沿線お役立ちコラム

(前編) 「糖質」との上手な付き合い方

普段何気なく口にしているお菓子やジュースなど飲み物。
何となく「良くないな」と思っていても、実際、どのように体に影響するか考えたことはありますか?

おやつをご飯の代わりとして食べていませんか?

ご飯に含まれる「糖」とお菓子に含まれる「糖」には、どのような違いがあるのでしょうか?

お菓子に多く含まれるのは「糖類」、ご飯に多く含まれるのは「多糖類」

「糖類」とは、単糖類(ブドウ糖・果物に含まれる果糖など)と二糖類(砂糖に含まれるショ糖や牛乳に含まれる乳糖など)の総称です。イメージで言うと、食すと甘みを感じるものです。こちらがお菓子に多く含まれるものです。

「多糖類」は、多数の単糖類が繋がったもので、ご飯に含まれるでんぷんなどがあります。

ちなみに、炭水化物とは糖質+食物繊維の総称です。

「血糖値」と「糖」

「血糖値」とは、血液中に溶けている糖(ブドウ糖)の濃度を示す数値で、数値が高いほど含まれる糖が多いということになります。
炭水化物を摂ると、体内でブドウ糖に分解され、血液中に入り血糖値を上昇させます。

血糖値が上昇すると、血糖値を下げるホルモン「インスリン」が分泌され、糖をエネルギーとして筋肉や臓器などに送られます。
その一方で、使われなかった糖を脂肪として溜め込む働きもします。

血糖値の上昇が急であるほど、「インスリン」が多量に分泌され、糖が余っている→脂肪として溜め込まなければ、と体が判断してしまいます。

糖類(単糖類・二糖類≒砂糖など)は、多糖類(≒ご飯など)よりも体内での吸収スピードが速く、血糖値を急激に上昇させます。

砂糖を沢山含むお菓子やジュースなどを摂り過ぎると、体脂肪の増加に繋がり、糖尿病や肥満、生活習慣病のリスクとなります。

それに対し、ご飯などに含まれるでんぷんは、ブドウ糖に分解してから吸収されるため、血糖値の上昇は緩やかであり、上記のようなことは起こりにくい、ということになります。

これで、“お菓子など砂糖に含まれる糖”と、“ご飯に含まれる糖”の質は違うことがお分かりになられましたか?

急激に血糖値を上げてしまうお菓子ではなく、3食きちんとご飯など主食を摂ることが大事ですね。

それでは、3食きちんと食事を摂る以外に、気を付けることとは何でしょうか?

血糖値の急上昇を抑える食事での工夫

“甘いお菓子を食べ過ぎない”というのは、もちろんですが…
以下のようなポイントが挙げられます。

①よく噛んで食べる。
 「1口30回噛みましょう」と言われています。
 ですが、実際これを続けるのは大変ですので、粉々になるまでよく噛んで飲み込むことを心がけましょう。

②3食規則正しく食事を摂る。
 朝昼兼用のような、「まとめ食べ」は避けましょう。

③食前に野菜を食べる。
 野菜に含まれる食物繊維は、血糖値の急激な上昇を抑制します。
 また、野菜類をしっかり摂ることにより、主菜(メインの魚や肉)や主食(ご飯やパン、麺類など)の摂り過ぎを防ぎます。

④精製されていない米・パン・麺などを選ぶ。
 精製されていないものは食物繊維を多く含みます。
 全粒粉パンやライ麦パン、雑穀米、玄米、麦ごはんなどを選びましょう。

⑤炭酸飲料やジュースを、水やお茶に代える。
 満足感が得られない場合は、無糖の炭酸水に変えてみてはいかがでしょうか?
 最近ではレモンやライムの風味がついた商品などもあります。

⑥炭水化物の重ね食べを避ける。
 うどん+おにぎり、ラーメン+チャーハンの組み合わせのように、炭水化物を重ねて食べることは避けましょう。


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その飲み物、実はこんなに糖類を含んでいる! >