マンションの一角に、素晴らしい銅版画のアトリエが!
こんにちは。
絵を描くことか大好きなチアフルライターのchicaです。
今回はずっとやってみたいと願っていた「銅版画」の体験をしに「ちとせ工房」さんに行ってきました。
今津駅から歩いて5分ほど。住宅街にあるシンプルなマンションの一室に工房があります。中に入ると、どとーんと大きなプレス機と、ツンと鼻をつく塗料の匂い、そして満面の笑みで作家の中村ちとせさんが迎えてくれます。
銅版画って何? 600年前から変わらぬ版画技法
版画というと、彫刻刀で木を彫ってその残った部分にインクを乗せて刷る凸版の手法がすぐに思い浮かびますが「銅版画」はそのまったく逆の仕組みで、銅版に溝を作り、インクをその溝に入れて紙に写しとる(=刷る)凹版の手法です。
私が今回体験したエッチングと呼ばれる技法は、グランドや腐食液という専門的な塗料を使います。
15世紀にドイツやオランダから始まったこの技法は600年前から変わっていないので、脈々と受け継がれてきたこの技法を現代でも経験できるのはとても貴重です。
銅版に膜を塗り、その膜をニードルで削って絵を描いていく
私が今回体験したハードグランドエッチングという技法は、まずは銅版に真っ黒のグランドと呼ばれる腐食膜を塗り、火であぶって定着させて、銅版に薄い膜を作ります。
その銅版に下絵を転写させ、グランドを削って絵を描いていきます。
ニードルと呼ばれる細い針のような道具を使って描けるのがエッチングの最大の魅力で、細かな線の表現ができることで、奥行きのある繊細な作品が仕上がります。
私はあらかじめ下絵を持ってきていたシカの絵を描くことにしました。
さほど力を入れなくてもニードルで削って繊細でやわらかな線ができ、削るたびにきらきらとした銅版が見えて、とてもテンションがあがる楽しい作業です。
銅版を腐食させる
そして、削り終わった銅版を30分ほど腐食液に浸して腐食させたあと、グランドをきれいに落とし、紙に刷るためのインクを塗り込んでいきます。
いよいよ刷り
版ができたらいよいよ試し刷りです。
銅版の細い溝に詰まったインクを紙に写しとるためには、相当な圧をかけないとインクはのりません。
そのためには銅版画の命と言っても過言ではない、プレス機が必要です。
ちなみにこの巨大なプレス機は
450kg!
ここの工房は3階なので、このプレス機の搬入はとても大変だったとのこと。
大きめの作品が刷れる、こんな巨大なプレス機があることも、ここに通う大きなメリットです。
ついに出来た! 初めてのソフトグランドエッチング
大きなプレス機に紙と銅版を置き、カラカラと船の操縦ハンドルのようなローラーをまわすと出てきた出てきた…
初めてのエッチングの作品!
この刷り上がりの瞬間がたまらなくうれしいです。
銅版画は材料や道具、設備などがいるためなかなか初心者には始めにくいですが、ここ「ちとせ工房」はもちろん全ての道具が揃っており、優しく気さくな中村ちとせさんが手取り足取り銅版画を教えてくださいます。
私はこの体験で奥深い銅版画の世界にすっかり魅了され、早くも2回目の予約をしてしまいました笑
いつか憧れの銅版画をやってみたかった…
年賀状を自分で刷ってみたいな…
制作環境をつくりたい…
そんな人にもぴったりの、関西では数少ない銅版画の工房はとても貴重です。こじんまりした空間で少人数で制作をしているので、ぜひ予約をとって、銅版画の体験に行ってみてください。
時間を忘れて制作に没頭できるはずです。
ちとせ工房 銅版画教室
西宮市津門綾羽町6-48-301
http://bcbweb.bai.ne.jp/chitose/atelier.html
文/チアフルライター chica
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