沿線お役立ちコラム

構想から40年 中之島美術館オープン!記念特別展開催中

構想から40年 中之島美術館いよいよ開館

みなさんこんにちは!美術館・博物館担当、チアフルライターの甲斐千代子です。

堂島川のほとりに、黒い箱のような外観が目を引く建物が!今月開館した中之島美術館です。

正面には、にゃんともかわいい猫の像が。ヤノベケンジさんの《シップス・キャット(ミューズ)》です。旅を守り地域に福を呼び込む「船乗り猫」なんですって。

建物の中に足を踏み入れると、大きな吹き抜けがドーン!光が差し込むお洒落な空間が広がります。

2階から長~いエスカレーターを上ると4階に到着。この4階と5階部分が展示室です。

 

中之島美術館は1983年、大阪出身の洋画家・佐伯祐三らの作品が寄贈されたのを受け、大阪市制100周年の記念事業として計画されました。しかし、バブル崩壊の影響で市の財政が悪化。当時の橋本市長から再検討を求められ計画は白紙に。その後何度も検討、変更を繰り返し、最終的には、市が美術館を建設、運営は民間が行うという、美術館としては日本初の「コンセッション方式」を取り入れ、ようやく開館にこぎ着けました。

 

構想から約40年。設置準備室が置かれてから30年。人々の想いがギッシリ詰まった美術館なんです!

開館記念特別展「超コレクション展 99のものがたり」が現在開催中、みんなでGO!

名品の数々 選りすぐりの400点

特別展では、6000点を超える近・現代コレクションの中から、選りすぐりの400点が展示されています。

第1章はHello Super Collection。コレクションの礎となった寄贈作品や大阪にかかわりのある絵画や写真が並びます。

佐伯祐三<『郵便配達夫』 1928年>(画面右) 佐伯祐三、最後の作品です。病に伏していた佐伯のもとに訪れた白髭の郵便配達夫。その姿に創作意欲を掻き立てられモデルを依頼したといわれています。

この作品を含む山本發次郎コレクションの寄贈が、美術館構想のきっかけとなりました。

具体美術協会の創設者、大きな円の作品で知られる吉原治良、日本とパリを行き来しながら活動した洋画家の今井利満の作品は、黒い壁の部屋で展示されています。

第2章はHello Super stars アメデオ・モディリアーニやアルベルト・ジャコメッティなど、代表的な近代・現代美術の作品を。

第3章はHello Super Visions では家具やポスターなどデザイン作品を中心に紹介しています。

 

ボリュームたっぷり!見ごたえ十分!一日では回り切れないかもしれません。

日本髪美女と黒猫

数ある名品の中から甲斐セレクトの作品を二つご紹介します。

まずは、日本画家 三鷹美鈴の<殉教者の娘> 22歳という若さでこの世を去った美鈴の代表作です。

「超コレクション展」の高柳有紀子学芸員も「着物の柄が美しい。是非じっくりご覧ください。心を奪われると思います!」と話していました。

(短眼鏡をお持ちの方は是非ご持参ください!細かい筆遣い、色の濃淡、しびれます!)

黒猫の姿も発見。テオフィル・アレクサンドル・スタンランは19世紀末に活躍したアール・ヌーボーの画家であり版画家で、大好きな猫をモチーフに数多くの作品を手がけました。この≪黒猫≫もその一つ。なんとも言えない猫の魅力が伝わってきます。

 

(彼が当時通っていたパリのキャバレーは芸術家たちが集まるサロンだったそうです。その名前も「黒猫」!)

99のものがたり 100番目のものがたりはあなたが描く

会場には、作品にまつわる99のものがたりがパネルで紹介されています。

例えばマリー・ローランサンの場合は

「ローランサンは、初期にはピカソなど20世紀初頭の前衛芸術家グループと交流し、対等な芸術家と認められた数少ない女性です。… (後略)」

 

それにしてもなぜ「99」なのか…

平井直子学芸員は「100ではなくあえて1つ欠けた99。未完の完成、これからもっと良くなっていく。美術館はコレクションの収集や研究、建物を作り開館することが終わりでなく、人々に来てもらい作品を見てもらう、そして変わっていくことが大事だと思っている。このオープンがゴールではなくスタートだと思っています。そして皆さんから100個目のものがたりを募集しています」とのこと。

 

(美術館とそこに集う人々によって物語の最後のピースをはめ込み、完成を目指す展覧会ということなんだ!深いです!)

中之島美術館の今後

今月オープンしたばかりの中之島美術館、

4月9日からは開館記念特別展「モディリアーニ ―愛と創作に捧げた35年―」

4月14日からは特別展「佐伯祐三 ―自画像としての風景―」など

今後もコレクション展や特別展が目白押しです。

 

菅谷富夫館長は

「ここに集い楽しんでいただき、またそれぞれ自分の場所へ戻っていく。いろいろな形の通過点でありたい。多くの方々に使っていただきたい。大阪で30年培って出来上がった美術館。ここだからこそできる体験。展覧会、資料の公開や、ワークショップ、この場所を使っていただいたイベントなどを通して、大阪の未来を変えていきたい」と力強く語っていました。

開館記念「超コレクション展 ―99のものがたり―」

中之島美術館開館記念「超コレクション展 ―99のものがたり―」

会期:3月21日(月)まで

時間:10:00~17:00

休館日:月曜日(ただし3月21日開館)

公式HP:https://nakka-art.jp/

 

文/チアフルライター 甲斐千代子

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