宇治茶の老舗、放香堂はコーヒーも!
こんにちは。お茶大好きチアフルライターの藤田由紀です。
お茶といえば京都?いえいえ、そんなことはありません。
神戸・元町にある「放香堂」は江戸時代から続く宇治茶の老舗。
「放香堂」という屋号をあの松平家からいただき、宇治茶の本場、京都の和束(わづか)町に自社の茶畑を持つほどの店ですが、おもしろいことに日本最古のコーヒー店として中学の教科書に掲載されているのです。
当時提供されていた石うす挽きコーヒーは、隣のカフェ「放香堂珈琲」で飲むことができます。
宇治茶とコーヒー、なんとも不思議な取り合わせ。
さて、この放香堂で最近じわじわと人気が出ているのが、レアな国産発酵茶。
はてさて発酵茶って?
国産発酵茶を飲んでみた!
写真左:深蒸し煎茶(延喜(えんぎ)鳳(ほう)明(めい))
写真右:国産発酵茶(花かおり)
「発酵茶」とは聞きなれない言葉。
発酵したお茶?なんだかすっぱそう…。
色は黄色がかってとてもきれいだけど。
ところが、試飲すると花の香りが!
味はまろやかで、煎茶のような苦みも、紅茶やペットボトルの烏龍茶みたいな渋みも感じられず、すうっと体にしみこむ感じ。
おいしいな、これ!
もちろんすっぱくもなく、今まで飲んだことがない味。
一体どういうこと?
放香堂の茶師、酢田恭行氏に聞いてみました。
発酵茶ってどんなお茶?
放香堂の茶師、酢田恭行氏(茶審査技術十段)
放香堂の茶師である酢田恭行氏はプロ中のプロ。
茶葉の鑑定で全国で13名しかいない全国茶審査技術十段という最高段位保持者です。
「『発酵茶』といっても、みそやしょうゆのように菌によって成分が変化しているわけではありません。茶葉自体が持つ酸化酵素を存分に働かせることで、成分を変化させたお茶のことです。茶業界では昔から『発酵茶』と呼んでいます。乳酸菌をつけて発酵させたものではないので、すっぱくはないですよね。菌をつけたお茶もありますが、『後(ご)発酵茶』といって、また別のお茶になります」
発酵茶ってどうやって作るの?
放香堂の発酵茶三種
写真左:「月あかり」浅い発酵
写真中:「花かおり」中程度の発酵
写真右:「ときわすれ」紅茶に近い発酵)
「発酵茶の作り方は日本茶とはちがいます。日本茶は葉をつんだらすぐに蒸気で蒸して酸化を止めてしまう。なるべく茶葉の成分が変化しないようにするのが日本茶です。これに対して発酵茶は、葉をつみ取ってからしばらく日光に当て、そのあと室内にひろげてしおれさせます。こうすることで茶葉の成分カテキンが酸化して香りの成分に変化するんです。発酵茶は香りを楽しむお茶。渋みの元となるカテキンが少なくなるので、味の刺激も少ないまろやかな飲み口になると思います。紅茶と烏龍茶は発酵茶ですよ。紅茶は発酵が完全に進んだもの。烏龍茶は紅茶ほど発酵させずに途中で止めるので半発酵茶ともいいますね」
お茶だけど無香料で花やフルーツの香り!
昔の茶箱がインテリアとして使われた店内
…発酵茶だからこんな花の香りが?
「多いのは、きんもくせいやジャスミンの香りですね。でも花の香りだけではありません。不思議なことに茶葉にはないはずの、フルーツのような香りが出てくることもあります。香料などまったく使っていないんですよ。農薬を使わず、油かすなどの少しの肥料をやってできるだけ自然に育てると、こんなふうに葉っぱからよい香りがするようになる。自然の驚異ですね」
日本茶のプロがなぜ発酵茶?
…日本茶のプロが発酵茶を手がけた理由は?
「おいしいお茶を作りたいという一心です。香りのよいお茶を追求していたら発酵茶に行き着いた。お茶ってね、自分が『こういうお茶を作りたい』と思えばそうなってくれるんです。容器によって水が形を変えるように、私の思いをくんでお茶もそうなってくれる。発酵茶も手間ひまかかって正直たいへんなんですが、おもしろくてやめられないですね」
放香堂は元町商店街の名所です!
放香堂の店内にあるかわいい丸ポスト
(手紙は投函できません!)
神戸・元町、放香堂が取り扱うは日本茶、コーヒー、発酵茶。
老舗のお茶屋でありながら、新しいものにもチャレンジングなところは「さすが港町神戸!」と思わせます。
異国情緒たっぷりの町、神戸。
その中でも異彩を放つ放香堂にぜひ一度足を運んでみてください。
古さと新しさを調和させたみごとなディスプレイも必見です。
店内をすみずみまでご覧あれ!
店舗情報
宇治茶の老舗 放香堂
定休日:水曜
営業時間:10時~19時
アクセス:阪神元町駅西口を出て南へ3分 元町商店街三丁目内
HP:
http://www.hokodo.co.jp/
Facebook:
https://www.facebook.com/chashohokodo
〒650-0022
兵庫県神戸市中央区元町通り3丁目10-6
TEL 078-331-3117(代表)
FAX 078-331-3824
フリーダイヤル 0120-088-450
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(文/チアフルライター 藤田由紀)