沿線お役立ちコラム

「冷え」の原因は体温調整システムの異常

兵庫医科大学病院 循環器内科の内藤由朗です。暑い夏なのに体が冷えていると感じることはないでしょうか?
冷えは、手足の先や腰のあたりなどが冷たくなる状態のことを言います。
今回のコラムでは、そんな女性に多い冷えについてわかりやすく解説します。

冷え=血液の流れが悪い

冷えは病気の名前ではなく、血液の流れが悪いために起こる症状のことを言います。
そもそも体温は、脳の「視床下部」と呼ばれる自律神経の司令塔が、体に流れる血液や汗の量を変化させることにより、調整されています。この体温調節システムのどこかに異常があると、冷えは現れてきます。

冷え(体温調整システムの異常)はどうして起きる??

一つは、指令する側の自律神経の問題です。ストレスや不規則な生活などにより自律神経が乱れると、冷えは現れます。
次に、指令を受ける側の血流の問題です。貧血や血管の病気などで血液の流れが悪くなると、冷えが生じます。
その他、女性ホルモンの乱れも、冷えの原因になります。
女性は男性に比べ熱を産生する筋肉の量が少ないため、女性に冷えが多いとも考えられています。

冷えの対処法

まず、生活習慣を変えてみましょう。
具体的には、38~40℃のぬるめのお湯での入浴がおすすめです。お湯につかって体が温まると、血管が広がり、血流がよくなります。お湯の高さがみぞおちあたりまでの半身浴は、長い時間入っていられておすすめです。
また、適度な運動、規則正しい食生活、喫煙されている場合は禁煙、なども大切です。
生活習慣などを変えてもなかなか良くならない冷えの場合は、貧血、血管や甲状腺などの病気が隠れているのかもしれません。そのような場合は、医療機関での受診をおすすめします。
この記事を書いた人
内藤由朗
兵庫医科大学病院 循環器内科 講師