沿線お役立ちコラム

わくわく保育だより 2025.夏号

目次

笑いとわくわくのエッセンス満載の子育てコラム「わくわく保育だより」
暑い夏がいよいよ始まりました!夏号では「こどものやりたい!を育む」がテーマ。
「やらされている」のではなく「やりたい!」という意欲的な気持ちを引き出すヒントをエピソードを交えながら紹介します。

■お絵描きの場合

こどもたちはスケッチブックに自由に絵を描いたり、好きなキャラクターのぬりえをしたりとお絵描きが大好きですよね。

担任をしていた頃、大きく分けて2つの絵を描く時間がありました。
①好きなものを自由に描く
②課題に沿った絵を描く
①.②に共通して心掛けていたことはまさに「やらされている」のではなく「やりたい!」と思える保育でした。

①の場合は、よくありがちな行動なんですが、描いた絵を黒で塗りつぶすこどもがいます。
その際
「えー!どうして塗りつぶしたの!?」と言いたくなる気持ちを抑えて、
「お!力強いね!」「黒が好きなんだね!」と肯定的な言葉がけをしていました。
そうするとこどもは得意げになってもっと意欲的に取り組んでくれました。

②の場合は、『お花を描こう』『遠足に行った時の絵を描こう』などの課題です。
「やらされている」から「やりたい!」になるよう工夫していたことは
絵を描く時間の前にその課題についてみんなで活動や話し合いをすることでした。
例えば「お花を描こう」の課題の時は、みんなで園庭に行ってお花を見つけて図鑑で調べたり、「遠足に行った時の絵を描こう」の課題の時は、遠足の写真を見てみんなで楽しかったこと、面白かったことを話したり、こどもの「やりたい!」気持ちを起こすことを大切にしていました。

お家でお絵描きをする場合も同じです。
お絵描きをしていてお子さんが黒で塗りつぶしてしまった時、
「えー!どうして塗りつぶしたの!?」と言いたくなる気持ちもわかります。
おとな目線だとせっかく上手に描けていたのにもったいないと思いますが、
こども目線だとそれも含めて作品なのです。
おとなの反応を受けこどもは「じゃあもうおしまーい!」となってしまいますので、
言いたい気持ちを抑えて、肯定的な言葉をかけてみてください。
きっとお子さんは得意げな顔をして“もっとやりたい!”の気持ちが膨らんでいくはずです。

■お手伝いの場合

おもちゃのお片付けや食事の準備が整った時、食後の片付けの時に声かけをするのは自然なことですが、「本は本棚にね」「お椀置いてね」「食べたもの片付けてね~」など、1つ1つの動作に声をかけているご家庭も多いと思います。
こどもにとって、この時点ではまだ「やらされてる」感覚が強いですね。
ではどうするとお手伝いを「やりたい!」に変えることができるでしょうか。
ここでは園での保育がヒントになるかと思います。

〖お当番さん〗のシステムをご存じでしょうか。小学校でいう日直のようなものです。
1日お当番さんは先生のアシスタントをします。
担任をしていた園ではお当番さんの肩にワッペンを付けていました。それだけで特別感が増しますね。
お当番さんはみんなの前に立って挨拶をしたり、みんなの食器を並べたり、片付けたりとその日は大忙しです。
でも決してやらされていると思っていませんでした。みんなお当番さんがしたくて、
「はやくお当番さんになりたい!」と順番が回ってくるのを指折り数えていました。

お家でも一度お当番さんのシステムを導入してみてください。ワッペン、リボン、シールなど、なんでもいいので印を付けて、今日1日〇〇ちゃんお当番よろしくね!と特別感を出しましょう。
ここでのポイントは〇〇ちゃんではなくお当番さんと呼ぶこと。
「お当番さーんこれを運んでくださーい!」「お当番さーんここ片付けてくださーい!」
きっとお子さんははりきってお当番をしてくれるでしょう。

ただ毎日だとまたやらされている感が出てしまうので、3日に1回や月曜日だけなどペースを制限すると「もっとやりたい!」の意欲が急上昇すると思います。

■水あそびの場合

最後は夏号のテーマでもある「こどものやりたい!」を育む、夏ならではの水あそびについて紹介したいと思います。
きっとどのご家庭にもお風呂場におもちゃがあると思います。
今回は「こどものやりたい!」を育むために、いつものおもちゃではなく身近な素材で遊んでみませんか。

お風呂場やベランダプールなどをするご家庭も多いと思いますが、まずは何を持って行きたいかをこどもと一緒に家中探します。なるべくNOは言わないように あらかじめママ・パパはこどもの目に付きやすいところにこれならOKというものを用意しておくといいかもしれません。
おすすめはプリンやマヨネーズの空き容器だったり、おたまやプラスチックのお皿やコップ、ペットボトルです。こども自身が自分で選んだものをどうやって遊ぶかに注目してみましょう。きょうだいで水あそびをするときは貸し借りが難しいかと思いますので、なるべく同じものを揃えておくと穏やかに遊べます。

担任をしていた頃は、ひとつの動作(カップからカップへ移す)をずっとやってるこどもがいたり、おままごとがはじまったり、戦いごっこがはじまったりと、そんな遊び方ができるんだ!といった発見がたくさんありました。

今回のコラムに書いた内容はほんの一例ですが、おとなの言葉がけや行動ひとつでこどもの意欲を引き出す方法はたくさんあります。この夏いろいろなことに取り組んだり、挑戦してほしいなと思っている方も多いはず。今回のヒントをもとに「やらされている」から「やりたい!」が増える、そんな夏になることを願っています!

一おとなもこどももみんなみんなわくわく一
次号もどうぞお楽しみに!担任のちづちゃん&このちゃんでした!

執筆者紹介

笑いの保育わくわく(ちづちゃん&このちゃん)

元々こどもが大好きで、それぞれ保育士や幼稚園の先生等をしていました。

これまでそれぞれが保育現場で見つけたたくさんの“わくわく”を、今度は保育の世界を飛び出してみんなへ届けたい!という思いから、2015年『おとなもこどももみんなみんなわくわく』がモットーの笑いの保育わくわくが結成されました。(2020年に法人化)

2017年からチアフル親子カフェの講師や『わくわく保育だより』コラム執筆を始め、主催で子育て向けイベントや習い事『おやこ移動ほいくえん®』などを展開し、現在に至ります。

■笑いの保育わくわく ホームページ
https://www.warainohoiku-wakuwaku.com/

■Instagram
https://www.instagram.com/warainohoiku_wakuwaku/

■Youtube
https://www.youtube.com/@user-jr2hh3gp9i