沿線お役立ちコラム

兵庫県コロナまとめサイトに1日1万アクセス 高校生ら有志50人以上が協力して制作

兵庫県下の新型コロナウイルス感染者状況をグラフで分かりやすく伝えるサイト

こんにちは。野球観戦が待ち遠しい、タイガース好きのチアフルライターティセです。

緊急事態宣言が解除になって少しずつ日常を取り戻しつつありますね。

 

今回は、阪神沿線の社長さんの呼びかけで実現した社会貢献プロジェクトを紹介します。「兵庫県下の新型コロナウイルス感染者の正確な情報をわかりやすくそして、早く伝えたい!」という思いから有志らが集まって3月15日にスタートした「兵庫県 新型コロナウイルスまとめサイト」です。

 

東京都が3月6日に公開したオープンソースサイト“東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト”を皮切りに、新型コロナウイルス感染症の公式データをわかりやすくグラフ化するサイトの立ち上げが、東京都からのれん分けし、国内外67都市に広まりました(5月27日現在)。

(出展:StopCovid19全国版 https://stopcovid19.code4japan.org/

台湾のデジタル大臣オードリー・タンさんが関わったことでも、ニュースにもなりましたね。

東京都のサイトに触発され、兵庫県版のプロジェクト責任者の大山雄輝さんもその一人。開発に関わった方々はどんな思いで作ったのでしょうか?

 

このサイトの立ち上げたITエンジニアや、翻訳に関わった方々に、当サイトの中の人にお話を聞きました。

(私もこのプロジェクトに参加したので、仲間の思いをお伝えします!)

正確な情報を伝えなければ! 兵庫県下の同じ思いを持つ仲間が集結

「 “誰が使っても良いライセンス方式”で、東京都がサイトを無償公開したことに感銘を受けた」と、このサイトを作った経緯を語る大山さん。自身も、アプリ開発の株式会社RALLY(神戸市中央区江戸町)の経営者、システム開発は得意中の得意で、ハードルは高く無かったんだそう。兵庫県民の為に自分ができることをやろうと決断。県から毎日公表されるオープンデータの感染者数を、表やグラフを使い誰でも一目で理解できるように、わかりやすく伝えるプロジェクトを単独で立ち上げたのでした。

 

インターネット上で協力者を募ったところ、兵庫県版の立ち上げを知った、業界のプロや学生らが続々と名乗りを上げていきます。

ボランティアで開発するサイトにも関わらず、「少しでも兵庫県民の為に貢献できるのなら!」と、有志らの力で驚く早さで構築されていきました。

知らない者同士ネット上で開発 立ち上げ準備4日間、平均アクセス1日1万PVに成長

写真はソフトウエア開発のプラットフォーム「GitHub」を使って進められたプロジェクト進行の様子

 

サイトの立ち上げは東京都版をベースに構築、猛スピードで取り組み、実質4日の準備期間を経て3月15日に公開しました。すると、「新型コロナウイルスをなんとかしたい!」と思う、兵庫県にゆかりのある有志がさらに集まり仲間に加わりました。

 

日頃から情報交換がインターネット上で完結することが多いIT業界。このプロジェクト参加に事前顔合わせや面接といった類のものは無く、お互いの顔や性格を知らない同士が作ったというのだから、驚きですね!

 

プロジェクトの進行に年齢や住んでいる場所などは関係なくスキル重視なので、結果的に秀でたスキルの人が参画することになっていったそうです。

 

あれよあれよという間に、立ち上げから1ヶ月が経ち、気がつけば、プロジェクトに関わる人は50人を超え、1日の訪問者数も約1万PVに成長。まるでラーメン屋がのれん分けし、独自のメニューで進化するように、東京都版から独立した兵庫県版も、着々と独自に開発を進めていきました。

 

当初サイトは日本語だけでしたが、兵庫県に住む外国人の方々が理解できるよう、多言語対応にも着手。ゴールデンウィーク前にサイト上で、翻訳家を募集したところ、サイトを見た人が手を差し伸べてくれたのでした。驚く速さで翻訳が進み約10日間で、多言語対応が完成。英語、繁体中国語、簡体中国語、韓国語、さらに、ひらがなとわかりやすい言葉で表示する「やさしい日本語」でも公開ができました!

学生、エンジニア、翻訳家、公務員、広報、ライターなど同じ思いを持つ多様なメンバー

というわけで、このサイトに関わったメンバーに直接インタビューをしてみました!

 

いち早く参加表明した芦田裕飛さんは高校1年(当時)、独学で覚えたプログラミング言語で「誰も立ち上げていなければ、自分でサイトを作り兵庫県民に貢献したい!」と思っていたんだそう。今ではメインでこのサイトの運営を任されています。大山さん曰く、「いつでもプロとして仕事が任せられる」とお墨付き。このプロジェクトがきっかけで他都市からも引き合いがあり様々な案件にも関わっています。

 

野崎智弘さんは高校2年(当時)、訪れたアメリカで、ロックダウンや感染爆発を目の当たりにし、「日本もすぐにこうなる、何とかしなければ」という危機感があったといいます。ちょうどそのタイミングで大山さんからの誘いがあり、即決で参加。彼も独学で覚えたプログラミング言語を駆使し、サイトの運営をしています。

 

岸本理央さんは、情報系を専攻する大学生。ネット上のGitHubというソフトウエア開発ツールを通じて、このプロジェクトを知り参加。得意分野であるソフトウエア開発で、自分のできることで貢献したかったというのが参加のきっかけ。「いろいろな人の役に立っていることが、何よりもやりがいに感じている」という。

 

翻訳家として参加した、呂冠漢さんは、台湾出身で普段は外資系製薬会社で働く会社員。サイトで翻訳家募集を見た家族のすすめでこのプロジェクトに参加したそう。翻訳は、台湾、香港で使われる繁体字中国語と、中国本土で使われる簡体字中国語を担当し、メンバーが驚くほどあっという間に翻訳を完成させてしまいました。

 

小阪真吾さんは、神戸市で働く公務員。「新型コロナウイルス感染を抑制する為に、自分に何かできることはないのか?できることはやってみよう!」という思いで週末をメインに参加。「いろんな年代や職業の方と一つの目標に向かって進むプロジェクトに携わったことで、コミュニティの運営方法やプロジェクトのまとめ方など結果的に自分自身が学び成長した」と語りました。

 

発起人の大山さんは、「こんなにも秀でた10代の学生や、各分野でのプロフェッショナルな人たちと一緒に関われていることが非常に珍しく、うれしいことだ」とIT業界17年の中でもまれな経験だったと振り返る。「独学で学び、高いスキルを持つ学生が多いことにただただ驚き、衝撃だった」と、このプロジェクトを通して知り合うことができた喜びを語りました。

 

3月から始まった、テレワークや学校休校、自宅待機で外出できない環境であったことが、このプロジェクトを劇的なスピードで進めることができたんだそう。「stay home」が結果的に、プロジェクトの貢献に繋がったんですね。

誰もアクセスしなくなることがゴール 外国人の方にも利用してもらえれば

写真は「多言語対応選択メニュー」の中から「やさしいにほんご」を選択した際の表示

新型コロナウイルスの感染拡大前からいち早く立ち上げ、1日の最大アクセス数は29,839PVと3万近い数字を記録。「日本人だけでなく、県下の外国人の方にもこのサイトを見ることで安心してもらいたい」との呼びかけたところ、多くの人の理解と助けに恵まれ、多言語化にも対応できました。

 

非常事態宣言が解除され、新たな感染者が減少する今、少しずつサイトへのアクセス数も減り始めています。最終的な目標をたずねたところ、「誰もアクセスしなくなることがゴール」と答える大山さん。新型コロナウイルスに感染する人がいなくなり、誰もこのサイトに興味を示さなくなれば、このサイトは役目を終えます。

 

せっかくみんなで作ったサイトの役目が終わるのは寂しい気がしないでもないですが、それ以上に1日も早く、このサイトが必要とされなくなる日がくること望みます。

サイト詳細

「兵庫県 新型コロナウイルスまとめサイト」

https://stop-covid19-hyogo.org/

対応言語(5月27日現在):

 ・日本語

 ・英語

 ・中国語(繁体字/簡体字)

 ・韓国語

 ・やさしい日本語

 

文/チアフルライター ティセ

→ ティセの過去の記事はこちら

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