まるで世界を回っているような気分!? 「JICA関西食堂」へ行ってみよう
こんにちは。旅行と食べることが大好きな、チアフルライターの國松珠実です。
今回は一風変わったメニューをいただくことができる、「食堂」をご紹介します。
それは阪神岩屋駅から南へ徒歩10分ほどのところにある、「独立行政法人国際協力機構JICA(ジャイカ)関西」の1階、「JICAプラザ関西」の一角にあります。
JICAプラザ関西は、誰でも無料で入ることができますよ。
道路に面した建物の北側入口から一歩入ると、カラフルな色使いの服や民族衣装をまとう、さまざまな国の人たちが行き交います。
国際色豊かなロビーを抜けた奥にあるのが、目的の「JICA関西食堂」です。
私たち一般人も利用できる「JICA関西食堂」とは?
こちらは、来日したJICAの研修生や職員に向けた食堂としてスタートしたのですが、今は私たち一般人も自由に利用できるんです。
店内は南からの光で明るく、テーブル席が115席にテラス席が44席と広々していて、「食堂」というよりも洋食中心のレストランというイメージです。
メニューは人気の月替わりエスニック料理をはじめ、週替わりメニューや、きつねうどん、カレーライスなど、毎日通っても飽きのこないメニューが充実しています。
なによりびっくりするのは、大変リーズナブルな価格だということ。
ほとんどのメニューが、500円~700円台です。
メニューは、JICA関西食堂のホームページでも紹介されているので、あらかじめチェックすることもできますよ。
インターナショナルなメニューがずらり! おすすめは?
入口には、写真とそのメニュー名が日本語と英語で併記され、内容の説明とカロリー数が書かれています。
辛いメニューには唐辛子のイラストが添えられており、イスラム教徒が安心して食べられるようにハラルメニューの表示もあります。
もし迷ったら、800キロカロリー以下のベジタリアンメニューを頼んでみましょう。
1食につき20円の寄付がTFT(Table for Two)という特定非営利活動法人を通じて、開発途上国の子どもたちの学校給食になります。
食べて国際協力ができるなんて、うれしいですよね。
迷ったあげく、「10月のエスニック料理」であるサモア料理を注文してみました!
決まったら、メニューの写真左上にある番号と同じ数字の書かれた札を取って、レジへ持って行って支払います。
毎月国が変わる! エスニック料理ってどんなメニュー?
こちらが10月のエスニック料理、サモアのお料理です。
飲み物もついて、これで740円(税込)!
手前の大きな皿は「Sua I’a(スアイッア)」と呼ばれる、魚のココナッツミルク煮。
ココナッツミルクの甘い香りが鼻をくすぐり、あっさりした白身魚と相性抜群です。
右上は「Sapasui(サパスイ)」という、春雨にちょっと独特の醤油で味付けしたお料理、右下は「Pani keke(パニケケ)」というシナモン入りのほんのり甘い、揚げドーナツです。
左上にはライスと、「Taro(タロ)」といって、サモアをはじめとするポリネシアや南太平洋の島々でよく食べられている、タロイモが並んでいます。
実はこちらは本物のタロイモではなく、同じサトイモ科で日本のスーパーでもよく見かける里芋を使っています。
マッシュされ、JICA関西風にアレンジされたこちらは、隣のお皿のココナッツミルクをかけながら食べるのがオススメです!
このように、日本国内で手に入りにくかったり、高価だったりする食材の場合は、できるだけ近い食材を使うなどして工夫されています。
全体的に淡白でヘルシーなお料理ですが、サモア人って大柄な方が多い印象がありますよね。
現地を知る職員さんによれば、量をたくさん食べる人が多いのだとか。
食堂内には、そんな情報が盛りだくさんの掲示物もあるので、ぜひ探してみてくださいね。
シェフに聞く! エスニック料理のメニューを決めるのは大変?
この月替わりのエスニック料理は、「食べることから始める国際協力」として、2007年からメニューに取り入れているそう。
取り上げる国は、日本との国交樹立記念日や独立記念日、また今回のラグビーワールドカップのようなイベントや、ロビー展などに合わせて設定されます。
具体的なメニュー内容を決めるのはシェフの仕事。
書籍や文献、その国に派遣されたことのあるスタッフの意見、ネット情報などあらゆる資料を参考に決めていきます。
いよいよメニューとして出す前月の半ば頃に、その国に滞在したことのあるJICAスタッフや、その国からの研修生がいればその人たちも交えた試食会を行います。
できるだけ本物に近い味を提供するために行う試食会ですが、時には「あの国にこんなメニューはないよ」と言われることも。
「国って広いですよね?だから地方ごとに食文化もかなり異なります。そこが難しいです」とシェフ。
今まで76カ国もの国のメニューを提供してきたというJICA関西食堂の、現在のシェフは2代目です。
「初代のシェフは船乗り。船の上の料理人として世界各国をまわり、さまざまな国の料理を口にしたそうです。僕には世界をまわった経験はないけれども、少しでも近づけるように腕を磨いてがんばっています!」。
ちなみに、11月はケニアだそうですよ!
どんなお料理が出るのかは、11月にJICA関西食堂に行ってみてのお楽しみですね。
生き生き働くJICA関西食堂のスタッフさん
お話を伺ったシェフの代わりに、この日レジを担当されていた、元気いっぱいな笑顔のスタッフさんをパチリ!
海外からの研修生が訪れるこの食堂は、なにかハプニングが起こった時のために、レジを任されるのは英語の堪能なスタッフさんだそう。
「私はそんなに話せません」という彼女も、いざ研修生が来ると英語でテキパキ対応されていました。
「この食堂は、平日の昼だとJICA職員や周辺のサラリーマンが多い。でも週末は家族連れ、ディナータイムは海外の研修生が多いんです。時間帯や曜日によって、客層がガラリと変わっておもしろいですよ」とスタッフさん。
レジの後ろの壁に貼られているのは、各国の紙幣です。
海外からの研修生が、自分の国の紙幣がないと「ぜひこれも貼って!」と、置いていってくれるのだそうです。
JICA関西の広報展示室に行ってみよう
1階北側にあるのが「広報展示室」で、無料です。
ここではJICAが取り組んでいる、発展途上国を中心としたいろいろな問題を、パネルなどを使って分かりやすく展示しています。
現在は「ファッションを通して見る世界展」が開催中。
2019年12月9日までで、展示テーマは定期的に変わります。
さらに、海外からの研修生が持ってきてくれたその国の民族衣装や、太鼓などの楽器も、資料として所狭しと飾られています。
実際に鳴らすことのできる楽器のうち、木琴を叩いてみたら深く響くエキゾチックな音が気持ちよかったです。
資料室も無料で利用できます
同じく1階北側にある「資料室」には、国際協力や開発教育に関する資料がたくさん!
防災や開発教育、ボランティアに関する資料も充実しています。
子ども向けの書籍もあるので、興味を持ったお子さんを連れてきても良いかも知れませんね。
ただし貸し出しはしていないので、読む時は資料室内でお願いします。
現在、こちらで俳優の斎藤工さんの写真展もひらかれています。
斎藤さんは、数年前から海外のボランティア活動に参加してこられたそうで、写真は作業の様子や、現地の子どもと触れ合う様子をとらえたものです。
私は斎藤さんのように現地での活動はできませんが、JICA関西食堂でおいしく食べることで途上国に関心を持ち、TFTメニューを注文して応援をすることならできます。
食堂では、海外からの研修生の皆さんと簡単なコミュニケーションを楽しむことができるかも知れませんね。
他のレストランとはひと味違う、国際色あふれたJICA関西食堂に、皆さんもぜひ足を運んでみてください。
店舗情報
・住所:神戸市中央区脇浜海岸通1-5-2
・電話:078-261-0341(JICA関西・代表)
・営業時間:
11:30~14:00
17:30~21:00
(ラストオーダーはそれぞれ30分前まで)
・定休日:年中無休
(ただし年末年始を除く)
文/チアフルライター 國松珠実
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