もはや甲子園の定番ウォーキング大会

50代半ばとなり、健康管理をかなり意識しているエンカチライター 中島美加です。
今回は平成14年にスタートし、今年で第20回を迎えた「甲子園歩け大会」に密着取材してきました。
この大会は、リフォームを手掛ける株式会社シンエイが主催し、阪神甲子園駅から武庫川駅周辺のテナントで構成された商店街『甲子園けやき散歩道』が共催、地元企業・団体の協賛で成り立っています。
今年は西宮市の観光協会が後援、市政100周年記念大会となりました。また阪神淡路大震災から30年の節目ゆえ、30kmコースが特設されました。そこで30kmなら完歩できそうだと飛びつき、応募したのでした。
30kmのゴールは神戸港 100kmは甲子園〜明石を往復!

今年の開催は4月19日・20日。阪神甲子園球場前をスタートし、30kmコースは神戸港の震災メモリアルパーク、50kmコースは明石の商工会議所がゴールです。100kmコースはというと、、、明石の商工会議所で折り返し、夜通し歩いて阪神甲子園球場を目指します。
集合は阪神甲子園駅から歩いて5分、高校球児の常宿で知られる「甲子園ホテル夕立荘」。受付をすませば、阪神甲子園球場の外周に移動です。次々と集まる参加者は皆、早朝にもかかわらず、にこやかな笑顔。リピーターが多いだけあって「久しぶり!」「また会えましたね」といった声があちこちで交わされます。開会式ではラジオ体操もあり、体も心も少しほぐれたところで、6時半にスタートしました。

今年のテーマは「challenge 共に未来へ」だそうで、西宮のキャラクター・みやたんや大会マスコット・あるっくまなどキャラクターが描かれた缶バッジが配られました。歴代バッジをリュックにつけている強者もちらほら。
大人も嬉しい、みやたんといっしょ

阪神甲子園球場を出発し、阪神甲子園駅の高架をくぐり北上、ところがゴールは西方面なのに旧国道を東へ。武庫川の手前で、来た道を折り返します。
すると佃煮店「清左衛門」の前になにやら水色の物体が!なんと、みやたんが応援に駆けつけてくれていました。スタッフに記念撮影してもらい、童心に戻ったような笑顔に。
ちなみに、運営スタッフは蛍光黄緑のジャンパーが目印。迷いそうな交差点や危険な場所など、要所要所で誘導してくれたり、チェックポイントでは飲み物や軽食、ボディケア用品を用意して待っていてくれる、ありがたい存在です。

西宮って、広いなぁと実感!

スタートは阪神電車でしたが北上すると、JRの線路を越えて、阪急電車の西宮北口車庫の横を歩くことに。武庫川の次は津門川、夙川、と、川もあれこれ違うものだなぁと改めて思いながらてくてく歩きます。
結構、歩いたつもりでも、西宮市内。芦屋市内に足を踏み入れるまでが、想像以上に遠い気がしました。この芦屋入りを楽しみにしていた参加者は、朝ごはんは軽くすませ、竹園でコロッケを買うという計画を実行していました。
私はというと、トイレを探してコンビニへ。店内にはゼッケンをつけた人がちらほら。おにぎりを買ったり、水分補給に立ち寄ったり。山歩きに比べると、自由で安心、便利な街歩きです。
リタイアもひとつの記録、いい思い出

ところで、この大会は、速さを競う大会ではありません。「助け合い」と「感動の共有」が大切だとゼッケンと共に送られてきた冊子に記載があります。歩いているうちにそのことを痛感しました。
実は私は大会三週間前に膝を痛めて、整形外科医から歩くのはいいけれど、30kmは諦めるように釘を刺されていました。そこで自分で第一チェックポイントの18km地点・岡本を目標にしていました。そのことは事前に伝えていたので、道に立つスタッフからはゼッケンで私とわかるやいなや「大丈夫ですか」と声がかかりました。そして無事に目標の岡本に到着すると、スタッフも一緒に喜んでくれました。
そして初対面の参加者からも靴ずれ防止のアドバイスをもらったり、「次回は完歩してね」と声をかけてもらったりして、リタイアしても心がほっこり満たされました。

同じく岡本で制限時間に間に合わず、リタイアした男性がいました。今まで何度か50kmを歩いてきたけれど、肺を患っているので、今回で最後にしようと決めて挑んだといいます。リタイアは心残りかと思いきや、その表情は満足げでした。

グループで歩いている人たちは、ある会社の新入社員の研修として参加しているのだと。若いけれども、普段は歩くことから縁遠いようで「まだ30km以上あるんや」と嘆く数名。けれど、一人が「行くぞ」と立ち上がると、その背中を追いかけて一緒に歩きだしました。
それぞれにこの大会によせる想いやドラマがあるんだろうなぁ。そう思うと居ても立っても居られなくて、30kmコースのゴール、かつ他コースの第二チェックポイントである震災記念公園に電車でワープ。参加者の方にお話を聞いてみました。

右手に持った火バサミでゴミ拾いをしながら歩く姿に感銘を受けました。声をかけると、今回は二度目の参加で、前回に引き続き、タバコの吸い殻を中心にゴミを拾いながら100kmを歩くのだそう。

神戸在住のご夫婦は、ご主人が100kmコース経験者。今年はいつもは留守番の奥様とふたりで30kmに参加してみました。「歩けて嬉しいですが、今は足の裏がとても痛いです」と奥様。「今年はいつもより楽勝!来年はまた100kmに挑戦したい」と余裕の表情のご主人。完歩証明書と参加賞のお菓子を持って、パチリ。

去年は100kmコースに挑戦するも、残念ながら50kmでリタイア。今年は30kmコースができたので「これはご縁だと参加しました」とゴールで記念撮影をする女性。彼女は30年前、震災の年に中国から留学してきたといいます。記念すべき30という数字を完歩したことで、今後もしっかり日本で歩み続けるパワーを得たのではないでしょうか。

笑顔のお父さん、参加者のほとんどの人が知るほどの有名人。この大会に初参加したのが、70歳でその後、参加し続けているのだそう。知り合いだった株式会社シンエイの今は亡き会長に「こんなイベントあるけど、歩かないか」と誘われたのがきっかけと言います。「イベント翌日が82歳の誕生日」で、この撮影の時は、まだ81歳。(笑) 100kmにエントリーしたものの、残念ながらタイムオーバーで脱落。それでもゴールには到着したいという想いを汲んでスタッフが送迎し、81歳の間にゴール地点に立てたそうです。
今年の参加者は100km 8名、50km 43名、30km 30名でしたが、日中が夏日になったため、リタイアした人も多かったと言います。けれども、まさに「参加することに意義がある大会」だと身をもって体感しました。
来年も4月に開催予定です。ウォーキングをしているあなた、もしくは何か体を動かしたいと思っているあなた。この大会を目標に、毎日少しずつ、歩いてみませんか。興味があればシンエイのホームページをチェックしてください。
私も、膝をしっかり治して、筋肉と体力をつけてリベンジしたい!とこっそり決意しております。
「甲子園歩け大会」 概要

開催日: 毎年4月に開催予定
アクセス:阪神甲子園駅から徒歩約5分(受付 甲子園ホテル夕立荘)
参加費:
100kmコース 15,000円
50kmコース 10,000円
特設30kmコース 5,000円
※100kmと50kmコース参加者は大会後、甲子園ホテル夕立荘にて閉会式(食事付)
問合せ:電話 0798-47-1661 株式会社シンエイ