沿線お役立ちコラム

糖質ア・ラ・カルト

糖質ア・ラ・カルト

 皆さんよく「糖質ダイエット」なる言葉を耳にされることがあると思います。もしかして「糖質=制限しなければならない・よくないもの」と思ってしまっていませんか?

 糖質は決して悪いものではなく、体に必要な量を摂れば問題はありません。また、「ダイエット=栄養を使って体を作ること」にも必要となってきます。今回のテーマは糖質ア・ラ・カルト、糖質にもいろいろ種類があるのでどんなシーンで何を摂るとよいかを考えながらお話を聞いていただければと思います。

糖質の働きとは?

皆さんがよくご存じの通り、体のエネルギーとなります。

脳の第一の選択エネルギーとして大活躍ですね。

もし糖質が足りないと「糖新生」といって、わざわざ糖質を作り体の中で糖濃度を維持するほど生命維持では大切なものです。

シーン別糖質利用の分類

どんな場面でどのような糖類を摂るのが良いか見てみましょう。

 

①即効でエネルギーが必要なとき

例:単糖類=ブドウ糖・果糖、二糖類=ショ糖(砂糖)                 

甘いものや果物を食べるとササっと脳のエネルギーになりますね。単糖類は分解しなくてもそのまますぐに吸収される一番小さな形の糖類です。即効で疲労回復するには、ビタミンと吸収の早い糖質を含む果物がお勧めです。

②持続的にエネルギーを確保したいとき

例:多糖類=でんぷん=米・小麦・芋・豆(大豆・ナッツ類除く)など。

持続的な仕事や運動をするなら、ゆっくりと吸収される多糖類が必要です。多糖類はそのまま吸収されるのではなく、時間をかけて単糖類に分解、吸収されるので、持続的なエネルギーとなります。

③おなかの調子を整える

 例:少糖類=難消化性オリゴ糖

腸内細菌の栄養となり役立ちます。乳酸菌(プロバイオティクス)+オリゴ糖(プレバイオティクス)=シンバイオティクスとなりますよ!

④甘さだけを確保する

 例:糖アルコール=キシリトール・ソルビトール・マルチトールなど

実は甘味は砂糖より低いのですが、吸収されにくいためたくさん使って甘くしてもエネルギーが低いというメリットがあります。

 

知っていますか食品表示?

いろいろと表示がありますね、

どうなっているのか見てみましょう。

※下の写真は「羅漢果」の実です。

「糖類0」と「糖質0」

「糖類0」とは、単糖類と二糖類が含まれていないことを指しています。砂糖は入っていなくても、人工甘味料などは入っていることがあります。

「糖質0」とは、人工甘味料も含むすべてが含まれていないことを指しています。

砂糖なし・カロリー0・シュガーレス・ノンシュガー

食品100g中に、エネルギーが5kcal未満、糖質0.5g未満、 飲料の場合も同じ

「低糖・微糖・控え目・少なめ・ライト」

食品100g中に、エネルギーが40kcal未満、糖質5g未満

飲料100ml中に、エネルギー20kcal未満、糖質2.5g未満

糖質の毒性とは?

体に入れるものはたとえ薬であってもメリットとデメリットが存在します。糖質の毒性としては、例えば単糖類・二糖類などは急激な血糖上昇、多糖類も摂取量が多くなることで慢性的に血糖高値を生じ、いずれも膵臓を疲弊させ糖尿病のリスクが上がります。また余分に摂取した糖質は脂肪に変化して肝臓に貯蔵され、脂肪肝が生じることがあります。

対策は?

まずは摂りすぎないこと、と言われてもどのくらいの量なのか、というところですよね。ご自身にあった栄養量を知らなければなりません。目安量を計算してみましょう。

 まずは自分の理想体重を出してみましょう。

身長   (m) × 身長   (m)×係数 22=理想体重   kg

 次に、1日の目標エネルギー量を出してみましょう。

理想体重   (kg)× 25~30kcal = 1日の目標栄養量   kcal

 1日に必要な糖質量を出してみましょう。

1日の目標エネルギー量   (kcal)×55~60%=1日の糖質エネルギー量   kcal

1日の糖質エネルギー量   (kcal)÷炭水化物4kcal(1g当たり)=1日の糖質量   g

 

例えば身長160㎝の人であれば、

1.6m×1.6m×22=理想体重56kg

56kg×(25~)30kcal=1日のエネルギー量1680kcal

1600kcal×(55~)60%=1日の糖質エネルギー量960kcal

960kcal÷炭水化物4kcal(1g当たり)= 1日の糖質は240g  ということになります。

 

糖質の目安(主食のみ参考)

食品名                    量         糖質量

6枚切り食パン   1枚    60g        26.6g

ロールパン     1個    30g        14.0g

うどん(ゆで麺)  1玉   250g          52.0g

そば(ゆで麺)   1玉   200g          48.0g

そうめん(乾麺)  1束    50g     35.1g (商品により1束100gのことがあります。確認しましょう。)

ラーメン(生麺)  1玉   120g       64.3g

スパゲッティ(乾麺)1束   100g          71.3g

白米        茶碗1杯 150g         55.2g

もち        1個    50g        25.2g

240g/日÷3食=80g/食として考えると、ラーメン120+炒飯150g≒糖質120/食で約1.5食分になります‼

糖質比較!選ぶならどれがよい?

中身により変わるので、あくまでも目安でお考え下さい( )内は糖質量です。

①おにぎり・どんぶり・お弁当(幅が広いので記載のないものは栄養表示を参考にしてください。)

おにぎり1個(糖質35~40g)、おにぎり2個(70~80g)、

おにぎり2個+惣菜セット<丼<お弁当(楕円形)<お弁当(長方形)

中身の具でしぐれ煮など砂糖やみりんを使うもの、お弁当の大きさや

お惣菜にイモ類や揚げ物など衣がつくものが入ると糖質が上がります。

②パン(幅が広いので栄養表示を参考にしてください。)

サンドイッチ(三角2個分 糖質25~30g)

サンドイッチ<ホットドッグ・バーガー<ラップサンド

パンの枚数や、具でイモ類・揚げ物などが入ると糖質が上がります。 

③パスタ・ドリア(幅が広いので栄養表示を参考にしてください。)                         

ソースの差というより、パスタやドリアのご飯の量で、糖質が上がります。

④ホットスナック

焼き鳥(0.7~2.0g)<フランクフルト(7.0g)<唐揚串(13~15g)<中華まん(25~35g)

衣やまんじゅうの皮・小豆餡などが糖質となります。揚げ物の個数・大きさで衣の量が増えて糖質が上がります

⑤カップスープ(カップ1杯分)

野菜スープ・コンソメスープ(2~8g)<ポタージュスープ(5~15g)<パスタ入りポタージュ・春雨スープ(25~35g)

ポタージュはじゃがいもやかぼちゃ・コーンなどが含まれることで糖質が上がります。春雨もでんぷんなので糖質は上がります。(春雨はレジスタントスターチといって消化されにくい糖質なので、糖質としては多いものになります)

<今回のレシピ>

簡単混ぜるだけ。ごはんに!うどんに!パスタに! 

糖質のおともはおまかせあれ、ネバトロ四天王

 

材料 (ついている味以外に味付け不要)

納豆 (味付き1パック)  40g

めかぶ(味付き1パック)  40g

オクラ 1本分       10g  

なめたけ(ティースプーン山盛り) 12g         <本文ブロック画像④>

<レシピ分の栄養量(写真の卵ご飯と味噌汁は含みません)>

エネルギー:99kcal、たんぱく質:7.9g、脂質:3.4g、糖質:5.7g、食物繊維:5.1g、食塩:2g

※一般的なとろろ汁(汁椀一杯分:山芋75g+めんつゆ大匙1+水100ml)の参考値

エネルギー:62kcal、たんぱく質:2.3g、脂質:0.2g、糖質:12.7g、食物繊維:0.8g、食塩:1.5g

 

ちょこっとpoint

 めかぶとなめたけに味がついているので、納豆のたれで適宜味付け調整してください。

 今回のレシピは一般的なとろろ汁と比較すると、糖質が圧倒的に下がります。ただし、ご覧の通り、エネルギーは高いです。このように、糖質だけがエネルギーになるのではなく、全体的な栄養がエネルギーにつながっている、ということが見えてきます。

 エネルギー制限をする際に、糖質のみをすべて断つのではなく、一度、全体の量やエネルギーを見直すことが大事です。また糖質はたんぱく質を有効に体たんぱくに変えるのにも重要な役割を持っています(詳しくは2022年6月の「たんぱく質を考えよう」をご覧ください)。そのために必要な栄養素であることも心に留め置いていただきたいです。

 今回のテーマは「糖質ア・ラ・カルト」とさせていただきました。状況に応じて必要な糖質を選んで摂る、ということを実践し、健康な食生活を過ごせるようお役に立てば幸いです。