沿線お役立ちコラム

ボランティアで盛り上げよう! 神戸ルミナリエ

「イベント掃除ピカピカ隊」が神戸の街をピカピカに

チアフルライターのやまさんです。

神戸に越してきて5年。神戸の近現代史に興味があり、ぼちぼち調べています。

今年も神戸ルミナリエの季節がやってまいりました。

今年のテーマは「共に創ろう、新しい幸せの光を」

ルミナリエが始まると急に寒くなるという巷のジンクス通り、今年も開催初日の12月7日には前日までの暖冬から一転、一気に冷え込みました。

初日から会場のボランティアとして参加されている「イベント掃除ピカピカ隊」の皆さんの活動をレポートします。

神戸ルミナリエのゴール地点となる東遊園地にある市民ボランティアテントへ伺い、先ず取材をお願いしていた久語さんとピカピカ隊のリーダーである澤崎さんにお話を伺いました。

写真は左側が久語さん、右側がリーダーの澤崎さん

神戸市北区には子供からお年寄りまで誰もが楽しめる総合福祉ゾーン「しあわせの村」という施設があります。

そこには保養施設の他に神戸市シルバーカレッジという高齢者を対象とした学校があり、現役を退いた生徒さんが「誰かの役に立てる仕事がしたい」と、大学の講師から専門分野について3年間学びつつそれを生かした仕事やボランティア活動に邁進しているそうです。

「イベント掃除ピカピカ隊」はそうしたシルバーカレッジの「再び学んで他のために」という建学精神に則り発足しました。

70歳前後の方で構成されているピカピカ隊では、神戸ルミナリエ以外に「神戸マラソン」「神戸まつり」「阪神淡路大震災1.17のつどい」の神戸4大祭りでのボランティア活動を行っています。

参加者は皆さん全員神戸在住で、今回のボランティアの2/3が女性です。

カレッジのOB・OGを含め初参加、2回目の方が多いそうです。

ボランティアは無理なくマイペースで

17:30 活動開始です。

今回のピカピカ隊のお仕事は2つ。

① ゴミ拾い
② 「おもてなし」と呼ばれるお客さんへの道案内

銘々ボランティア用の黄色いジャケットを羽織り、ゴミ袋とトングを持ちます。

先ず澤崎さんからのブリーフィングがあり、集合写真撮影後作業開始です。

開始早々メンバーの一人がお客さんからトイレの場所を聞かれました。

ルミナリエで利用できるトイレは4ヶ所ありますが、どこもピーク時は大変混雑します。

会場の周りを皆で反時計回りに回りながらゴミを探します。

が、路上にほぼ全くと言っていいくらいゴミが落ちていません。

「こうしてゴミ袋を持ったボランティアが常時巡回することによって、ポイ捨てを抑制する効果があるんですよ」

実際に会場内をグルグル廻っていると、「ゴミ捨てていいですか?ご苦労さま、ありがとう」と声をかけてくるお客さんが結構いました。

屋台のすぐ近くにもゴミ箱が間隔をおいて設置されており、そのゴミも定期的にボランティアが回収するため、ゴミ箱もゴミで溢れることはありません。

道を聞かれたり、

写真を撮ってあげたり。

主催者側からは集合時間も解散時間も特に決められておらず、辺りの写真を撮ったりお喋りしたりしながらゆるゆると会場内を巡回します。

18:30 テントに戻り、主催者から支給されたお弁当をいただきます。

やっぱりテントの中は暖かい!

19:00 一気にお客さんが増えてきました。

ベビーカーを押す親子連れ、友人同士やカップル、ガイドさんに先導される観光バスのお客さん。

あちこちから外国語も聞こえてきます。

それでも全然ゴミが落ちてないんですね。

会場の雰囲気が厳かなせいか、皆さんとても礼儀正しく光のイベントを楽しんでいるといった印象を受けました。

会場では一般的な屋台のほか、神戸ゆかりの企業ブースが集まった一角があり、様々な神戸の味覚を楽しむこともできます。

19:30 集めたゴミを指定のコンテナに入れて作業終了・解散。

以後はメンバーの皆さんもお客さんとしてルミナリエに参加します。

皆様、お疲れ様でした!

神戸ルミナリエの公式HPによると、「犠牲者への慰霊と鎮魂の意を込めた『送り火』として、また、間もなく新しい年を迎える神戸の復興・再生への夢と希望を託して『神戸ルミナリエ』が始まった」といいます。

これを読んで、私自身六甲アイランドで被災し、同じ被災した身であるにも関わらず翌日には店を開けてくれたスーパーに並んで水や食料を求め、横倒しになった高速道路を横目に大阪まで歩いて避難し、運良く泊まれたホテルのテレビで初めて見た現地の惨状に涙が溢れた記憶が蘇りました。

そして、その年に初めて見たルミナリエの荘厳な点灯の瞬間は一生忘れ難いものになりました。

もっと大変な思いをされた方には尚更でしょう。

今回の取材で改めて震災を乗り越えてきた阪神地区の道のりを振り返ることができました。

「阪神大震災以降こうしたボランティア活動をする人が増えてきましたね」と久語さん。

今回のボランティアにはピカピカ隊以外にも様々なグループや団体が参加しているそうです。

実際に若い女性のグループも見かけました。

辛い経験を通して誰かのために何か自分ができることをしたい、そうした人々の気持ちがこの24年間神戸ルミナリエというイベントを支えてきたのだな、と心が温かくなり、同時に気持ちが引き締まるような思いで会場を後にしました。

■2018年神戸ルミナリエ
開催期間:12月7日〜12月16日
最寄り駅:阪神元町駅
神戸ルミナリエ公式HP:http://kobe-luminarie.jp/

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(文/チアフルライター やまさん)