北斗の拳40周年記念大原画展
皆さんこんにちは。美術館・博物館、漫画担当、エンカチライターの甲斐千代子です。
全世界で1億部を超える発行部数を誇る超名作漫画『北斗の拳』。連載開始から40周年を記念した原画展が、兵庫県立美術館ギャラリー棟3F ギャラリーで開催中です。
武論尊が創作し、作画・原哲夫が圧倒的な画力で描いた「北斗の拳」。ラオウ編までの136話・約3,000ページに加え、連載当時描かれた彩色画の中から厳選された原画400枚が会場に並びます。
テレビアニメにもなった「北斗の拳」。会場には、ラオウ編の主題歌「愛をとりもどせ‼」(クリスタルキング)が流れ、一気にその世界に引きずり込まれます。本展では「愛」をテーマに6つの章で物語をたどりますが… 皆さんはどの愛の形に心惹かれますか?どのキャラクターが好きですか?ちなみに私の推しはラオウ様です。
さあ、「愛」をとりもどすために、会場へGO!
作画担当原哲也先生&ケンドーコバヤシ トークセッション
本展の開幕前日、作画担当の原哲夫先生と、ファン代表、ケンドーコバヤシさんによる、トークセッションが行われました。
原先生は「40周年なんですが、原画を見ると意外と色あせてなくて」と語り、「ペリカンのスカーレットやコバルトブルーのカラーインクで描いていた。その色が結構綺麗に残っていて、(印刷では表現できなかった色合いが)原画で見るといいかもしれない。そのあたりも楽しんでほしい」と話しました。また、連載当時は「ネームと原稿で締め切りが2回あって、(1週間に)2回徹夜が確実にある」「命がけだった」と振り返りました。
ケンドーコバヤシさんは、「原先生のデザインと筆圧、原画からあふれ出るオーラで二日酔いのような気分になる。興奮してくるので、帰りには敵と出会わないようにしないと。帰り道は誰とも目を合わさないようにしないといけない」と独特な言い回しでその魅力を語りました。
南斗水鳥拳のレイ
「北斗の拳」ラオウ編のストーリー、名言、キャラクターの詳細については会場内でご堪能いただくとして。
今回は、私の独断と偏見で… まずは南斗水鳥拳のレイ様をご紹介します。人のために生き、命をかける宿命を背負う「義の星」の男。テレビアニメでは塩沢兼人さんが声を担当していました。
衝撃的な登場シーン!まさに「極悪人」の顔!
物語が進むにつれてその表情は変化し、本来の「義の星」の顔つきをとりもどしていきます。そして、最後には悟りをひらいたような穏やかな表情へと。ラオウとの闘いはまさに、名シーン!
レイは私が「北斗の拳」にどっぷりと浸かるきっかけとなったキャラクターでもあります。
レイについては原先生のコメントにも注目して下さい。
わが生涯に一片の悔いなし!
そして、北斗神拳継承者候補4兄弟の長兄、ラオウ様💗私の初恋の相手。
力を求め、冷酷非情に見えるラオウですが、彼も「愛」に生きた男。
実の弟トキとの闘い。病に侵されたトキの体を気遣うセリフには心揺さぶられます。
ラオウとケンシロウの最後の闘い。ラオウの表情、原画だからこそ細かいところまで、じっくりと楽しめます。
決着がついた時のケンシロウの台詞、この期に及んで「ラオウ」ではなく「兄さん」ですよ…
ラオウも「さらばだケンシロウ おれもまた天へ!トキの下へ帰ろう」って… もう涙腺崩壊寸前!
そして、ラオウ最後のシーン。「わが生涯に一片の悔いなし!」ついに涙腺崩壊!… 当時、漫画でも、アニメでも、私は、涙涙の大洪水でした。ラオウ様、今でも… 甲斐はあなたが大好きです♡
男たちの、戦いと愛の物語
「北斗の拳」では、様々な愛が描かれています。キャラクターたちは、それぞれが「愛」のために、「愛」ゆえに、「愛」を求めて、己の道を突き進んでいきます。
本展は、「北斗の拳」のファンの方はもちろんですが、初めて触れる方にとっても、入門編としてお勧めします。展示を堪能した後は、本屋さんに原作本を買いに行きたい衝動に駆られるはずです。(私も帰宅してから、押し入れから、秘蔵の単行本を取り出して、ラオウ様の最後のシーンを読み返しました。泣きました)。原作本を読破したら、また原画をみたくなる。原画をみたらまた漫画で物語を振り返りたくなる。無限ループの渦に巻き込まれること間違いなしです。
もう一つ、忘れてはならないことが!
音声ガイドは、あの!あの!千葉繁さんが担当しています。注目は、ラストコメント。心揺さぶられること間違いなしです。是非、聞いていただきたい!です!
「北斗の拳40周年大原画展 ~愛をとりもどせ‼~」9月1日まで
「北斗の拳40周年大原画展 ~愛をとりもどせ‼~」
会期:2024年9月1日(日)まで
会場:兵庫県立美術館ギャラリー棟3F ギャラリー
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)
入場時間:10:00~17:00(16:30最終入場)