地下に広がる静寂の空間 大人のための隠れ家

エンカチライターのakkoです。
阪神甲子園駅から球場の喧騒を背に甲子園筋を北へ徒歩5分と少し。
飲食店が集まるビルの地下へ続く階段を降り、目立つ看板はなく、勇気を出して木の扉を開くと、「本当にここは甲子園?」と思うような非日常空間が広がっています。
2024年9月にオープンした『BAR manabu』は、まるで甲子園の熱気と距離を置くように、静かな時間が流れる場所。本格的なカクテルが楽しめるこのバーには、男女・年齢を問わず、静かにお酒を楽しみたい人たちが訪れています。
ホテル仕込みの技術と人柄 マスターの「好きだからこそ」が詰まった一杯を

この本格的なカクテルバーを営むのは、新阪急ホテルで長年バーテンダーとして勤めていた田中学さん。
50歳を機に将来を見据え「この先長く好きな仕事を続けたい」と独立を決意。
ホテル仕込みの丁寧な所作と、落ち着いた接客が魅力です。
「自分がカクテルを飲むのが大好きで。生まれ育った阪神甲子園駅周辺で、昔ながらのオーソドックスなカクテルを楽しめるお店を作りたいと思ったのがきっかけです」
長年培った確かな技術と、お酒への真摯な姿勢が支持され、常連のお客様も増えているそう。
中には、学さんのカクテルに惚れ込み、遠方から定期的に通うという方も。
クラシックカクテルからノンアルコールまで 自分だけの楽しみ方を


「ギムレットやサイドカーなど、昔ながらのスタンダードなカクテルを、もっと気軽に楽しんでもらえたらうれしいですね」と学さん。
BARと言えば、行き慣れていない人には敷居が少し高いような印象ですが、実はお酒は飲まないという人でも大歓迎だそう。
カクテルの名前やお酒の種類が分からなくても大丈夫。
「今日はこんなのが飲みたい気分」とか「こういうのが好き」と伝え、コミュニケーションをとりながら、その場で作ってもらえるのが実は楽しいんです。
静かに、丁寧に仕上げてくれる様子を目の前で見られるのもバーカウンターの醍醐味です。

モスコミュールとスプモーニで乾杯。

ビールが飲みたい日には西宮発の「Heal Soul Brewery」のクラフトビールを出してもらいました。

こちらは、高校野球観戦の後に訪れた日に勧めていただいた「ホットバタード ラム」
応援で火照った体に染みわたり美味しかったです。

疲れた日に、すっきりしたものが飲みたいと言って作ってもらった映える一杯。
フレッシュフルーツを使ったカクテルで元気に。
温かなまなざしのマスターが紡ぐ 心地よい「サードプレイス」

「場を盛り上げる」というより、優しい空気でカウンター越しのお客様をそっと見守る——そんな学さんの姿勢もまた、居心地のよさにつながっています。
落ち着いた店内の雰囲気と、学さんの柔らかな空気感に包まれて、初めて訪れる人も自然と肩の力が抜けるはず。
「この店が、地域の皆さんにとって“サードプレイス”のような存在になればうれしいです」
14時オープン 一人でふらり、静かな贅沢を

BARといえば夜のイメージが強いかもしれませんが、『BAR manabu』は14時オープン。一人でふらりと立ち寄り、静かなひとときを楽しめて、バー初心者にも入りやすい雰囲気です。
昼下がりの空いた時間に、自分だけのペースでカクテルを楽しむ。そんな贅沢な隙間時間を過ごせる場所は、意外と少ないもの。
BAR manabuは、そんな時間を探している大人にこそ訪れてほしい一軒です。
野球の熱気で盛り上がる甲子園の夜も素晴らしいですが、昼下がりの静かなバーで過ごす時間もまた格別。
球場のすぐそばで、大人の隠れ家のようなひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
BAR manabu 店舗情報


住所: 西宮市甲子園五番町1-4 ドット壱番館B1
電話:0798-42-8474
営業時間:14:00~24:00(日祝定休)