まずは、ちょっとハンドベルのお話
こんにちは。チアフルライターのemiです。
やっと遅い梅雨明け宣言がされて、夏とはわかっちゃいるけれど、毎日が暑すぎますね。
少し前までは梅雨というのに雨も少ししか降らず、異常に湿度が高い、ジットリ蒸し暑いだけの毎日だったような気がします。
そんな中、ハンドベルの音色に涼を求めて、7月20日にうはらホール(東灘区民ホール)で行われた『ベルリンガーズLene ハンドベルコンサート』に行ってきました。
ハンドベルと聞くと、クリスマスに教会で讃美歌と一緒に鳴らす、あれの事?と思われた方も多いのではないでしょうか。
そう、あのベルで様々な楽曲を奏でるコンサートなんですよ。
ベルで???という方のために、ここで、ちょっとベルのお話。
このハンドベルは、400年前、イギリスの教会の塔の鐘を鳴らす練習用として作られました。
その後アメリカに渡り、時を経て、今のように幅広いジャンルの曲を演奏するようになったそうです。
材質は、最も美しい音色を奏でる、銅8:錫(すず)2の割合の合金で作られています。
ハンドベルは、1つで1つの音しか出せませんから、種類も、250gほどの手のひらサイズのものから、大きいものでは8kgのバケツサイズまで。
驚!
8kgって、どうやって鳴らすんだろう???
そもそも、持ち上がるのかなぁ?
因みに今回のコンサートでは、手のひらサイズから最大4kg、5オクターブ 60個余りのベルが使われています。
4kgでも振るとなると、かなりの重さですよね。
そして、要はその変化のある奏法。
振ることはもちろんのこと、木琴用のマレットでたたいたりと10種類以上の様々な奏法を駆使して、演奏されるのです。
今回のコンサートでは、どんな奏法で各々の楽曲が奏でられるのか、それも楽しみのひとつです。
美しい音色を奏でるベルリンガーさん達は、大変な重労働!
さぁ、いよいよコンサートの始まりです!
第一部は、ハンドベルのために作られた、涼やかなベルらしいオープニングと、喜びを表現した軽快なオリジナル曲が2曲。
誰もが知っている、思わず手拍子をうってしまいそうな楽しい曲を織り交ぜての演奏です。
ディズニー映画「眠れる森の美女」の「いつか夢で」では、優雅なワルツから、終盤一転して華やかなメロディを奏でながら、いくつものベルを巧みに持ち替えて、時には2つのベルを鳴らし、大忙しで動きまわっての演奏に、思わずホォーっとため息がでてしまいました。
ベルリンガーって、頭も身体もフル回転しないと、できないんですねぇ。
凄い!
さて第一部の中で、私のお気に入りの曲のひとつが、「ガブリエル オーボエ」
イギリス映画「ミッション」の中で、オーボエで演奏されました。
流れるような旋律が、ベルの音色とマッチしていて、しっとりと心が洗われるような、やさしく暖かなイメージの曲です。
そして、もうひとつが「ダンスマカーブル」 死の舞踏。
題名を聞くと不気味なんですが、深夜に骸骨たちが踊り出し、夜明けとともに大慌てで、お墓に戻っていく様が、コミカルに盛り込まれています。
踊っている骸骨たちの骨がカチャカチャと鳴る音は、木琴用のマレットで高低のベルをたたくことで表現されているのですが、聞いていると、そのユーモラスな踊りが目に浮かんで、ふふふと笑えてきます。
最近TVで放映された、葉加瀬太郎のコンサートの中で、古澤巌が奇しくもヴァイオリンでこの曲を弾かれていました。
同時期に全く違う楽器で同じ曲を鑑賞できるって、私ってなんてラッキー!!
多彩なジャンルを懐かしい昭和の曲で
第二部は、老若男女が一度は耳にしたことがあるのでは?と思う、ジャンルの違う昭和レトロな4曲が選曲されています。
1曲目のABBAの「ダンシングクイーン」は、40年も前に作られたなんて、驚いてしまいますね。
この元気なエールを送る曲もハンドベルで演奏されると優しさがプラスされて、今までにない「ダンシングクイーン」に遭遇することができました。
2曲目は、sway「キェン・セラ」
耳慣れたラテン音楽なんですが、意外にもベルの軽やかさとピッタリとあっていて、とっても自然。
3曲目の「テネシーワルツ」は、クワイアチャイムというアルミニウム製の比較的新しい楽器が低音に採用されていて、優しく響く、深みのある美しい音色で、テネシーワルツの切なさがジーンと伝わってくるようです。
そして4曲目のチャップリンが作曲した「ライムライト」
映画は見たことがないのですが、この曲を知らない人はないのでは無いかと思うぐらい有名ですよね。
ベルの柔らかい響きに載って、ゆったりと流れていくような素敵な演奏でした。
プログラムの最後を締めくくるのは、「動物の謝肉祭」です。
クワイアチャイムのみで演奏された、ひときわ美しさがきわだった「白鳥」
低音のクワイアチャイムが奏でるメロディで表された、のそのそ感と、ベルの内側をマレットで打ち鳴らすことで、必死な思いを表した掛合いが楽しい「かめ」
ベルが細かく連続して鳴り響く演奏は、水の中を泳ぎまわる魚たちを彷彿とさせる「水族館」
終曲は、動物たちが総出になる様子が伝わってくるような、テンポのある華やかなエンディングが奏でられました。
聞いても、見ても楽しいハンドベルコンサート!
『ベルリンガーズLene』のリーダーで、指揮者の米澤さんに少しお話を聞かせていただきました。
1992年に立ち上げをされて、現在12名のリンガーが参加されています。
活動は、幼稚園や老人ホームなどのボランティアや企業・団体からの依頼にも応じられていて、コンサートは不定期に開催されているそうですが、毎回コンサート前には1泊の合宿で夜まで練習されているそうです。
なかなか、厳しいですねぇ。
またハンドベルの楽譜自体はピアノの楽譜と変わりませんが、ベルの演奏用に編曲されています。
そして意外なことですが、スローな曲だと音が伸びないので難しく、ある程度テンポがある曲の方が演奏しやすいとか。
最後に、ハンドベルの魅力をうかがうと「同じ楽器を多人数で演奏するために、みんなが気持ちを合わせ心を一つにして取り組む奥の深さと、揃った時の楽しさです」と答えてくださいました。
今回『ベルリンガーズLene ハンドベルコンサート』に行くにあたって、にわか勉強をしたおかげで、リンガーの動きや奏法を見るなど、演奏を聴くだけではない楽しさを味わうことができました。
本当に、ハンドベルって奥が深いですね。
皆さんも機会があれば、ぜひハンドベルコンサートに行ってみてくださいね。
行く前には、にわか勉強もお忘れなく!!
文/チアフルライター emi
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