろん鑑賞マナーは親が責任を持って守りながらも、ぐずって泣いてしまっても周りの大らかな視線が有難く、周囲に気遣い過ぎることなく「子どもと一緒に美術館で過ごす」ということに向き合える良い時間になりました。

美術館のような広い空間や大きな展示物を見る機会も普段はあまりないので、子どもの反応や興味の示し方も新鮮で、子どもなりに静かで広々とした建物や空間、美術作品が持つ力やエネルギー、独特の雰囲気を感じ取った様子でした。
親の私自身も、子どもが主体的に興味を示した作品を一緒に見て、「何の形かな?」「明るい色だね」「さっきのと同じ形だね」と子どもとお喋りをしながら、普段自分一人では気付かなかったような視点の気付きが出てきたのも楽しかったです。

日本に7つのみの国立美術館のうちの一つという貴重な施設であり、数々の重要な作品を有していながら、オープンな国立国際美術館。
子どもや親子で美術に親しむことができる様々な取り組みも魅力的です。
NMAOファミリーデー開催の際は、普段なかなか子連れで美術館に訪れるのに壁を高く感じる方も、是非ゆったりとした気持ちで足を運んでみてはいかがでしょうか。
国立国際美術館 基本情報

・施設名:国立国際美術館
(THE NATIONAL MUSEUM OF ART,OSAKA)
・イベント名:こどもまんなかNMAOファミリー☆デー
・所在地:大阪府大阪市中之島4-2-55
・TEL:06-6447-4680
・URL:http://www.nmao.go.jp/
・観覧料金:特別展 展覧会によって異なります
コレクション展 一般430円(220円) 大学生130円(70円) ( )内は20名以上の団体料金
※高校生以下ならびに18歳未満・65歳以上、心身に障害のある方とその付き添い者1名は無料。
(証明できるものの提示が必要)
・アクセス:阪神電車「福島駅」3番出口から南へ徒歩10分
※専用駐車場はありません。周辺の駐車場は数に限りがあるため、来館は公共交通機関の利用がおすすめです。