いざ17世紀スペイン絵画の世界へ
こんにちは。美術館・博物館担当、チアフルライターの甲斐千代子です。
今回は、兵庫県立美術館で現在開催中の「プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光」の見どころとおすすめの楽しみ方、関連イベントなどをご紹介します。
プラド美術館は、歴代のスペイン国王のコレクションを元に、1819年スペイン・マドリードに開設されました。
伝統的な西洋絵画約7000点を所蔵する世界有数の美の殿堂として知られています。
今回は、ベラスケスの日本初公開5点を含む計7点の作品をはじめ、絵画と資料70点が展示されています。
ベラスケスの日本初公開作品を見逃すな!
[写真]
ディエゴ・ベラスケス《狩猟服姿のフェリペ4世》
1632-34年 油彩/カンヴァス
1599年スペインのセビーリャで生まれたベラスケス。
当時のスペインの国王フェリペ4世に気に入られ彼のもとで創作活動をつづけました。
扱った主題が幅広い画家としても知られています。
彼自身の作品はスペイン宮廷で大切に扱われていたため、あまり外に出ることはなかったそうです。
彼が世界的に注目を集めるのは19世紀のこと。
フランス印象派の画家マネが「ベラスケスは素晴らしい。画家の中の画家」と称賛したことが一つのきっかけとなりました。
自分の好きなモチーフを探す!
[写真]左 ぺーテル・パウル・ルーベンス、ヤーコプ・ヨルダーンス
《アンドロメダを救うペルセウス》1639-41年 油彩/カンヴァス
全ての作品をじっくり見てほしいのはもちろんですが、作品の中に自分の好きなモチーフを探すのも楽しみ方の一つ。
私が見つけたのは「星座のキャラクターたち」が登場するこの作品です。
「海の怪物の生贄に捧げられた、エチオピアの王女アンドロメダを救う英雄ペルセウス。
よく見ると、海の怪物はもちろん、その後ペルセウスが退治するメデューサや、その時生まれたペガサスの姿も!」
アンドロメダ座・ペルセウス座・くじら座・ぺガスス座は秋の代表的な星座たちです。
展覧会の終盤10月初旬には、午後8時頃、南~南東の空にこれらの星座を見つけることができます。
絵画は教育にも役立つ! イソップ物語の逸話も題材に
[写真]左 パウル・デ・フォス
《犬と肉の寓話》1636-38年 油彩/カンヴァス
「ごちそうの肉を手に入れた犬。橋を渡るときに他の犬が肉をくわえているのを目にする。そっちの方が美味しそう・・・奪い取ろうとして『ワン』 自分がくわえていた肉は川へと落ちていく・・・そう、もう一匹の犬は川面に映る自分の姿、犬は自分の行為により食べる肉を失ってしまう」
『欲張っちゃダメよ。手に入れたものを大切にね』なんてことを話しながら親子で楽しんでみてはいかがでしょう。
音声ガイドや「こども鑑賞ガイド」も活用せよ
作品のキャプション(解説文)を参考に作品を鑑賞するのもいいですが、作品にまつわるちょっといい話、逸話などを聞けば作品の面白さ、理解度もグーンと深まります。プラド美術館展の音声ガイドプレゼンターは王子様こと及川光博さん。
独特の世界観で私たちを17世紀のスペインにいざなってくれます。
また、今回用意されている「こども鑑賞ガイド」も侮れません。
是非参考に。
関連イベントで芸術への造詣を深めるのもよし、親子で楽しむもよし
期間中は関連イベントも実施されます。「記念講演会」
7月8日(日)「ベラスケス、フェリペ4世とプラド美術館」
講師:川瀬佑介氏(国立西洋美術館主任研究員・本展監修者)他、8月19日(日)・9月9日(日)・9月30日(日)に開催
ミュージアムホールで午後2時から。
聴講無料(定員250名、要観覧券)
「おやこ解説会」
8月4日(土)午後1時30分から
レクチャールームにて(定員20組)
※7月4日午前10時から受け付け開始
「こどものイベント」
7月7日(土)・8月25日(土)午前10時30分から午後3時30分
アトリエ2にて。
(定員30名)参加費:500円
※「おやこ解説会」と「こどものイベント」は要事前申込(078-262-0908)
などなど。
17世紀のスペインはまさに絵画の「黄金時代」
展示されている作品は大作ばかりで、その存在感に圧倒されます。スペインだけではなくイタリアやフランドルなどの作品も含めた、当時のアートシーンを全身で感じてみてください。
「プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光」は兵庫県立美術館で10月14日(日)まで開かれています。
兵庫県立美術館
https://www.artm.pref.hyogo.jp/exhibition/t_1806/index.html
一緒に沿線の魅力を発信してみませんか?
チアフルライターはまだまだメンバーを募集しています。参加の流れは以下の通りです。
(1)Facebookグループ「HANSHIN女性応援プロジェクトサポーターグループ」にご参加ください。
(2)チアフルライター勉強会(兼説明会)の日程を(1)のグループでご案内します。
(3)勉強会に参加して、チアフルライターの活動内容やコラムの書き方などの研修を受けていただきます。説明を聞いてこれならできそうだ...と思ったらチアフルライターへの参加をお申し込みください。
阪神沿線が大好きな女性のご参加をお待ちしています!
(文/チアフルライター 甲斐千代子)