沿線お役立ちコラム

いま、見て感じる動くミュシャ「アール・ヌーボーの女神たち」@大阪梅田

映像とオリジナル作品で楽しむミュシャ

こんにちは!美術館・博物館担当、チアフルライターの甲斐千代子です。

アール・ヌーボーを代表する画家・デザイナーとして絶大な人気を誇るアルフォンス・ミュシャの世界が楽しめる展覧会「アール・ヌーボーの女神たち」が、大阪梅田のグランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタルイベントラボで開催中です。

 

アール・ヌーボーとはフランス語で「新しい芸術」という意味で、19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパに広がった芸術運動のことです。草花や昆虫など自然界の有機物をモチーフとし、職人の手によって生み出される、流れるような曲線と繊細で優美な装飾が特徴です。

 

アルフォンス・ミュシャはアール・ヌーボーの代表的なアーテイストで曲線や幾何学的な模様を使った装飾性の高さから、「線の魔術師」とも呼ばれています。

本展は、ミュシャの作品の中に入り込んだかのような没入感を体験できる映像空間(イマ-シブ)と、ミュシャのオリジナル作品の展示というハイブリッド型の展覧会です。

 

それでは、いま、みて感じる動く「ミュシャ」の世界へ、GO!

オリジナル作品150点!

会場入って、まず目に飛び込んでくるのは、大女優サラ・ベルナールの姿。(美しい~♡)

彼女の舞台公演を知らせるポスター『ジスモンダ』、ミュシャがサラ・ベルナールのために手掛けたポスターです。新年の公演に合わせて1月1日にパリの街に貼り出され、人々の注目を浴びます。まさに、ミュシャの出世作となった作品です。

 

このように、第1章「麗しの女神」では、ジスモンダを中心に、魅力あふれる女性像が並びます。

 

そして、第2章は「暮らしの彩り」

商業ポスターやカレンダー、ビスケット缶のラベルなど、人々の暮らしに彩を添えた作品たちが並びます。

第3章は「スタイルの美」

流麗な曲線から「線の魔術師」と呼ばれたミュシャ。太い輪郭線、優美な描写、繊細な装飾性はデザインの模範となっています。デザインやイラストを学ぶ学生に向けて出版された、いわゆるデザインのハンドブック『装飾資料集』や『装飾人物集』も並びます。

 

そして第4章は、母国の誇りや尊厳を表現した作品を展示。

 

ミュシャの作品の変遷を楽しめます。

命を吹き込まれた女神たち 映像空間(イマ-シブ)

映像空間(イマーシブ)は12分間のインスタレーション(展示空間全体を含めて作品とし、見ている観客がその場にいて体験できる芸術作品のこと)と、4分間のフォトタイム、合わせて16分間で構成されています。

インスタレーション前半はミュシャの生涯で大きな転機となったパリ時代の華やかで躍動感あふれる作品に着目、後半では母国への愛や壮大なストーリー性を感じさせる作品で表現しています。

 

テーマは美しい女性像(女神)。女性たちの、呼吸する様子、煙草をくゆらす手の動きや煙のたなびきなど、色っぽく滑らかな動きは圧巻です。中でも注目して欲しいのは、女性たちの「瞬き」!目をとじた時に現れる瞼はもともと絵には描かれていません。ミュシャがこの女性の瞼を描くとすればどのように表現するのだろうか。インスタレーションを手掛けた作り手の解釈と想像力を目いっぱい働かせ、目を閉じて開く様子が自然な動きになるように、細かい修正を繰り返しながら作り上げたそうです。

 

映像空間(イマ-シブ)には27作品が登場します。

作品選定について、イマーシブを手掛けた中田圭亮さんに伺いました。

「全体を通して『女性らしさ』をテーマにしております。第1章では主にサラ・ベルナールが演劇に出演した時のポスターや第2章ではJOBやルフェーブルユティルなど商業ポスターなど、作品の裏にある想いと現代の技術で動く映像と作品を見比べていただくことでより質の高い展覧会になると思い選定しました。(例ですが、ルフェーブルユティルはビスケットの広告でありながら、洋服には麦と鎌が描かれており、豊穣神セレスを想像させることで、豊穣神も進める美味しいビスケットと暗示しているなど)」とコメントを頂きました。

 

企画から制作、完成まで約1年。高さ3m、約70㎡の空間に、ミュシャが描いた作品の世界が再現されています!

OGATAコレクション

本展覧会では、世界有数の所蔵数を誇るOGATAコレクションの協力のもとオリジナル作品150点が展示されています。内覧会にはそのコレクションの主、緒方寿行さんの姿も!特に好きな作品はどれかと伺ったところ、画像の真ん中の作品を指さし「これ<イヴァンチツェの地方祭>です!ミュシャが生まれた村なんです、信号機もないような小さな村。その村の収穫祭のポスターです。(ミュシャは)無償で提供したそうです。この村にいくと、(ポスターに描かれている)教会が今も残っていて、現地で初めてこの教会を見た時は感動で涙が出ました」と答えてくださいました。

ミュシャの魅力については「最初は女性を色々描いていたが、最終的には母国のチェコに戻り、国の為民族の為と無償で作品を提供し続けた。芸術を通して奉仕しようとする心にひかれました」と笑顔で話してくれました。

そして「今回の展覧会の注目は映像空間(イマーシブ)ですが、それだけではなく、そのイマ-シブに匹敵するくらいのオリジナル作品をいっぱい飾ったので、楽しんでいただきたいです。」と話していました。

イマ-シブフォトスポットとオリジナルグッズと

今回の展覧会、白い服装でお出かけになることをおすすめします。

というのも、会場の2か所にイマ-シブフォトスポットがあるんです。一つは映像空間内に。もう一つは展示会場に設置されています。

画像は、展示会場のフォトスポット。その前に立つと、映像が投影されて… 舞い散る花びらが… 白い衣装に… ということで、是非会場でお確かめください。

オリジナルグッズとコラボメニュー

ミュシャの世界を堪能した後のお楽しみといえば、記念品とお土産選び。ミュージアムショップには、ミュシャの作品集に、ポストカード、ハンカチにトートバックとオリジナル商品がずらり。そして!なんと!OGATAコレクションの一部が特別に販売されています!約120年前に制作されたミュシャのオリジナル作品(石版画)です!本物のミュシャの作品を手にすることができる貴重な機会なんです!

また、隣接のカフェラボでは、コラボメニューが登場!しかも、コラボメニュー1品を注文すると、オリジナルのコースター1枚がランダムにプレゼントされるんです。メニューは全部で6種類9品。どれもレベルが高いんですが、その中でも

私のおススメはジスモンダパフェ。白玉やの宇治茶ゼリーなど和の食材をふんだんに使った和パフェ、是非味わってみてください。

「アール・ヌーボーの女神たち」2024年1月28日まで

「アール・ヌーボーの女神たち」

会場:グランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタル イベントラボ

会期:2024年1月28日まで

開館時間:平日 11:00~20:00 土日祝日 10:00~19:00 ※2024年1月2日(火)・3日(水)は祝日扱い

休館日:2024年1月1日

公式サイト

https://mucha-immersive.com/

 

 

文/チアフルライター 甲斐千代子

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