沿線お役立ちコラム

塩の摂りすぎは万病の元!?(前編)

高血圧と減塩

高血圧と言われると医師から「減塩」と言われます。なぜでしょう。

 

食塩の主成分は「塩化ナトリウム」。

この「ナトリウム」は胃酸や膵液など消化液の原料の他、身体の維持に必要不可欠です。

 

しかし、日常的に摂り過ぎると、血液中に増えたナトリウムを薄めるために、血管内に水分が増えます。

すると、血管の内側は高い圧力にさらされ(=高血圧)、この状態が持続すると動脈硬化を引き起こします。

この動脈硬化は、脳梗塞や心筋梗塞等の血管疾患のリスクとなります。

また、食塩摂取過剰は胃がんなどのリスクも高めます。

 

ということで、まずは日々のお食事から見直しましょう!

食塩はどのくらい摂っていいの?

国の食事摂取基準の食塩摂取の目標量は、1日当たり、男性:8.0g未満女性:7.0g未満です。

しかし、現実の平均摂取量は、男性10.9g/日、女性9.2g/日といずれも目標量を達成出来ていません。

高血圧の方は1日の食塩摂取量は6.0g未満という厳しい制限です。

 

でも、食塩量の計算は現実的ではありませんね・・・

その代わりに、いくつかの工夫をしましょう。

外食・中食での減塩のコツ!

忙しい現代の生活では中食や外食は欠かせないものですね。

ですが、外食や中食のお料理には食塩が多く含まれているものが多いです。

いくつかの工夫をすることで、便利さと減塩を両立しましょう。

 

~中食での工夫~

★味の付いているものばかりを買わず、野菜を組み合わせる

例)

焼き鳥:焼き鳥ばかり選ばず、スティック野菜を添える。

ひじきの煮物:水菜にオリーブオイル・酢・黒こしょう各少々を混ぜたものにひじきの煮物をのせてサラダ風にする。食べる際、全体を混ぜて食べる。

切り干し大根の煮物:茹でほうれん草、すりごまと和える。

 

~外食での工夫~

・メニューのバリエーションが多い店を選ぶ。

・丼よりも定食を選ぶ。

・単品物(丼など)にはサラダを追加する。

・炊き込みご飯や混ぜご飯ではなく、白飯を選ぶ。

・サラダや青菜炒めなど野菜だけのメニューを一品取り入れる。

・肉野菜炒めには酢を少量かける。食塩を含んだ汁と酢が混ざって、皿に残り、かつ食べ過ぎも防げます。

・麺類:汁は全量残す。

・お寿司:酢飯に食塩を多く含みます。醤油は、シャリではなく、ネタに少量つける。わさびを広げると香りで、少量の醤油でも美味しく食べられます。

・刺身やトンカツ:醤油やソースはかけるではなく、つけて食べる。

・食べ過ぎない。

調理での減塩のコツ!

食塩含有量の多い食品を控える

漬物、佃煮、干物、練り製品、ウィンナー、ハム、チーズなど加工食品は、製造過程で食塩を添加されているため、要注意。

1日にどれか1品までにしましょう。

汁物は、具沢山、ミニサイズのお椀にして汁の量を減らしましょう。1日1杯までにしましょう。

 

2.香辛料・香味野菜を活用

コショウ、唐辛子、カレー粉、山椒、わさび、辛子、三つ葉、葱、ニンニク、ショウガなど

香味やピリッと刺激的な辛さを効かしましょう。

例)からし和え、山椒焼き、焼き野菜にカレー塩、焼き魚におろし一味ポン酢

 

3.酸味の利用

レモンやゆずなどの柑橘類、トマトなど

酸味がアクセントになります。

例)焼き魚にスダチ、トマト煮

 

4.旨味を多く含む食品の使用

鰹節、海苔、桜海老、とろろ昆布、きのこ、乳製品など

旨味を多く含む食品やその溶け出しただしを上手に使いましょう。

例)鰹ポン酢和え、焼ききのこと青菜の和え物

 

5.味が決まり、減塩にもなる調味料の使用

ポン酢、だし醤油、オイスターソースなどは、少量で旨味とコクも楽しめます。

 

6.食品の表面に味をつける、「かける」ではなく「つける」

同じ食塩量を使っても、食材の表面に味をつけて食べる方が、浸み込ませるより塩味をしっかりと感じます。

 

7.味にメリハリをつける

料理全体を薄味にするよりも、メイン料理に味を重点的につけ副菜は薄めにつけることで、味にメリハリがつき、満足感が得られます。

 

8.香ばしい焦げの風味を付ける

焼き目を付け、焦げの風味で香ばしさをプラスしましょう。

 

9.新鮮な旬の食材を利用

食材の持ち味を生かしましょう。

野菜・果物を摂るのもポイント

カリウムはナトリウムを体外に排泄する働きがあります。

カリウムを多く含む食品は野菜果物

肉や魚が中心の食生活をしていると、食塩を摂りすぎてしまいがちです。

野菜も沢山摂ることが大切です。

また、腎疾患等でカリウム制限の必要な方は生野菜・果物の摂取に注意が要りますので、主治医に確認しましょう。

   

ずっと濃い味付けに親しんでいた人がいきなり減塩すると、薄味が物足りないと感じますが…

 まずは一週間薄味を続けてみましょう。

人間の味覚と身体はよくできたもので、減塩を一週間続けると薄味に慣れるというデータがあります。

ぜひ試してみてください。



後編では減塩の効果と減塩レシピをご紹介しています。