岡本太郎 職業は「人間そのもの」
みなさんこんにちは!美術館・博物館担当、チアフルライターの甲斐千代子です。
大阪万博記念公園の「太陽の塔」で知られ、今日でも幅広い世代の人々を魅了する芸術家岡本太郎。
その画業を振り返りつつ、人間 岡本太郎の姿に迫る「展覧会 岡本太郎 Okamoto Taro: A Retrospective」が大阪中之島美術館で開催中です。
岡本太郎の経歴などについては、会場内のパネルでご確認いただくとして…
今回の展覧会、注目ポイントがたくさんあるんです。
まず、作品数。な、なんと!約300点!絵画だけでなく、写真、立体作品、デザイン画に、椅子やこいのぼりまで、バラエティに富んでいます。
また、最近明らかになったビッグニュース。あのパブリックアートも会場に、そして、子どもたちに人気の「タローマン」も登場と、まさに盛りだくさんな展覧会。
では、いざ、会場の大阪中之島美術館へ!
推定岡本太郎 パリ時代の3つの作品
会場入り口では、大きな太陽が出迎えてくれます。
進んでいくと、ありました!パリで見つかった、岡本太郎の作品である可能性が高い3つの絵画。
発見とその後の調査の経緯がパネルに記されています。(詳細は会場でお確かめください)
それにしても、きっかけとなった作品はゴミの集積場にあったって… なぜ、どうして、いったい何があったのでしょうか。
色々と想像を掻き立てられます。
ペットのカラス「ガァ公」がモデル?の作品も
画像右から2番目の作品。タイトルは≪黒い生きもの≫。くねくねしていて、私には蛇に見えるのですが…
実はこれ「カラス」なんだそうです。岡本太郎は、自宅兼アトリエでカラスを飼っていました。「ガァ公」と名付けて、一緒に散歩をしたり、自らの手でご飯を食べさせたりして、可愛がっていました。
「ガァ公」の、人に慣れてはいるものの、人に媚びない毅然とした態度でいるところに魅力を感じていたそうです。
そういえば、太陽の塔のモデルも「カラス」なんだとか。こちらは結構有名な話なのでご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
大阪コーナー 近鉄バファローズのマークは 岡本太郎の作品
画像左のロゴ。ピンときた方も多いのではないでしょうか。そう、かつて大阪に本拠地を置いていた、プロ野球パ・リーグの球団、近鉄バファローズのマークです。
親しい友人だった千葉茂さんの監督就任へのお祝いとしてデザインしたもの、1959年の作品です。
実は、最初出来上がってきたのは、右側の黒い丸っこくてかわいい牛。岡本太郎さんは気に入ったそうですが… 大きな声では言えませんが(あれじゃ勝てないかも、可愛すぎる… )ということで、左側の猛々しいデザインになったそうです。
当時のバファローズ、調子はあまりよくなかったそうですが、人気は高く、ロゴの入った帽子は大変良く売れたそうです。
作品の上に作品を描く 過去の自分を超える!
岡本太郎は作品に上書きしていることが、2012年、岡本太郎記念館の調査で分かりました。
なぜそのようなことをしたのか。岡本太郎の口から語られたことはないとのことですが、担当学芸員の大下裕司さんによると「おそらくは、かつて自分の評価を高めた作品たち、その上に胡坐をかかず、自分で自分を乗り越えるため、当時はこうだったが今ならこう描くと、上書きしたのではないか。」と話していました。
展示されている作品の横に、上書きされる前の絵が添えられています。見比べてみてくださいね。
(どれどれ、甲斐が感じるには… 上書きの作品の方が丸みを帯びた柔らかい線が多い気がする。全体的にメリハリのあるデザインと色使いに変化しているような。でも上書き前の作品も素敵。実物を見たかったなあ… )
ヒーロータロウマン 音声ガイドは阿部サダヲ
われらがヒーロー「タローマン」
正義の味方ではなく、シュールででたらめなやり取りで奇獣と戦う、ヒーロー。対峙する奇獣は岡本太郎の作品後造形化したもの。NHKの番組で誕生したヒーローがフォトスポットに登場です。
「楽しみながら・アートと学ぶ タローマン大ずかん」も用意されています。
そして、音声ガイドは阿部サダヲが担当。作品の解説に加えて、岡本太郎のことばも紹介しています。必聴です☆
「展覧会 岡本太郎」10月2日まで@大阪中之島美術館
会場内は一部の作品を除いて撮影可能です。
岡本太郎の作品を見て、感じて、撮影して、全身で堪能できる展覧会です。
コロナ感染対策をしっかりとしつつ、お楽しみください。
展覧会 岡本太郎 Okamoto Taro: A Retrospective
会期 2022年10月2日(日)まで
開館時間 10:00-18:00(入場は17:30まで)
休館日 月曜日(9月19日は除く)
会場 大阪中之島美術館
あ、もうひとつ
会場内に、岡本太郎デザインの椅子が置かれています。カラフルで、丸みを帯びた可愛らしいデザイン。
是非座ってみてください。
そして、最後に…
実物を持ってくるのは大変なので、ということで、万博公園の太陽の塔の50分の1模型と東京のJR渋谷駅と京王線の連絡通路に設置されているパブリックアート作品の下絵も展示されています。必見です!
※画像は全てⒸ岡本太郎記念現代芸術振興財団です。
文/チアフルライター 甲斐千代子
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