恐竜アートにスポットをあてた展覧会
皆さんこんにちは。美術館・博物館担当、チアフルライター甲斐千代子です。
約2億5000万年前から6600万年前の中生代、地球上に君臨した恐竜たち。誰も見たことがない、けれども確かに存在していた彼らにロマンを感じる人もいらっしゃると思います。実は私もその一人。推しはもちろん、空飛ぶ恐竜プテラノドンです。
そんな恐竜好きなあなたに是非お勧めしたいのが今回兵庫県立美術館で開催中の「恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造」。
ただし会場には恐竜の化石や骨、くみ上げた骨格などの展示は1つもありません。並ぶのは、世界中から集められたパレオアート(古生物美術)作品など150点。
これまでとはひと味もふた味も違う展覧会、さあ恐竜たちの姿を愛でに、いざ会場へ!
想像・創造された恐竜の姿の変化を紹介
展覧会は大きく4つの章に分かれています。
第1章では、恐竜が発見された19世紀前半から中盤にかけて、化石資料が乏しかった時代の絵画作品。
第2章は19世紀後半から20世紀にかけて、様々な恐竜の化石が大量に発見され、古生物学も著しい発展を遂げた時代の作品。
第3章は、日本で恐竜という存在が文化としてどのように根付いてきたのかを紹介
第4章では、1960年代以降、恐竜に対する考え方が大きく変わった、いわゆる「恐竜ルネサンス」が定着した時代、新しい恐竜の姿を紹介しています。想像力によって創造された太古の住人たちの姿、その変化を楽しむことができるんです。
鼻の角 実は○○だった!
最初期の恐竜の一つ、イグアノドン。歯の形がイグアナに似ていたことこらこの名前がつきました。
初期の絵画では鼻にとんがった角が描かれています。
ところが後にその角はなくなります。さて、どこに行ったのでしょう?
よ~く観察してみてください。頭から首、そして胴体、前足。
逆から見ていきましょう。長くて立派な尾、後ろ足、足先まで行って… 戻って上へ。胴体から前足。
そう、ちょうど人間でいうと親指の先が尖っています。
鼻先の角と思われていた部分、実は指の先だったんですね。
木登り恐竜… ではなかった ヒプシロフォドン
木の上で仁王立ちしている姿に懐かしさを覚える人もいると思います。「木登り恐竜ヒプシロフォドン」です。
今考えられている姿とはちょっと違います。
化石を復元するときに、指の向きを間違えたため、枝をつかむことができる足を持ち木の上で生活していたと考えられていました。さらに言うと、大きな特徴の一つ、顔の先のクチバシも描かれていません。
でも、過去に描かれた姿も間違いとは言い切れません。今、考えられている姿も正解だと断言もできません。誰も恐竜に会ったこともないし、見たこともないのですから。
ただ1つ言えることは、会場に並ぶ恐竜たちの姿は、その時代時代、得られる情報を総動員し、様々な角度から研究を重ね、学術的ベースの基に想像力を膨らませて描かれたものである、ということです。
そこには、研究者や画家の「恐竜愛」があることだけは間違いありません。
特別展「恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造」は5月14日まで
会場内には兵庫ゆかりの作品や、カラフルな立体作品も(何でできているかは会場でお確かめください)。
思わず「恐竜図鑑」が欲しくなる展覧会、ご家族で、お仲間で、是非お楽しみください。
「恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造」
会期:5月14日(日)まで
休館日:月曜日
開館時間:午前10時~午後6時 ※入場は閉館の30分前まで
会場:兵庫県立美術館
公式HP
文/チアフルライター 甲斐千代子
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