沿線お役立ちコラム

「時間栄養学」を意識した食生活を!

時間栄養学とは

みなさんは時間栄養学という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。

 

私たちは地球の自転の周期である1日24時間という決まった時間軸で生活をしていますが、からだの中には目には見えない体内時計が存在します。体内時計には、視床下部の視交叉上核にある主時計と、臓器にある末梢時計があります。

 

この体内時計は1サイクル約25時間といわれており、この差を1日ごとにリセットして24時間のリズムに戻してあげなければ、体内時計はどんどんずれていき、からだの様々な不調の原因となります。

 

時間栄養学はこの体内時計と食事との関係性を研究した学問であり、「何を」「どれだけ」食べるのかに加えて「いつ」食べるのかということを重視しています。

体内時計リセットする方法

前述したように、健康的な食生活を送る上で体内時計を24時間のリズムにうまくリセットする必要があります。

 

体内時計のうち、主時計はからだの外からの「光の刺激」によってリセットされます。つまり朝起きて朝日を浴びることです。

 

一方、末梢時計はからだの内からの「食事の刺激」によって、つまり朝食を食べることによってリセットされます。また、動物実験では末梢時計をリセットするためには糖質の摂取が有効である、しかし糖質のみの食事では正確に末梢時計をリセットできず、たんぱく質も組み合わせて摂ることによって正確にリセットできるということが明らかになっています。つまり、ごはんやパンといった主食だけではなく肉や魚、乳製品といったおかずを組み合わせて摂ることが大切なのです。

 

また、この2つの時計をほぼ同時にリセットすることが重要です。朝日を浴びても朝食を食べない、あるいは朝食が昼近くになってしまう、となるとうまくリセットできません。

さらに、朝食のリセット効果を引き出すためには十分な絶食時間が必要です。前日の夕食から10時間以上空けるようにしましょう。仕事でどうしても夕食が遅くなってしまうという場合は、夕方ごろにおにぎりなど主食を先に摂取し、帰宅後は豆腐や野菜のおかず、スープなど血糖値のあげにくいもので軽く済ませるとよいでしょう。

 

 ポイント1 ☑朝日を浴びる

 ポイント2 ☑朝食を食べる

 ポイント3 ☑朝食は糖質とたんぱく質を組み合わせる

 ポイント4 ☑夕飯~朝食は10時間以上空ける

 

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、在宅勤務や時差出勤となった方も多いかと思います。そんな方は、食事の時間や内容、回数といった食生活にも影響があったのでは?

 
「最近、何となくからだの調子が悪いなあ」と感じている方は、時間栄養学を意識した食生活を実践してみてはいかがでしょうか。

体内時計をリセット!朝食におすすめのレシピ

~鯖カレーサンド~

 

材料(1人分)

パン 薄切り2枚

鯖 1切れ

トマト 1/2個

人参 1/3本 

玉ねぎ 1/6個

レタス 2~3枚

オリーブ油 小さじ1/4

【A】 
 パセリ 少々

 塩・こしょう 少々

 酢 大さじ1/2

【B】 
 オリーブ油 小さじ1/2

 はちみつ 少々

 塩・こしょう 少々

【C】
 小麦粉 小さじ1

 カレー粉 小さじ1/4

 塩・こしょう 少々

 オリーブ油 適量

 

 

作り方

  1. トマトは1㎝程度の角切り、人参は千切り、玉ねぎは薄くスライス、パセリはみじん切りにする。
  2. 1のトマトと【A】を、また、1の人参と【B】をそれぞれ和える。
  3. 鯖に、【C】を混ぜたものをまぶす。
  4. フライパンにオリーブ油を敷き、温める。3を入れ、中火で両面にこんがりと焼き目がつき中に火が通るまで焼く。
  5. パンにレタス、玉ねぎ、2のトマトと人参、4の鯖をはさみ完成~♪

 

<参考>

・香川靖雄他「時間栄養学 時計遺伝子と食事のリズム」女子栄養大学出版部

・「臨床栄養」2020年3月号 第136巻・第3号 医歯薬出版株式会社

・林原知識ライブラリー「第5回 体内時計の話」
    https://www.food.hayashibara.co.jp/library/5/