特別展「印象派からその先へ」 兵庫県立美術館で開催中
こんにちは!美術館・博物館担当、チアフルライターの甲斐千代子です。
山形県発祥の建材メーカー吉野石膏が所有する「吉野石膏コレクション」
1970年代から収集を始め、今では近代日本画とフランス近代絵画の分野で日本有数の質と量を誇ります。
今回ご紹介する特別展「印象派からその先へ―」には、印象派を中心に19世紀から20世紀の28作家72点の作品が並びます。
モネ、シスレー、ルノワールにドガ、セザンヌにゴッホ、さらにはマティス、ピカソにシャガールまで!
こんなすてきな作品たちが山形にいたなんて!
しかも神戸でみられるなんて!
行かなきゃ損しちゃうかも!
印象派を通して近代フランス絵画の流れを感じる
19世紀初めまでの西洋美術は、アトリエで丁寧に仕上げられる歴史画や宗教画、理想の景色や世界を描いた作品が価値が高いとされていました。
それに対して生まれたのがバルビゾン派。
自然の現象に目を向けて、小さなキャンバスを屋外に持ち出して、実際の風景を描きました。
やがて明るい色調でパリの町や人々を描く画家たちが現れます。
印象派です。
絵具を原色のまま、素早い筆づかいでキャンバスに重ねる技法で、空間と時間による光や色の変化を表現しました。
第1章と2章では、印象派の誕生による新しい流れ、さらに、変化していく19世紀から20世紀の西洋絵画の流れを追っていきます。
一方で、パリでは異国出身の画家たちが活躍していました。
ローランサンやキスリング、シャガールなど「エコール・ド・パリ」と呼ばれた彼らは、それぞれ独自の作風を確立しました。
第3章では、彼らの異国情緒あふれる個性的な作品が並びます。
貴重なパステル画4作品も登場!
メアリー・カサット
≪マリー=ルイーズ・デュラン=リュエルの肖像≫
1911年 パステル/紙
パステル絵具は糊で画面に接着されていないので、扱い方によっては絵具がパラパラと剥がれ落ちてしまう危険性があるそうです。
繊細で扱いが難しいパステル画。
所有者(所蔵館・個人所有者など)はなかなか外には出してくれないそうなのですが、今回はなんと4点も並んでいます。
ぜひ見てほしい!という気持ちが伝わってきます。
作品保護のためライトも暗めに設定されていますが作品の魅力は変わりません。
パステル画と油彩画との違いも感じてみてください。
印象派の作品の楽しみ方
印象派の表現手法は、近くで見ると点や線の集まり、離れて見ると人物や風景がやわらかい光の中に浮かび上がります。
遠近二つの視点で鑑賞してみてください。
離れて見るときは、正面からだけでなく左右に動いて作品の表情を堪能してください。
その際は周囲の人への配慮をお忘れなく。
そして、近づきすぎにはくれぐれもお気を付けください。
音声ガイドとグッズ
作品を楽しむサポートしてくれるのが音声ガイド、声優の梅原裕一郎さんが担当しています。
アニメ「銀河英雄伝説 Die Neue These」でジークフリード・キルヒアイスを演じたあの人です!
さらに詳しく作品について知りたい!と思ったら、図録がおすすめ。
「展覧会がそのまま家にやってくる!」
展覧会概要
特別展「印象派からその先へ―世界に誇る吉野石膏コレクション」
会期:6月1日(土)~7月21日(日)
休館日:月曜日(ただし7月15日(月・祝)は開館、翌7月16日(火)休館
開館時間:午前10時~午後6時(金・土曜日は午後8時まで)
https://www.artm.pref.hyogo.jp/exhibition/t_1906/index.html
★学芸員による解説会(予定)
6月22日(土)、7月6日(土)、20日(土)
いずれも午後4時から(約60分)
場所:レクチャールーム(定員100名)聴講無料
★ミュージアム・ボランティアによる解説会
会期中の毎週日曜日午前11時から(約15分)
場所:レクチャールーム(定員100名)参加無料
晴れた日には初夏の光を感じる今日この頃、あなたは作品の中にどんな「光」を感じますか?
文/チアフルライター 甲斐千代子
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