ボストン美術館所蔵の武者絵 全て日本初公開!
こんにちは!美術館博物館、刀剣担当、チアフルライターの甲斐千代子です。
みなさん!刀剣はお好きですか?武将のオシは誰ですか?
甲斐は、刀剣は幻と言われる菊一文字、日本の英雄は悲劇のヒーロー源義経が好きです!
そんな私のように、刀剣や武将が好きな人に特におすすめの展覧会『ボストン美術館所蔵 THE HEROES 刀剣×浮世絵―武者たちの物語』が兵庫県立美術館で開催中です。
ボストン美術館は、仏画、浮世絵、刀剣など日本美術の優品約10万点を所蔵、質・量ともに世界有数の日本美術コレクションを誇ります。また、20世紀初めには岡倉天心が中国・日本美術部長として在籍するなど、日本とのかかわりの深い美術館です。
本展覧会はボストン美術館所蔵のコレクションと国内所蔵を合わせ、武者絵121点 刀剣26口 (刀の)鐔(つば)27点を展示。
典拠となった物語に描かれている時代によって分類した7つの章と、名刀を紹介する章で構成されています。
嬉しいことに、会場内は写真撮影可能です。会場入り口の説明文をしっかり読んで、礼儀正しく武士道を胸に撮影してくださいね。
では、カメラやスマホを手に、いざ会場へ!いざ~いざあ~!!
武者絵とは キャプションにも注目
歌川国芳≪長門の国赤間の浦に於いて源平大合戦平家一門悉く亡びる図≫弘化2~3年(1845~46)頃
武者絵とは浮世絵の一種で、歴史や伝説、物語に登場する英雄・豪傑・武将の姿や、合戦の場面を描いた絵のことです。ボストン美術館所蔵の118点の武者絵は、全て日本初公開!ふるさと日本にお帰りなさい!
こちらは、壇ノ浦合戦の名場面を描いた作品。
画面左には源義経、中央、船の帆先には、祖母である二位尼に抱かれる安徳天皇の姿が! あの有名な場面です。
作品の主題ごとに用意されているキャプションは必見です! 解説文の下には、4コマ漫画も!何が描かれているのかは、ぜひ会場でお確かめください。
刀の鐔 最高の一場面を切り取った芸術作品
≪橋弁慶図鐔(つば)≫銘 連行(花押)江戸時代(19世紀)
ん?これは何だ?そう思う人もいらっしゃるかもしれません。大きさは10cmくらい、細かい装飾が施されているこちらは、刀の「鐔(つば)」です。刀剣の握る部分「柄(つか)」と刀身との間に挟んで、柄を握る手を守る物です。
橋が架かっていて、欄干の上に人の姿が… そうです。牛若丸です。とすると、左手にいるのが弁慶、場所は京都の五条大橋ということになります。
細かいところまで見ていただきたいので、可能であれば、単眼鏡を持参することをおすすめします。
そして、正面だけではなく裏側も見たいというあなた。さすが!お目が高い!そんな鐔マニアのあなたに吉報です。写真ではありますが一部展示があります。じっくりと楽しんでくださいね。
今回展示されている鐔について担当の安永学芸員は
「江戸時代に制作のものがほとんどとなっております。
江戸時代は平和な世であったため、刀剣や刀装具は献上や下賜といった武家の儀礼の中に組み込まれていたとされています。そうした背景から、まったく実用性がなかったとは言えないが美的価値に重きを置いて制作された面が大きいのではないかと思います。」とのこと。
やっぱりここでも猫が好き 義経の強い味方?
歌川芳虎≪犬飼権八庚申山で化け猫を射る≫嘉永2~3年(1849~50)頃
今回も大好きな「猫」を会場内で探してみました。すると!第7章「小説のヒーローたち」で発見!「南総里見八犬伝」の1シーン「化け猫」です。
(見た目はあまり可愛くないです。その所業も、可愛くないです。興味のある方は会場内のキャプションだけでなく、原作にも目を通していただきたいです!)
歌川国芳≪天狗の加勢を得て戦う牛若丸と弁慶≫嘉永3年(1850)
こちらは「牛若丸と弁慶」の出会いのシーン、なんですが、なんだかちょっと様子が違います。
五条大橋で、一騎討のふたり?のはずが、牛若丸には天狗の加勢が!
(平安時代の末期、やがて平家を倒すことになる源義経がまだ牛若丸と呼ばれていた少年期、鞍馬山の天狗に兵法や剣術を教わったという話は、多くの物語に登場する有名なお話。絵の中の天狗たちは牛若丸の修行仲間なのかもしれません。それにしても、みんなで弁慶をボコボコに?少し弁慶が可愛そうな気もします。そんな状況でも、弁慶は牛若丸についていくことになるのかしら… などと想像を膨らませるのも楽しいですよ☆)
歴史上の出来事などをモチーフにした武者絵だからこそできる遊び心いっぱいの演出。楽しんでください。
芸術品だよ 日本刀!
≪直刀 無銘≫ 古墳時代(6世紀)國學院大學博物館
長さ、身幅、厚み、反り具合、表面に浮かび上がる模様など、制作された時代によって、その特徴が変わる日本刀。
世界中には色々な武器がありますが、日本刀には他の武器にない魅力、美しさがあります。
(見ているだけで吸い込まれそうになるのはわたしだけではないはず)
いくつかの章では、武者絵と結びつけることができる(と考えられる)刀剣が、その武者絵とともに展示されています。
第1章神代の武勇譚では6世紀、古墳時代の太刀「直刀 無銘」が登場。古墳から出土した太刀は錆に覆われていることが多いそうですが、こちらの太刀は状態がよく、刀紋もはっきりと見えます。まさに貴重な一品。(こちらは、國學院大學博物館所蔵)
ボストン美術館に所蔵されている日本の刀剣は約600口、いわゆる「名刀」と呼ばれるものが多く含まれる一大コレクションです。本展のラストでは、ボストン美術館所蔵の刀剣を時代や流派の流れがわかるようにまとめて展示されています。
本物を手に入れるのは難しいけれど
武者絵と刀剣を堪能した後は、きっと、「あの刀が欲しい!」という欲望に駆られると思います。(私もそうでした)
そんなあなたにおすすめなのが、刀剣モチーフの「ペーパーナイフ」と刀の鐔モチーフの「クリップ」
展覧会を丸ごと持ち帰りたいあなたには、図録がおすすめです。
他にもトートバックや湯飲み、スイーツなどオリジナルグッズが満載。ご家族やお友達に、お土産を手渡しながら、展覧会鑑賞の自慢話をしちゃってください。
武者絵には神戸の名所も登場
武者絵には生田神社、布引の滝など神戸の名所も登場します。作品を楽しんだ後、足を延ばして実際の場所を訪ねてみるのもいいのではないでしょうか。
ボスン美術館所蔵 THE HEROES 刀剣×浮世絵―武者たちの物語 詳細
ボストン美術館所蔵 THE HEROES 刀剣×浮世絵―武者たちの物語
会期:2022年11月20日(日)まで
休館日:月曜日 ※ただし10月10日(月・祝)は開館、10月11日(火)は休館
開館時間:午前10時~午後6時 入場は閉館30分前まで
会場:兵庫県立美術館
【THE HEROES展】ボストン美術館所蔵 THE HEROES 刀剣×浮世絵―武者たちの物語
文/チアフルライター 甲斐千代子
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