鳴尾を愛する人々が集う温かな時間

こんにちは。エンカチライターのakkoです。
2024年10月26日に盛況のうちに幕を閉じた第1回『なるお昔語りの集い』
その第2回が、2025年3月2日に鳴尾中学校3階の地域交流室にて開催されました。会場に足を踏み入れると、多くの人が集まっており、場所の雰囲気も相まって、懐かしく、ほっとする空気が漂っていました。
鳴尾中学校の先生方や、かつて地域交流室の設立に関わった先生も参加されており、多様な世代と立場の人々が集い、鳴尾の歴史を語り合う場となりました。
当日の様子をレポートします!
鳴尾の魅力 ―記憶を辿り、改めて知るひととき

「こんなにたくさんの人が集まっているとは…!」 会場に集まったのは、鳴尾中学校卒業生を中心におよそ50人。用意された椅子が足りなくなり、急遽簡易席が設けられていました。
主催者からの呼びかけに応じた方を始め、地域の掲示板やチラシを見て興味を持った人、前回の開催を聞いて足を運んだ人、それぞれが思い思いの気持ちでこの場に集まりました。
何十年ぶりかの再会に沸く人たちや、「自分の住んでいる地域についてもっと知りたくなった」という参加者の声が聞かれ、会場は温かな雰囲気に包まれていました。
鳴尾の記憶を未来へ託す「なるお昔語り」



この「なるお昔語りの集い」は、地域創生交流有志の会『めいゆう(鳴友=「鳴尾の友」が由来)』が主催しています。発起人は、鳴尾中学卒業生の友人同士、曲馬(きょくば)秀樹さんと豊岡延宜さんです。
鳴尾地域を再び活性化させたいという想いから始まり、その想いを次の世代に受け継ぐため、現役世代の永富康孝さんが代表として加わり、運営に携わっています。
鳴尾の風景がよみがえる、二つの語り

今回の「なるお昔語り」は、二つのテーマで進められました。
語り部まえだふみのぶさんが語る「鳴尾のいわし漁」

最初に登場したのは、長年鳴尾に暮らす前田文信さん。昔の写真を手に語り始めると、会場は昔の鳴尾の風景へと引き込まれました。
前田さんは、漁の様子や人々の暮らしをユーモアたっぷりに語り、参加者の笑いを誘いながらも、懐かしさと郷愁がじんわりと胸に広がる時間となりました。
伝へ人まきのやすよさんの「なるを棉物語」

続いて登場したのは、地域で語り部として活動する牧野保代さん。 「鳴尾では、かつて棉業が行われていたことを知っていますか?」
彼女が語ったのは、あまり知られていない「鳴尾の棉」の話。鳴尾小学校で子どもたちに鳴尾の棉の話を伝えている彼女ならではの、優しくも情熱のこもった語りに、参加者はじっと耳を傾けていました。
世代を超えたコミュニティを目指して
甲子園に比べ、語られることの少ない鳴尾の歴史。
この集いは、ただ昔話を語り継ぎたいというものではありません。
華やかな歴史だけではなく、日常のなかで当たり前だった風景や暮らし、地域の産業や文化が、地域の記憶となり、未来へとつながり、そこに住む人々のルーツとなる大切なものなのかもしれません。
消えていってしまっても困らないかもしれない。
けれど、その地域に根差した人々の残したものを丁寧に掘り起こし、語り、共有することで、鳴尾という地域への愛着を育んでいきたい。
この集いをきっかけに、世代間の交流が生まれ、地域に根付いたコミュニティの場になってほしい——『なるお昔語りの集い』には、そんな願いが込められています。
第3回開催予定 日時は未定
「次はどんな話が聞けるんだろう?」
そんな期待の声を背に、「なるお昔語りの集い」はこれからも続いていきます。
第3回の開催日は未定ですが、地域の歴史に興味がある人、鳴尾をもっと知りたい人、語り継ぐことに関心のある人、地域の人とつながりたい人——そんな人なら誰でも参加できます。
鳴尾の記憶を未来へつなぐ「なるお昔語りの集い」
また次の機会にお会いしましょう。
▼地域創生交流友志の会 めいゆう
meiyuu.naruomura@gmail.com