沿線お役立ちコラム

最新技術でミイラの謎を解き明かす「古代エジプト展」 開催中

世界屈指のエジプトコレクション「ライデン国立古代博物館」からミイラがやってきた!

こんにちは!美術館・博物館担当、チアフルライターの甲斐千代子です。

ミイラや副葬品などから古代エジプトからのメッセージを解き明かす「ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展」が兵庫県立美術館で開催中です。

 

オランダにあるライデン国立古代博物館は、オランダ王国の初代国王ウィレム1世によって1818年に設立されました。エジプトやギリシャ、ローマ、オランダなどの先史や中世のコレクションが充実していますが、中でもエジプトコレクションは収蔵品約2万5000点と、ヨーロッパにおける5大コレクションの一つと言われています。

 

今回の「古代エジプト展」では、ミイラや副葬品など選りすぐりの250点が展示されています。

古代エジプトの知識がヨーロッパに広がる直接のきっかけとなったのは、ナポレオンのエジプト遠征と言われています。

その際に発見されたロゼッタストーンを手掛かりに、その後の調査・研究で古代エジプト文字などの解読に成功。当時の碑文や資料を読み解くことで、古代エジプトは時代によって世界観が大きく変わっていたことがわかっています。

 

第Ⅰから第Ⅲ章では、古代エジプト発掘の経緯、何千年にもわたる古代エジプトの全体像、そして、当時のエジプト社会がどのようなものだったのかを資料や写真、遺物で紐解いています。

立体展示のミイラの棺とスキャンされたミイラ

これまで国内での展覧会では横になった状態で展示されることが多かったミイラの棺。

今回は、ライデン国立古代博物館での常設展示と同様、立体展示で並びます。

棺には色とりどりの装飾(情報)が描かれ、ミイラを保管するという役割と同時に呪術的な性格も帯びていました。

第Ⅳ章はエジプトをスキャンする。最新技術でミイラの謎に迫ります。

 

ミイラは発掘後、その多くが巻きつけられている包帯(麻布)をはがして調査が行われました。

ライデン国立古代博物館では、将来的な科学技術の発展を見越して、ミイラをそのままの状態で保存していました。

その中の3体のミイラを、今回の展覧会のために、最新型のCTでスキャン。その解析動画とともに、導き出された調査結果が、今回初めて公開されています。

 

何とミイラの中に人形の姿が!!

ネコにマングース、動物もいっぱい!

古代エジプトの宗教は多神教でした。いろいろな種類の力をもつ神々がいて、人々は自然の動きと原理の化身としての神々を崇拝していました。(日本の神道、八百万の神と通じるものがあります。)その姿は、動物や、翼や角など動物の特徴を持った姿で、表されました。

 

そんな神様の姿を模した像の中に「猫」発見!とてもやさしい表情に見えます。

 

「猫」といえば「パテスト神」猫の頭を持つ擬人化された女神さまです。そのパテスト神信仰を受け、オスの猫は「太陽の神」、メスの猫は「月の神」として奉られ古代エジプトでの「猫の地位」は大変に高かったとのことです。

 

そして、「イクニューモン(エジプトマングース)」の愛らしい姿も

二本足で立ちあがり、前足をちょこんと前に出した状態、太陽神へ拝礼している姿ではないかと考えられています。

マングースはヘビやネズミを退治してくれるので、感謝し尊敬されていました。鳥の巣の卵やヒナを狙うという特徴を生かし、狩猟のパートナーでもあったそうです。

こどものための鑑賞ガイドと音声ガイド

展示品をじっくりと見て回るだけではもったいない!

会場内で是非手に取ってほしいのが「こどものための鑑賞ガイド」注目ポイントをわかりやすく解説してくれています。

音声ガイドのナビゲーターは西島秀俊さん。(エジプトを2度訪れ、ツタンカーメン王の墓内に入ったこともあるそうです。)ポイントポイントで出されるクイズもなかなかのモノ(甲斐は全問正解とはなりませんでした、なかなか手強い!)

 

さらに!注目して欲しいのが図録!

古代エジプトでは棺の材料となる木材は大変貴重なものでした。棺のほとんどが木材を継ぎ合わせて作られています。が、表面をコーティングするとその継ぎ目の様子を見ることはできません。

図録には、その木棺研究や古代エジプト美術を理解するための解説文も掲載されています。読みごたえも十分です!

新しい試みが詰まったこれまでにない「古代エジプト展」

ミイラの棺の立体展示、CTスキャンによるミイラの解析動画と研究結果など新しい試み満載の展覧会。

もちろん、古代エジプトの美しい装飾品や、神々の姿をかたどった像と、古代エジプトの魅力にどっぷりとつかることができます。コロナ対策を万全に、是非、足をお運びください。

「ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展」は2022年2月27日まで開催

「ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展」

兵庫県立美術館

会期

2021年11月20日(土)~2022年2月27日(日)

休館日

月曜日(1月10日(月) 開館、翌11日(火)休館)

および12月31日(金)、1月1日(日)

開館時間

午前10時~午後6時

入館は閉館30分前

 

ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展【神戸展】公式サイト

 

文/チアフルライター 甲斐千代子

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