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わくわく保育だより 2025.冬号

目次

わくわく保育だより 2025.冬号
笑いとわくわくのエッセンス満載の子育てコラム「わくわく保育だより」
冬号では「作品の片付け」をテーマにお届けします。
実際に園での作品の扱い方法やお家での片付け方法を紹介します。

園での片付け方

担任をしていた頃、
「こどもの作品はどうしたらいいですか?」
「ブロックで作品を作るたびに飾って!と言われて棚が作品であふれかえっています」
「廃材で作品を作るのが好きだけど、いつのタイミングで処分したらいいのかしら」
という声をいっぱい聞いてきました。
実際にしていた園での作品の片付け方法を1つご紹介します。
今回は保育室にある、粘土とブロックでのエピソードを取り上げます。

作品作りにおいて、おとなのものさしはこどもには全く通用しないことが多々あります。
例えば
①粘土で作った動物の作品
②ブロックを積み重ねただけの作品
おとなから見ると立派に出来ている粘土の作品の方がより大切だろうと思いますが、実はこどもにとっては②の方が大事だったりします。
○○ちゃんと作ったから、○○くんが褒めてくれたからと、理由がある時もあれば、なんとなくこっちが大事という時もあります。「え?そっちの方が大事なの!?」とおとなが驚くことがよくあります。
そのため作品の片付けをする際にまず大切なことは、こどもの作品への気持ちを尊重することです。
園ではこどもの作品を飾る場所【作品の一時預かり所(棚の上)】を実施していました。
ルールは簡単。
1週間一時預かり所に自分の作品を1つだけ置くことができる。というものです。
新しい作品を作ったら古いものと比べて置き換えることもできます。
こうすることにより、闇雲に作品作りをするこどもが減り、みんな1つの作品を丁寧に作り、扱うようになりました。そして金曜日になると一度全て崩したりしてブロックはおもちゃ箱へ、粘土は粘土ケースへといった具合で元に戻します。
最初の方は金曜日になると残念な顔をする子も時々いましたが、みんな一定期間飾ったという満足感があるので躊躇なく元に戻せるようになりました。
園の場合は人数が多いので1人につき1つの作品とルールがありましたが、お家で試される場合は独自のルールをお子さんと決めてみてもいいですね。

家での片付け方

さて、こうした園でこどもが馴染んでいる片付け習慣を家での片付け方に取り入れてみましょう。園での片付けでもあった“期間を決めて飾る”に加えて、合わせ技でおすすめしたいのが携帯電話やカメラの活用です。
1つ目は写真機能。
園から作品を持ち帰った日や、我が子が「できたよ!」と見せてくれたタイミング、飾る期間をきめた最後の日に記録として写真を撮ります。作品だけでもお子さんと一緒に写真を撮っても良いです。写真は作品だけを写してもいいですし、作品とお子さんを一緒に撮る形でも良いですね。
できればお子さんと一緒にいるときに撮ったり、お子さん自身が写真を撮るのもおすすめです。
こどもは自分の大好きなママやパパと出来た嬉しさを共有したり、作品を通して自分のことを褒めてもらったり、こんなものが作れるようになったんだ!とびっくりしてほしくて一生懸命作っています。
その作品を“記録に残す”ことでさらに満足感が得られやすいので、このひと手間をかけるだけで片付けへの気持ちの切り替えがぐんとつきやすくなります。

2つ目は動画機能を使った作品紹介動画です。
写真を撮っても、決めていた期間をこえてもまだまだ残したいといった作品があるときにおすすめです。
紹介の仕方は自由ですがYoutuberやテレビショッピングの人になったつもりで紹介動画を作りましょう。
時間は1-2分以内を目指します。親子で仲良く並んで作ったものを紹介したり、机の上や床に作品を並べてお子さんが1つ1つの作品を紹介したり、お子さんがカメラマンになってママやパパがいくつか厳選して紹介したりと紹介の仕方は無限大です。最後に「また素敵な作品が集まったら紹介します!」といった片付けもちょっと意識した言葉も加えておくといいかもしれませんね。
SNSや写真動画共有アプリによってはアップロードの公開設定で限定公開などができるので、家族だけで閲覧できるようにしたり、日付やちょっとした日々のエピソードを添えて残しておくと、振り返ったときに一層動画を楽しむことができます。また片付け自体が遊びになるので、外出がしにくい日や雨が降っている日などにワイワイ賑やかに撮るのもおすすめです。
こどもが忘れている頃にこっそり片付ける方法だけではなく、写真や動画を活用することでこどもも気持ちを整理し、納得して手放して楽しんで片付けれる方法も取り入れることで、片づけの習慣が身につきます。できるタイミングで無理せずに取り入れてみてくださいね。

おすすめの片付け絵本

絵本の題名「パオちゃんのみんなでおかたづけ 」
作・絵:なかがわみちこ

ぞうのパオちゃんのシリーズ絵本から1冊。ロングセラーの「10ぴきのかえる」の絵を描いているなかがわみちこさんといったらわかる方が多いかもしれませんね。
片付け絵本といっても、しつけとしてのちょっと堅いストーリーではなく、楽しく、自主的におかたづけができちゃう内容になっています。
ぞうのパオちゃんとお友だちの動物たちがつみきで遊んで部屋は散らかり放題。
お母さんがはちみつを探しています。そうです、おやつはホットケーキ!さぁお部屋を片付けて!はちみつ探しが始まります。
みんなの頭の中はふわふわのホットケーキでいっぱい。みんなホットケーキのおかげでルンルン気分で手際良く片付けていきます。
最後はパオちゃんの長い鼻が出番です!はちみつは見つかったのかな!?
なんだかいつもは面倒くさいおかたづけが、この絵本を読んでいると楽しくなってきちゃいます。
お家でもこの作戦はかなり効果的ではないでしょうか。一度やってみる価値はありそうですね。

絵本の題名「かたづけやさーい 」
作・絵:わたなべあや

片付けをやる気にするアイデアが欲しい!という方は必読の一冊です。
最初は片付けを渋っているやさい達ですが、キャベツさんが踊りながらノリノリで片付けている姿をみて、次は私が!僕が!とやさい達がそれぞれ工夫しながら片付けていきます。
特にとうもろこしちゃんや、グリーンピースちゃんがやっている片付けの方法は保育現場でもよく取り入れられており、かぼちゃんのやり方はブロックなど量が多いおもちゃの片付けにはうってつけの方法です。
片付け後に得られる心地良さでもある「みんなみ~んないいきもち」というフレーズややさい達の笑顔から達成感と楽しさが伝わってくるのも魅力的で、やさい達のように片付けしたい!と思わせてくれます。
さて、今からどのやさいになりきって片付けようかな…。この絵本のやさい達を思い出してお子さんと楽しくて気持ちの良い片付けタイムを作ってみてくださいね。

一おとなもこどももみんなみんなわくわく一

次号もどうぞお楽しみに!担任のちづちゃん&このちゃんでした!

執筆者紹介 

笑いの保育わくわく(ちづちゃん&このちゃん)

元々こどもが大好きで、それぞれ保育士や幼稚園の先生等をしていました。

これまでそれぞれが保育現場で見つけたたくさんのわくわくを、今度は保育の世界を飛び出してみんなへ届けたい!という思いから、2015年『おとなもこどももみんなみんなわくわく』がモットーの笑いの保育わくわくが結成されました。(2020年に法人化)

2017年からチアフル親子カフェの講師や『わくわく保育だより』コラム執筆を始め、主催で子育て向けイベントや習い事『おやこ移動ほいくえん®』などを展開し、現在に至ります。

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