沿線お役立ちコラム

【前編】現代に蘇った3人のPRユニット「尼崎城三人衆」が尼崎城を華麗にご案内!

「城ドル」が自ら尼崎城をPRする「尼崎城三人衆」に会いに行ってきました

チアフルライターやまさんです。ライター仲間のまゆたさんから「尼崎城にすごいアイドルが現れた!」という情報を入手し、阪神尼崎駅へと急行しました。現在、尼崎城ではなんと3人の歴代イケメン城主が城内を自ら案内してくれるのです!これは言うならばお城のお宅訪問。タイムスリップした渡辺篤史さんの気分でいざ城内ガイドツアーに出発です。今回、撮影はまゆたさんにお手伝いいただきました。

「尼崎三人衆」とは?

午前9時丁度、「開門~」という一声と同時にお城の扉が開きました。なんと尼崎三人衆の皆さんが自らお客さんをお迎えしてくれましたよ。尼崎城に突然現れた3人のイケメン「尼崎城三人衆」は昨年2021年の10月に活動を開始した尼崎城をPRする専属ユニット。尼崎城のガイドツアーをはじめ城外でのPR活動を精力的に行っており、関西を中心とした各メディア訪問、今年の10月15、16日には「関ヶ原合戦まつり2022」、「大阪・尼崎・岸和田 参城めぐりキャンペーン」などのイベントに出演しパフォーマンスを披露しています。

 

尼崎城の公式アイドルユニット「尼崎城三人衆」紹介動画

尼崎三人衆は令和に蘇った尼崎城の「城ドル」というコンセプトのキャラクター。左が「しんじろう」様、真ん中が「いしのすけ」様、右が「よひちろう」様です。しんじろう様はその1代目城主戸田氏鉄(うじかね)、いしのすけ様は3代目城主青山幸利(よしとし)、よひちろう様は最後の城主櫻井松平忠興(ただおき)をイメージしています。名前は夫々の城主の幼名をモチーフに採用されました。この華麗な衣装は、時代背景をもとに色や形を工夫しています。

 

全国各地には地元のお城や史跡で観光客を案内する「武将隊」がPR活動を展開しており、現在80組を超える「武将隊」が活動しています。近畿圏には「近江の国おもてなし武将隊信長隊安土衆」「京都・長岡京おもてなし武将隊つつじ」「浪花のSANADA十勇士」「神戸・清盛隊」「姫路城甲冑隊」などのグループが存在しています。2021年の10月に「尼崎三人衆」もその仲間入りを果たしました。

尼崎三人衆による尼崎城ガイドツアーに出発

尼崎城では主に土日祝日に尼崎三人衆による城内ガイドツアーが行われており、約1時間かけてお城の5階から1階までを隅から隅まで案内してもらえます。では、早速ツアーに出発しましょう。

ここは5階の「わがまち展望ゾーン」。四方の窓から尼崎城下を一望できます。尼崎城が再建されてから既に3年が過ぎていますが、室内は檜のいい香りがしています。

 

窓際に備え付けられたタブレットで窓から見た江戸時代の城下町の様子もVRで同時に見ることができます。現在の尼崎とは全く違っていて興味深いです。

展望ゾーンの窓からは阪神電鉄の尼崎車庫と旧発電所、阪神電車がよく見えます。尼崎城の敷地にある尼崎城公園でピクニックを楽しんでいる家族連れの人もたくさん見えました。地元の人からも愛されているのがよくわかります。この公園は無料で入場できます。

 

その昔、尼崎城の天守からは大坂城天守がよく見えたそうです。江戸時代が始まった元和3(1617)年に徳川幕府の命により築城された尼崎城は、徳川家に対し服従しきっていなかった西国諸国から幕府を守るため、直轄地・軍事拠点とされていた大坂を補佐し、いざというときには大坂城へと馳せ参じる西の守りの役目を担っていました。江戸時代の尼崎藩は現在の尼崎市よりずっと広大で、東は宝塚市、伊丹市の一部から、西は神戸市須磨区までの阪神間一帯が全て尼崎藩の版図でした。

おおっ!?突然歌と踊りが始まりましたよ。この曲は今年の3月29日にリリースされた尼崎三人衆のデビュー曲、その名も「AMAGASAKIJOU」ではないですか!入城料500円で三人衆のライブが見られるなんて最高すぎます。

 

尼崎三人衆のデビューアルバム「AMAGASAKIJOU」は、YouTube Music、Spotify、LINE MUSIC、レコチョク、アマゾン、dミュージック、ヤマハの音楽配信サイトmysoundなどで配信されています。YouTube Musicでは試聴も可能です。本当に素敵な曲ですので是非聞いてみてくださいね。

4階「ギャラリーゾーン」では「阪神電車ストーリー展」が開催されていました。三人衆の方から詳しく阪神電鉄の歴史を聞かせていただくことができて、とっても良かったです。

こちらは尼崎出身の城郭画家荻原一青氏の描いた全国のお城がデザインされた手ぬぐいの展示です。明治41年生まれの荻原氏は、故郷の城の遺構が廃城令により消えていくのを目の当たりにして、在りし日の姿を絵に残そうと決意したそうです。荻原氏は尼崎城を描くにあたり、尼崎城がどのような姿をしていたかを綿密に調査、その成果が尼崎城の復元にたいへん役立ったそうです。

3階「なりきり体験ゾーン」です。お城での接客に使用されていた金の間をイメージした広間で打ち掛けや忍び装束、兜、陣羽織などを着て記念撮影をすることができます。タイミングが合えば三人衆の皆さんと一緒に撮ってもらうこともできます。

 

忍者の樫丸(かしまる)さんと一緒にパチリ。尼崎は漫画「落第忍者乱太郎」の著者尼子騒兵衛さんの出身地です。この漫画がNHKでアニメ化され「忍たま乱太郎」として大ヒットしたことは皆さんご存知ですよね。2階では忍者が使用していた武器の展示をしています。尼崎藩では実際に他藩へ忍びの者を送り込み、諜報活動を行っていたそうですよ。

広間の反対側には江戸中期に描かれた「尼崎城分間絵図」の拡大版が掲示されています。

2階「尼崎城ゾーン」では、実際に体を動かして体験しながら尼崎城について学ぶことができます。こちらは天守に飾られているものと同じサイズのシャチホコ。伝説の生き物である鯱の形をしており、建物が火事になると口から水を吐き出して火を消してくれるという言い伝えがあることから、お城の守り神とされています。実はシャチホコには雄と雌がいるのだそう。どちらが雄でどちらが雌かは尼崎城で確認してくださいね。

これは『尼崎産魚』という書物のレプリカ。尼崎藩で穫れる海産物の図鑑で、幕府に提出されたものの控えになるそうです。江戸時代、尼崎藩では多種多様な海産物が穫れ、中在家の魚市場から大阪や京都へと魚が運ばれていました。「尼崎」という地名、元々は「海人(あま)」と呼ばれる漁師が多くいたことから「海人が崎」だったものが漢字を変えて「尼崎」となったのだそうです。尼崎城も元は4重の堀を巡らせた海沿いのお城でした。

これは音声ガイドペン。受付で無料で貸し出してもらえます。ペンで聞きたいコーナーの番号と言語をタッチすると音声ガイダンスが流れる仕組み。言語は日本語、英語、中国語、韓国語から選択できます。尼崎城には時々海外からもお客さんがやってくるそうです。

鉄砲体験と剣術体験ができる侍道場。子どもたちに大人気のコーナーです。

尼崎藩はその歴史が閉じられる明治6(1873)年までの250年の間に、譜代大名であった戸田家、青山家、櫻井松平家の3家12名の藩主により統治されました。譜代大名とは関ケ原の戦い以前から代々徳川家に仕え、徳川家からの信頼が特に厚かった家のことです。尼崎藩がいかに徳川家から重視されていたかが伺えます。

1階「まちあるきゾーン」です。1階の壁には一口城主の名前が刻まれています。元和3(1617)年、江戸幕府が始まった頃に建造された尼崎城は明治6(1873)年に廃城令により壊され、堀も全て埋め立てられていました。それを復元して寄贈したいと申し出たのは旧ミドリ電化(現エディオン)創業者の安保詮(あぼあきら)さん。「創業の地である尼崎市に恩返しを」と12億円を投じて再建し尼崎城を寄贈してくれたそうです。これに一口城主といわれる尼崎市内外の人々からの寄付金約1億円、国の補助金約1億円を足して尼崎城は2018年に再建されました。尼崎城は市民の力で蘇ったお城だったのですね。「まちあるきゾーン」は無料で見て回ることができます。

これはお城の御城印「御登城記念証」。御城印は多種多様なものが全国のお城で頒布されているそうです。御城印は1991年に松本城で頒布されたのを皮切りに2018年頃から一気に数を増やし、現時点で1311城・4386種類もの御城印があるそうです。これは集めたくなっちゃいますね。他にもおみやげコーナーには荻原一青氏の描いた尼崎城てぬぐい、尼崎三人衆のオリジナルグッズ、尼崎市の名産品などがあります。

尼崎城ガイドツアーはここで終了です。ツアー参加者は三人衆の名刺をもらうことができます。とっても楽しくて勉強になるツアーでした。尼崎三人衆のガイドツアーは主に土日祝日に開催されています。尼崎城の公式HPに3人の出演スケジュールが掲載されていますので確認してからお越しください。尼崎三人衆はこの12月17・18日に横浜で開催される「お城EXPO2022」で尼崎城のPR活動をする予定だそうです。「お城EXPO」とは、城郭文化の振興と発展や、お城好きの方々との交流を目的として開催される日本最大級のお城のイベントで、今年で7回目を迎えます。三人衆の皆さん、頑張って尼崎城を宣伝してきてくださいね。

 

ちなみに三人衆の後ろにある「お城ポスト」から手紙や葉書を投函するとお城デザインの消印を押してもらえます。尼崎城のオリジナル切手も販売していますよ。この風景印は阪神尼崎駅の北東にある尼崎郵便局でも押してもらえます。

クリスマスに尼崎城で初の音楽フェス開催!

12月24・25日には尼崎城初の音楽イベント「尼崎城フェス2022」が開催されます。これは尼崎城内の1、2、3、5階フロアをステージにトータル20組のアーティストが演奏する大々的なもの。尼崎三人衆も出演予定ですので皆さんも是非こちらからチェックしてみてくださいね。

 

尼崎城

アクセス:阪神尼崎駅から南へ徒歩5分

営業時間:9:00~17:00(最終入城は16:30まで)

入城料:

一般500円 小中高校生250円

団体20名以上 一般400円 小中高校生200円

障害者・療育手帳交付者 一般350円 小中高校生180円

※1階と公園敷地内は無料

休城日:月曜日(祝日の場合は営業、翌日休)、12/29~1/2

尼崎三人衆スケジュール

尼崎三人衆インスタグラム

尼崎城facebook

 

 

後編に続きます。

【後編】現代に蘇った3人のPRユニット「尼崎城三人衆」が尼崎城を華麗にご案内!

 

 

文/チアフルライター やまさん

やまさんの過去の記事はこちら