地ソースとは、なんぞや?
チアフルライターのクニコ2000です。
ある夜、夫から「地ソースを調べてほしい」と依頼を受けました。
チアフル通信をナイトスクープと間違ってないか?そう思いながらも面白そうなので、調査を始めました。
そもそも地ソースって何だろう?
ネットで検索してみると、メジャーな会社で作られたソースではなく、それぞれの地域に馴染みのある比較的小さな会社が作っているソース…などとありました。
阪神沿線で調べてみると3社(大黒ソース、阪神ソース、タカラソース)あり、各社に取材に行きました。
【タカラソース】地ソースとの出会い 玄関の黒板に惹かれて
我が家と地ソースの出会いから話しましょう。
住吉(神戸)に住んでいた頃、夫がタカラソース(寶ソース食品株式会社)の前を通りかかったところ、ソース販売の黒板が目に入り、試しに『お好みソース』を買いました。
そのソースが我が家のお好み焼きにとても合い、それからお好み焼き用のソースがタカラソースになりました。
実際、会社玄関の看板を見つけて購入していくお客さんは多いようです、お店というより会社。
「本当にソースが買えるのですか?」と、恐る恐る中に入ってくる人もいるようです。
「神戸のお土産でタカラソースもらったのだけど、どこで買えるの?」関東のお客さんから問合せの電話が入ることも。
リピーターが多く、一度食べたらやめられないソースだと言えるかもしれません。
【タカラソース】お好み焼きや焼きそばに合うソースが多い
『お好みソース』が定番でよく売れているそうです。
我が家もずっとこちらを愛用しています。
甘さは控えめで、お好み焼きはもちろん、ハンバーグやかつフライにも合います。
昔から人気の『メリーとんかつソース』と中味は同じです。
『ウスターソース』は、またの名を「香味ソース」と言います。
薫り高いスパイシーな味が特長です。
ウスターソースは1週間寝かせるそうです。
さらに1週間寝かせてたまった沈殿物を詰めたのが、『たまりソース』です。
試しに購入してみましたが、かなり濃厚なソースでした。
パッケージに辛口とありましたが、辛党の私にはちょうどよい辛さです。
この『たまりソース』、私が作る野菜たっぷりの焼きそばによく合いました。
タカラソースは、めぐみの郷や神戸市内の道の駅などで販売しています。
業務時間内であれば、会社でも買えますよ。
住吉駅から北(山側)へ徒歩すぐです。
【大黒ソース】品数が多く業務用にオーダーメイドも対応
地ソースの会社は、業務用ソースを作っていることが多いそうです。
大黒ソース(株式会社大黒屋)も、業務用ソースの引き合いが多く、業務用ソースのオーダーメイドもしています。
新しく開店する串カツ屋さんやお好み屋さんから、「●●な味」や「〇〇のお店みたいな味」という依頼があるそうです。
ソースの味だけではなく、生地との相性も重要だそうです。
ソースの風味と生地との相性…、なんだか結婚と似ているような…。
果汁を扱っているので、ソースでだけでなく、酎ハイ用のシロップも作っています。
バリエーションも豊富なので、居酒屋さんやカラオケ店で好評のようです。
【大黒ソース】売れ筋の3品をお試し
売れ筋の3品をサンプルでいただきました。
[串かつソース]
大黒ソースのノウハウが詰まったソースとも言えます。
ソースに串かつをどっぷり漬けるので、普通のソースだと辛すぎます。
よってソースは塩分・香辛料を控えめに仕上げているそうです。
試しにソースを飲んでみました。
見た目は普通のソースと同じですが、かなり薄味です。
甘さも塩分も控えめなので、たっぷり漬けても大丈夫。
でも、二度漬けは禁止ですヨ!
[激辛スパイスソース]
唐辛子とコショウベースの辛口マニア向けに作った商品です。
本当に辛いです。
自宅でブレンド用に使っている方も多いそう。
子どもがいると、カレーは甘口になりますが、大人用のお皿に少し入れるだけで、大人用の辛口カレーに!
これは便利です。
[桃太郎トマトを使ったとんかつソース]
生食用の「桃太郎トマト」を使ったソースです。
ソースのトマトはペーストなどの加工用トマトを通常使うようですが、生のトマトをつぶして煮込むことで風味が出ます。
子ども向けに甘口に仕上げ、トマトが苦手な子どもが嫌がる匂いも消え好評だそうです。
こちらの3商品は、スーパーの棚によく見かけます。
【阪神ソース】ソースの味を極めたらシンプルなレシピに
写真は、阪神ソースの主力商品です。
どちらも200mlで500円ほどの価格。
ソースとしては高級品です。
こちらのセットをサンプルでいただきました。
こちらは社長さんが自分の挨拶用に作ったセットですが、現在は販売しています。
ソースの原料は、野菜や果実に香辛料、砂糖、塩、醸造酢です。
野菜や果実などの原料を減らして、この原料を他の安価なものに置き換えると利益がでますが、保存料などが必要になり、原材料の表示にいろいろなものが並ぶことに。
創業者の名前でもある『敬七郎』は、美味しさを追求した結果、シンプルなレシピになりました。
添加物はいっさい含まれていません。
明治30年当時のレシピを基本にして作られた、創業120周年記念ソースだそうです。
左の『サンライズソース in 1984』は、創業100年記念につくった製品。
原料はシンプルですが、ソースには珍しく熟成期間を置いています。
『敬七郎』は、シンプルな料理と相性がよいように思いました。
最も美味しいと思った組み合わせは、薄い出汁で煮たスペアリブ。
お肉の上に少し垂らしたら、上品な味に仕上がりました。
カレーの隠し味に少し入れると、洋食屋さんのカレーライスに変身。
ソースの奥深さを感じました。
【阪神ソース】ベンチャー精神が富んだ創業者
創業者は、日本で初めてソースを作った人物だと言われています。
医学や工業化学を学び、その後、渡英して英国の世界最古のソースメーカー『リー&ペリン』を研究したそうです。
そのせいか、敬七郎ソースは、少し薬草のような香りがしました。
体に良さそうな味がします。
上の写真は、創業者が販売用に作った女性向けのお酒の広告(いまでいう頒布会のチラシ)です。
100年前は、お酒は男性が飲むものというイメージがあったように思います。
その時代に女性にお酒、それもカクテルを勧めるなんて、斬新!
明治の半ば、洋食文化が盛んになると考え、ソースを研究し会社を立ち上げた創業者。
今を生きておられるなら、どんな商品を考えられるのでしょう?
阪神ソースは、神戸のデパートやイカリスーパーなどで購入できます。
家族でワイワイ試食会
家の冷蔵庫には、ソースがいっぱい入っています。
夕飯に串かつを買ってきたり、お好み焼きや焼きそばを作ったり。
隠し味を調べるのにカレーやコールスローサラダも作りました(写真)。
串:串かつソース(大黒)
桃:桃太郎トマトをつかったとんかつソース(大黒)
お好み:お好みソース(タカラ)
たまり:たまりソース(タカラ)
敬:敬七郎ソース(阪神)
トマトが大好物の娘(小2)は、桃太郎のソースがお気に入りでした。
しかし、串かつには全員が串かつソース!
敬七郎ソースを入れると、お料理が洋食屋さんの味に!
カレー以外にもドレッシングや卵焼きの隠し味に使いました。
我が家の粉もんにはタカラソースが一番合う。
特に神戸っ子の夫が作るお好み焼きにはぴったりです。
毎夕毎夕、我が家の食卓では、「私は、コレがいい。いや、俺はコレ…」、ソースについて熱い議論を繰り広げています。
地酒談義では仲間に入れない小学生の娘も、地ソースではなまいきな批評家に。
これも食育!?
取材を依頼した夫は「家に串かつソースがあれば、二度漬けできる!」と、喜んでいました。
めでたしめでたし。
【ご参考】
株式会社大黒屋(大黒ソース):
http://www.kk-daikokuya.co.jp/
阪神ソース株式会社:
http://www.hanshinsauce.jp/
神戸宝ソース食品株式会社(タカラソース):https://kobetakara.wixsite.com/home
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(文/チアフルライター クニコ2000)