冬こそ減塩
さて、冬は心筋梗塞や脳出血が多い時期であることをご存じでしょうか?脳と心臓は、夏と冬で病気が特異的になります。夏場は脱水などによる脳梗塞などの疾患、冬場は血圧の変動によって、前述したような病気が起こることが多いといわれています。
また、寒くなると味の濃いものや煮物や塩干物など、塩分の多い食品を食べることがどうしても多くなりますよね。クリスマス・正月・豆まき・ひな祭りと行事も多く、外食や晩酌の機会も多くなりがちです。行事を楽しむためにも、常に体を整えておけるように、冬こそ「減塩」をしてみませんか?
塩は敵?味方?
まずは、塩が体の中で何をしているのか探ってみましょう。
塩の疑問その①:塩は体のどこに存在するのか?
血液・細胞(筋肉や内臓)・リンパ液・消化液・尿・便など全身に存在しています。塩の疑問その②:塩の仕事は?
それぞれの細胞内でナトリウムイオンとして濃度を決めて存在しており、水分とともに細胞を保持するようにしています。塩以外のミネラルの体内濃度にも関わり、神経の伝達や、筋肉の運動を手伝います。また、胃酸や他の消化液、腸液などに含まれ、食べ物の消化・吸収の手伝いもしています。
塩の疑問その③:塩の悪いところは?
ナトリウムイオンの濃度が上がると、体内で決められた一定の濃度に戻そうとするために水分を取り込みます。細胞に取り込めば浮腫に、血管内で水分を増やすと血液量が増えるため、血液を循環させるために血圧の上昇や心臓の肥大が生じたりします。また、体内のナトリウムを一定にさせるために働く腎臓の細胞が障害され、尿を作れなくなってしまうこともあります。
塩の仕事その④:塩の良いところ
脱水の時はナトリウム濃度を上げることによって、体内に水分が保持されます。ナトリウム濃度を適正に保つことで、神経伝達が維持され、筋肉が働きます。また、消化液を作成することができ、食事の消化・吸収が促進されます。
塩を体にためない3箇条
塩を体にためないためには、「1.塩を摂りすぎない(塩を減らす)」「2.塩の代わりに味を感じられるものを使う(塩を脇役にする)」「3.塩を体の外に出す(塩を捨てる)」ことを実践してみましょう。
(塩を脇役にする)
3.塩を体の外に出す(塩を捨てる)
<今回のレシピ>
魚のトマトソース添え
材料 <2~3人分>
パン粉 大さじ1~2
いわし(フライ用) 6枚
料理酒 大さじ1
塩・コショウ 適宜
小麦粉 適宜
オリーブオイル 大さじ1
バジル(粉) 適宜
レモン汁 大さじ2
たまねぎ みじん切り 1個
なす さいの目切り
(レンジで軽く火を通しておく) 1本
冷凍カラーパプリカ さいの目切り 彩り程度
パン粉をフライパンで乾煎りする(油はいりません。半分ぐらいきつね色になったら火を止めて、あとは余熱で煎ると同じぐらいの色になります)。
魚に料理酒をふって軽く塩コショウする。
小麦粉をまぶし、フライパンにオリーブオイルを敷いて焼く。
魚が焼けたらフライパンからだして、そのフライパンで(A)をすべて炒める。
仕上げにレモン汁とバジル粉をかける。
お皿に魚を並べて、乾煎りしたパン粉をふり、その上にソースを乗せる。
魚は何でも構いません。今回は、いわしを利用してオメガ3(DHA、EPA、α-リノレン酸など不飽和脂肪酸の一種)で血圧改善や動脈硬化予防も考えてみました。
野菜やレモン汁などのカリウムを利用して、塩分の排泄を手助けしましょう。
野菜をそろえるのが面倒であれば、トマトとたまねぎだけでも構いません。
魚自身にも味があるので、ソースは塩なしでトマトの甘味やレモンの酸味などを利用しましょう(「追いレモン」や「追いバジル」がオススメです)。物足りなければニンニクやこしょうなどを足してみましょう。